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小説の書き方&物語の書き方を初心者向けに徹底解説!|面白い小説を書くコツと創作の基本知識まとめ!

小説の書き方&物語の書き方を初心者向けに徹底解説!


はじめて物語を創作するから、小説の書き方のコツや基本ルールについて、初心者向け講座をして欲しい!という方向けに、まとめ記事を作ってみました!

 

はじめまして。『作家の味方(Project Cre’A)』の管理人 らぴ(@kazakiribana2)と申します。

 

累計5,000人以上にも登る幅広い作家さんからのご協力により、なんとか少しは実践的で役に立つ形にまとめられたのではないかと思います。協力して頂いた方々には本当にお世話になりました。この場を借りて、御礼申し上げます。

 

この基本講座で、一人でも多くのクリエイターさんたちが暗い夜道を迷うことなく、ただいつも楽しそうに物語を書きなぐっていける手助けができれば嬉しいです。

 

※とても長文です。そのため、できる限り読者さまの負担を減らすべく、読み上げアプリ「Google Go」に対応しています。

 

→ 小学生・中学生でもわかる版!

→ ガッツリ学びたい方はこちら!

→ 短編小説の書き方ならこちら!

→ エッセイの書き方ならこちら!

 





 

小説を書くには?


小説を書こうとすると、必ず2つの作業が発生します。それは「物語を創造する作業」と「物語を文章で表現していく作業」です。

 

つまり、小説を書くのに必要なものは「文章表現力」と「物語創造力」だけなんです。

 

→ 文章表現力についての解説へ

→ 物語創造力についての解説へ

 

小説の文章を書く力〈文章表現力〉


まず、小説の文章というのは「台詞文」と「それ以外の文」(※これを地の文と言います)で構成されています。

 

→  セリフ文の書き方に関連する解説へ

→ セリフ以外(地の文)の書き方解説へ

→ セリフと地の文の基本ルールとコツへ

 

■ 台詞の書き方

「台詞文」は、説明じみた発言(説明台詞)をさせなければ普段の会話で使うような書き方で問題ありません。

 

どうしても説明文ばかりになってしまうという方は、比喩の一種である転喩(メタレプシス)といった技法を用いるとよいでしょう。

 

また、台詞の後に「~と言った」と地の文を続けるのは、ト書きといって小説においては奨励されません。これは結果的に「~と言った」を連呼しまくって、文に拙い印象を持たせてしまうためです。

 

ト書きに対する基本的な対処法は、主語に人物を持ってくる癖をなくすことでしょう。物体や風景を主語にすると書きやすくなると思います。→ト書きの対処法についてはこちら

 

誰でも書くだけなら比較的悩むことがないセリフパートですが、上手に書くとなると難易度が一気に上昇します。

 

公募で使用される評価シートの対象となることもあるので、詳しい台詞の書き方が知りたい方はこちらをご参照ください! (※セリフという評価項目がない場合は、キャラクターという項目の中に入っていると思われます)。

 

■ 地の文の書き方

次に、地の文についてです。小説の大半を占める「地の文」の書き方について、見ていきましょう。

 

このセクションを一言でまとめると、読者の「想像の余地」を残すように書いてあげれば、十分魅力的な文章をかけるようになります。

 

そして、日本語文法によると「想像の余地」とは文章中にある婉曲表現の割合で、ほとんど決まっていることがわかっています。→ その理由と婉曲表現についての解説は、こちら!

 

ちなみに、ここで「想像の余地」と呼んでいるものの正体(※これをミメーシスと呼びます)に関する研究は、紀元前400年頃。いまから2500年も昔から議論がなされていて、歴史的な結論についても既にあらかた導き出されていたりします。→ 紀元前から議論されてきた創作論が5分でよくわかるシリーズへ!

 

ミメーシスに関しては、初心者の方なら読まなくても大丈夫です。先にこのままページを読み進めていく方が良いでしょう。

 

ただ、プロとして本格的に作家業に取り組みたいという方は、ミメーシスを理解しておくと「うまい文章は偶然出てくるもの」から「意図的に作り出すもの」へ変化させることができるでしょう。

 

※専門学校の基礎科目でもある哲学者アリストテレス著の『詩学』についてのお話です。ちなみに、『詩学』が不完全であると指摘される根拠となっているホラティウスの『詩論』についても知っておいた方が良いでしょう。

 

■ 小説の基本的なコツ5選!

初心者が小説を書くとき、最低限押さえておきたいたった5つのコツは、以下の通りです。

 

  1. 指南書によく登場してくる「5W1H」「箱書き」「語彙力」は、上級者向け。初心者は気にしなくて良し。※理由は後述します。
  2. 文末が「~た。」で終わりがちな時は「~ら、どうなる」と自問自答してみましょう。説明文を手軽に描写へ変換できます。
  3. 読者に好まれる文は「読みやすい」「ルールを守っている」「オリジナリティのある」文だと心得ておきましょう。※コツについては後述します。
  4. 人の作品に触れて自分の書き方というものを知り、書き続けることでオリジナリティを産み出すことができるようになるでしょう。
  5. 描写のコツは、人の持つ欲求を五感(特に、嗅覚・味覚・触覚)で刺激すると良いでしょう。

 

かなり端折りましたが、上にあげたコツを提案するに至るまでの、わかりやすい解説たちや基本ルール・作法の一覧、使いやすい文章テクニックに関しては、以下の記事たちをご参照ください!

 

また、文末のワンパターンを解消する具体例はこちらからどうぞ!

 

▼ 文章表現力に役立つ記事一覧

 

物語を文章で表現する際に気を付けておくべきポイントは、以上です。

 

あとは、実践あるのみでしょう。二年くらい書いていれば、自分が書く文章の癖にも気づくようになると思います。また、好みの作者さんの文体を真似るのも良い練習となるでしょう。→ 小説練習コースの一覧へ

 

ただ、好みの作家さんの文体ばかりを真似していると、オリジナリティという壁にぶつかる方も出てくるかもしれません。

 

そんなときは、自分の使いやすい修辞技法(レトリック)を意図的に用いると吉です。修辞技法ってなんぞ?と思われた方も多いかもしれませんね。

 

修辞技法を別のもので例えるならば、フィギュアスケートにおけるトリプルアクセルみたいなもの、といえばわかりやすいですかね。

 

修辞技法は、文章表現における「ワザ」そのものです。具体的には、比喩やオノマトペ、トートロジーなどがあります。→ 修辞技法(レトリック)の一覧と使い方についてはこちら!

 

とりわけ『比喩(ひゆ)』という技法は、文章のわかりやすさを格段にあげてくれますし、汎用的かつ使い勝手が良いので、最初にマスターしておきたいところです。→ 小学生でもわかる『比喩(ひゆ)』の解説まとめ!

 

また、大衆文学といった作品群では、擬音語の取り扱いに少しだけ注意が必要なので、使っても稚拙な印象を与えない方法についても解説しておきました。→ 擬音語を使う際の注意点について

 

また、文章表現が苦手な人でも楽しみながら、作中の表現を豊かにする方法としては『コロケーション辞典(てにをは辞典)』の活用も一つの選択肢となるでしょう。

 

 

 

小説の物語を作る力〈物語創造力〉


ここからは、物語の作り方に関するパートに移ります。小説を書き始めようとすると、よっぽどのことがない限り物語の設定を練るところから始めることになるでしょう。

 

物語世界を構築している主要な設定には、「キャラクター設定」、「ストーリー設定」、「世界観設定」、「テーマ設定」の四大設定があります。

 

加えて、物語世界を構築するのではなく、あくまでも物語世界を観測するために「視点」というものも決める必要が出てくるでしょう。

 

詳しくは、視点の記事を参考にしてほしいのですが。原則、「視点」を章の内で変更することは辞めておいたほうが良いでしょう。※どうしても視点変更がしたいという方に対してのアドバイスも一緒に残しておきました。

 

「視点」の定まらない小説を読むというのは、映画を何度も席替えさせられながら見せられるようなものです。読者の集中力を著しく阻害したり、移動している間に見落とす部分がでてきてしまうことになります。

 

もしアイデアが浮かぶようになったら、必ず忘れないようにメモを書き残して置くと良いでしょう。ちなみに、メモに使えるアプリについては、こちらの記事で19種類のアプリを徹底比較してみました!

 

そして、既に初心者を脱している方に限っていえば、ここに「ジャンルの選択(=読者層のターゲティング)」が加わることもあります。小説のジャンルには分類方法がいくつかあるので、分類の基準ごとに以下の記事をご覧ください。

 

■ 小説のジャンル一覧まとめ!

 

あと押さえておくと良いポイントは、『小説の売り方』と『新人賞における評価方法(文芸評論の書き方)』くらいでしょうね。

 

ちなみに、小説の売り方については以下の流れで解説しておきました!

    1. 表紙の役割と依頼相場
    2. タイトルの付け方
    3. あらすじの書き方
    4. 冒頭の書き出し方
    5. 小説家になるための具体的な方法リスト19選
    6. セルフ・ブランディング戦略
    7. 便利なツールの使い方
    8. ラノベ系レーベルの一覧と代表作
    9. 自費出版における詐欺対策情報

 

というわけで、続いては上で取りあげた四大設定(キャラクター、ストーリー、世界観、テーマ)について、一つ一つゆっくり見ていくことにしましょう。

 

→ キャラクター設定へ

→ ストーリーの設定へ

→ 世界観の設定方法へ

→ テーマの設定方法へ

 

キャラクターの設定をしよう!


小説において設定の順番に決まりはありませんが、もし拘りがないのであればキャラクター設定からすると楽でしょう。※試してみて上手くいかなければ、臨機応変に別の設定から埋めていけばOKです。

 

というのも、キャラクター設定というのは設定されておくべき項目の数も比較的多く、物語の序盤から「口調」や「人称」といった形をとって、文章にすぐに跳ねてくる性質を持つ設定たちだからです。

 

執筆時のモチベーション的にも、創り始めた頃は比較的タフな設定作業にも楽しみながら耐えることができるのですが、後半では深刻な苦痛を伴いがちです。※もちろん、個人差はあります。

 

そういった意味でも、キャラクターの設定というのは早めに固めておくと良いでしょう。後々の作業が楽になります。また、キャラぶれのリスクも減るというメリットがあったりもします。

 

そういうわけで、より具体的なキャラクターの設定に関する項目をあらかじめまとめているテンプレートや、魅力的なキャラクターを作り上げる工程を実演形式で公開している、以下の記事を参考にしてみると良いでしょう。

 

▼ キャラクター設定に関する解説まとめ!

キャラクター設定の基礎まとめ!~キャラクターの作り方を徹底解説~

 

※ちなみに、キャラクター設定で作家さんがよく困っているのを見かける項目は、「口調」・「人称」・「名前」の決め方のようですね(過去に質問を受けた回数が断トツで多かったです)。

 

ストーリー設定(物語を書く手順)


ストーリーを作るのであれば、最初に物語の大筋を一文で端的に表現してみましょう。

 

このような一文のことを、プレミスと呼びます。プレミスを決めておくと、公募審査に通過しやすくなったり、収益も出やすい作品となってくれるのでオススメです。

 

また、格段に完結しやすくさせるメリットもあったりします。プレミスの決め方についてはこちら!

 

プレミスがどうしても思い付かないときは、小説創作に使えるテーマ・お題の探し方を参考にしてみてください。

 

プレミスができたら、初心者のうちは典型的な起承転結というフレームワークを使うことにしましょう。思い付きでも出来そうなら、やってみてください。何事も行動してから考えた方が早く前に進めます。

 

最悪、ココさえ読んでおけば短編くらいなら5分くらいでかんたんに作れちゃいます。→ 物語の超具体的な書き方まとめ!

 

初心者の方であれば、ストーリー設定についてはここまでで十分かと思います。

 

(コラム)ストーリー設定の上手なサボり方

このセクションでは、ストーリー設定をサボるコツについてお話していきます。というのも、小説を書くことの楽しみが「プロットを作るところではない」という方もいらっしゃると思うんですよね。

 

小説を書きはじめた動機が「創作したキャラクターが動いているのを、ただ描いてみたかった(キャラクター重視型)」とか、「理想的な世界観を構築して、旅をしてみたかった(世界観・設定重視型)」とか、「とあるメッセージを世界へ発信したかった(メッセンジャー型)」とか、

 

そういった部分にある方も、いらっしゃるのではないでしょうか?

 

そういった方々には「プレミスやプロットの設定をサボる技術」も大切になってくるでしょう。「サボるなんて無理じゃね?」と思われるかもしれませんが、時代は日々進歩しています。

 

いまや、物語創作であっても「適度にサボることは可能」と言っても過言ではないでしょう。代表的な方法としては、「ストーリーのネタ帳」という本を利用するという手があります。

 

いわゆる王道展開と呼ばれるものの構造を図解してくれている本なのですが。こういった資料を使いこなせば、長編執筆が苦手な方でも、簡単に長編がかけるようになれます。

 

プロットの一部を丸パクリさせてくれる補助輪みたいなものですね。→ 「ストーリーのネタ帳」の図解イメージサンプルはこちら!

 

こういった物語に関する構造分析は、昔から行われていて。旧ソ連の昔話研究家であったウラジミール・プロップの『昔話の形態学 (Morphology of the Folktale)』という著書が有名です。※この辺の歴史は面白いので、少しだけ補足しておきます。

 

まず、私たちがさほど勉強しなくても物語をかけるのは、何故でしょうか?それは、普段から物語に触れているからだと言われています。それでは「物語を読みまくれば、良い小説や物語をかけるようになるのでは?」と思う人も当然でてきそうですよね。

 

ただ、作家さんが大量の小説や物語を読みまくるのには弊害がありました。オリジナルな作品を書けなくなるのです。この世では、完全なる0から1を造るのは不可能ですから、どんな物語も探せば似たような作品が出てきます。

 

大量の物語を知っている人であればあるほど、作者自身には自分の作品が「〇〇という作品のパクリ」といった風にしかみえなくなってしまうというわけです。たとえ、周囲がどう思っていたとしてもです。これでは書いている本人は楽しくありません。

 

物語を読むほど上達するけど、物語を読むほどモチベが下がる。このジレンマを解決する方法として採択されたのが、具体的に「〇〇という作品のパクリ」と作品を特定できないレベルまで抽象化するという方法だったようです。

 

つまり、この世にある膨大な物語の共通点だけを取り出して、どうせオリジナルで書いても幾つかのポイントが一致するようなフレームワークを探しだそうぜという試みが世界中で行われたというわけですね。

 

■ ウラジミール・プロップの考え方

先ずプロップは、物語の全体や部分の関係性ではなく、細部の構成部分にバラすことから出発します。

おばあさんが、見つけた、桃から、生まれた、男児(桃太郎)
おじいさんが、見つけた、竹から、生まれた、女児(かぐや姫)

ここには、物語が変わっても決して変わらない「定項」(見つけた、生まれた)と、物語ごとに変化する「可変項」があります。
独女が、見つけた、チューリップから、生まれた、女児(親指姫)、という風に。
この各物語に共通する定項と、その定項間のつながりである構造を抽出すれば、すべての昔話(ロシアの魔法昔話)の根にある物語の原型を明らかにできるというのが、プロップの発想です。

引用元:コテンto名著(プロップの『昔話の形態学』)

 

このようにして、「どうせ練りに練ってプロットを考えても上で言う「物語の原型」と一致するなら、むしろ原型を土台にして作ったほうが早くね?」という考え方が台頭してきたというわけです。

 

ちなみに、このうちで最も典型的で大雑把な原型に位置するのが、「起承転結」や「序破急」、「ハリウッド三幕構成」と呼ばれるものたちです。

 

もう少しくだいた原型には、「ブレイク・スナイダー・ビート・シート(SAVE THE CATの法則)」や「ベストセラーコード」と呼ばれるフレームワークなんかもあります。

 

そして、さらに細かく実用的に作られたのが「ストーリーのネタ帳」という本のようです。しかも、Amazon kindleだと無料で見れるんですよね~。太っ腹すぎません?(笑)

 

 

まぁ、こんな感じで、魔法使いが自分の魔法を制御するのに適した杖を選ぶように、作家も自分にフィットしてくれるプロットの原型を見つけてしまえば、適度にサボることもできるようになると思います。

 

■ もっと面白い物語を書くためには?

ただ、なんとなく物語は作れているのだけど「やっぱり、自力で一から面白いプロットを作りたい!」とか「コツが知りたい!」という方も、いらっしゃることでしょう。

 

そういう方には、プロット・デバイス(脚本術)に関する知恵をオススメしておきます。プロット・デバイスというのは、物語製作における「ワザ」のことです。これを知っておくと、自作へ客観的な評価を下しやすくもなります。

 

余談ですが、物語を上手に創り込む技術に関しては「小説を読む」よりも「映像作品を見る」ことから学んだほうが効率が良いと言われています。

 

これは時間的な制約が背景にあるようで、一人の作家さんが、「読める小説の数」と「見れる映像作品の数」だと、どうしても映像作品に軍杯が上がってしまうのです。

 

そのためか、シナリオ構成に関しては映像作品の方が、技術的には発展してるといわざるを得ません。

 

ただし、映像作品にはスポンサーのCMを入れる時間といった『尺の問題』があるので、小説に適応されない事情が構成の中に紛れ込んでいたりします。

 

先述している「ブレイク・スナイダー・ビート・シート」が典型例ですね。小説の持つ高い自由度を損なわないように少しだけ気にしておくと良いでしょう。

 

以下、プロットデバイスの一覧です。

 

■ 物語を書くコツ!〈プロットデバイス編〉

 

面白い物語を作るというのは「人気なジェットコーター」を作るのと似ているといわれたりもします。「落差が生み出すリズム」が大切だというお話です。

 

もし落差だらけのコースであれば、乗っている人が失神したり空中に放り出されて(読むのを離脱して)しまうかもしれません。

 

逆に、いまいち盛り上がりに欠けている落差のない平坦なコースなのであれば、今度は面白くないのでまた乗ろう(読もう)という気にはならないでしょう。

 

つまり、ジェットコースターが水中へ突入したりすることで激しい驚きや楽しさといった意外性による落差を作るのが「プロットデバイスの役割」で、

 

物語の始まりから終わりを真っ直ぐ結ぶ太い筋が起承転結といった「プロットの役割」となっているというわけです。→ 起承転結の使い方については、こちらで解説しておきました!

 

ちなみに、このとき『視点』は乗員の目線。『文体』は、乗員の目線の動かし方。『キャラクター(個性)』は、目線の先に見た光景に対する感想と考えれば、それぞれの関係性が少しだけわかりやすくなります。

 

なお、プロットを組み立てる順序については、大筋の物語(プロット)から各場面(プロットデバイス)に落とし込んで描こうとするタイプの人と、さまざまな場面(プロットデバイス)を数珠繋ぎにして大筋の物語(プロット)を構成していこうとするタイプの人がいるようです。これは別に、どっちの書き方でも良い作品は書けます(バッサリ)。

 

前者は、プロットをガチゴチに組む人が多いのでプロット型と呼ばれることがあります。後者には、短編を数珠つなぎにすることが多いので、各プロット自体はとてもシンプルで頭の中でやってしまえることからライブ型やフリースケッチ型と呼ばれているようです。

 

好きな方を選びましょう!

 

世界観の設定方法


厳密に言えば、世界観設定には「舞台(風景や建造物など)に関する設定」と「登場人物を動かすもの(異能力や戦争など)に関する設定」という2つがあります。

 

どちらにせよ、物語創作における世界観の重要度は「キャラクター」や「プロット」と比較すると残念ながら低いとされています。根拠は、主に3つあるようです。(※あくまで、一般論なので悪しからず!)

 

一つは、小説という媒体の性質上。主人公やキャラクターの目線以外の部分は、どれだけ凝った設定をしていても文章で描けるのは、ほんの一部に留まってしまうからです。

 

もう一つは、仮に世界観が現代そのままでも「キャラクター」と「プロット」さえ、しっかり面白ければ小説は書けてしまうからです。

 

最後の一つは、史実と相違していたりすると変なアンチが湧きがちだからです。これで筆を折る人が意外と多いので、気をつけておきましょう。

 

これらを踏まえると、世界観に関する設定のコツは世界観設定をストーリーやキャラクターよりも優先させないことといえるでしょう。

 

とはいえ、世界観の設定というのは考えているだけでも楽しいものですから、つい夢中になってしまうのもわかるんですけどね(笑)

 

モチベが下がっている時は、世界観を考えると持ち直しやすくなると思います。

 

もう少し詳しいコツや世界観の果たす物語における役割などについては、以下の記事にまとめておきましたので、参考にしてみると良いでしょう。

 

▼ 世界観&舞台設定に関する解説まとめ!

小説・ラノベ創作における世界観&舞台設定の作り方まとめ!|ファンタジーに使える考え方と資料一覧

 

テーマの設定方法


テーマという言葉の意味は、「お題」ですから。お題が「ツンデレ」なら「キャラクター設定」、お題が「架空国家」なら「世界観設定」というように、実はここまでの解説に設定方法自体は盛り込まれていたりします。

 

※ただし、テーマに「メッセージ(読者へ伝えたいこと)」が設定されてくる場合もあります。その場合、キャラクターが役割化したりします。

 

「テーマ」や「コンセプト」といった考え方は、新作を書き始めようとするときに「三題噺」といった形で登場してきたり、書き終えた後の編集フェーズで必要となります。似たようなものに「モチーフ」という言葉がありますが、違いを理解しておくと大衆向け作品の作り方がわかるようになります。→「テーマ」と「モチーフ」の違いはこちら!

 

「キャラクター設定」や「ストーリー設定」、「世界観設定」、「読者に伝えたいメッセージ」といった各種設定に共通して使える『創作ネタを生み出すコツ』についてはこちらにまとめておきました。

 

テーマを設定する際に、たった一つだけ注意しておくべきポイントは「設定の後出し」だけです。

 

わかりやすくするために、演劇の創作を例にとって説明していきますね。

 

脚本家というのは、劇を作るために舞台を用意し(世界観を設定し)、役者を採用し(キャラクターを設定し)、戯曲・脚本を用意します(ストーリーとプロット、作品の結末を決めます)。

 

当然、このままでは面白い物語が作れません。設定しかないからです。役者は採用されただけで、まだ演技をしたことがありません。脚本家も役者と、さっき知り合ったばかりの赤の他人のような状況です。

 

これだけでは、役者も本領を発揮できないでしょう。では、役者の魅力を最大限に引き出すためにはどうすればいいでしょうか?答えはシンプルで、演技の回数を重ねてお互いを理解し合えば良いだけです。→ 具体的な方法はこちら!

 

そうやって、物語というのは序盤から順々にできていきます。しかし、ここで『テーマ』を追加するとちょっと不味いことが起こる可能性がでてきます。

 

というのも、物語中盤になると役者(キャラクター)というのは、自分の意思をもって動きはじめます。ここで物語を創り始めた頃と同じようなテンションで、『設定』をすると。

 

たとえそれが、役者にとって「演りたくないこと」や「いつもの自分だったらやらないこと」だとしても、『設定』という名の元に、命令として押し付けてしまうことになりかねないからです。※最悪の場合、辻褄合わせに奮闘した末、プロットが崩壊します(体験談)。

 

ここで引き起こされる問題のことを「ご都合主義」や「キャラぶれ」と呼んだりしています。→ ご都合主義の回避方法はこちら!

 

そういった意味で『テーマの後出し』には、細心の注意を払うと吉です。

 

よくある作家さんのお悩み!


ここで少しだけよくある作家さんのお悩みに対して、一言ずつ補足を入れておきたいと思います。

 

1.想像力が抑えきれず、風呂敷が畳めない

物語というのはほとんどのケースにおいて、「もし〇〇があったら?」とか「幸せとは?」といった疑問や不満に端を発して誕生してくるものです。

 

そのため、最終的には「もし〇〇があったら、こうしてみたい(願望)」とか「幸せって、こんな感じなのかな?(提言)」といったものを結末に据えることになるのですが、ここで妄想が膨らみすぎると軸足がどんどんずれて別の話題といつの間にやらすり替わってしまっていることが多々あります。

 

これを防止するためには「何故そういった願望の素敵だと思ったのか」、「なぜその問題に興味があるのか」といったことに対する理解を深め、話の軸、すなわち結末(本題)を固定してあげる必要があるでしょう。

 

そこさえ決まってしまえば、あとは起承転結に則って、結末と真逆の状況から物語をスタートしてあげれば、あとは「何故そういった願望の素敵だと思ったのか」、「なぜその問題に興味があるのか」を主人公も自身に問い続け、最終的には作者が思い至ったのと同じようにして、物語を完結させることができるというわけです。

 

 

2.何を書いてもつまらなくなった(ツマンネ病)

「自作品へのハードルを上げてしまっているのだろうか?」とか「何を書いても何故かつまらない」ということはないでしょうか?

 

そういった時には「何故そのキャラクターはこういった行動を取ったのか?」とか「考えていた世界観のどこが自分が大好きだと言えるのか?」といったように、自分が創り上げたものに対して容赦なく問いかけを投げつけると輝きを取り戻してくれることがあります。

 

そもそも「つまらない」というのは、人生がつまらないと感じてしまう時と同じように、視野が狭く夢を喪失している状態のことを示しているわけです。

 

ここから脱却したいのであれば、積極的に疑問を持つよう心がけ、自身の好奇心をできるかぎり定期的に刺激して、視野を少しでも広げてあげることが特効薬となってくれることでしょう。

 

 

3.全然読まれない・売れない

作品が読まれない・売れない理由は、ほとんど一つしかないといっても過言ではないでしょう。「読みにくい」です。

 

正直、ここさえクリアしてしまえば普通に読まれます。活字中毒になりそうなほど読みやすい小説とのエンカウント率って本当に低くないですか?

 

逆に、物語が面白くないのに何で売れてるんだろうという作品の共通点を探してみてください。サクサク進んで内容も軽く読みやすいという共通点をうかがい知ることができるでしょう。

 

こういった時に、知識としてヒントとなってくれるのは「文脈」というものです。→ 文脈(英語:context)の意味をわかりやすく例文で解説!

 

 

4.語りたいことが多すぎるとき

会話においてもそうですが、多弁は相手を圧倒してしまうことがあります。

 

このように、感極まって語りたいことが多くなりすぎたときには、作者と主人公をあえて切り離す描写方法(グランドホテル方式や客観的な視点を用いるなど)を採用してみるのも良いでしょう。

 

物語・ラノベ創作に使える『プロットの考え方』まとめ!|創作熱が冷めないコツとは?

 

最後に


さて、他にも大量に面白い話や伝えたいことはあるのですが。これ以上やると、もはや「ダイジェスト版」ではなくなってしまうので、残りはページ最下段にある完全版の目次に任せることとします。→ 完全版の目次へ

 

最後に、当サイト『作家の味方』では、これ以外にも小説の売り方や執筆スランプ脱却法、執筆に便利なアプリやソフト・ツールのご紹介、インスピレーションを高める創作ネタの提供、出版業界の近況、著作権法など。→引用に関する著作権法についてはこちら!

 

創作に携わる方々に役立つ情報を今後も随時配信していきます。一人でも多くのクリエイターさんの役に立てていれば幸いです。

 

ご精読ありがとうございました!あなたの創作が人生を豊かにすることを祈っております。

 

→ 新着記事はこちら!

 





 

小説の書き方【完全版】

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> 小説の書き方.3:『箱書き』の使い方
(小説の基本用語:箱書きテンプレ、完璧主義対策)
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(小説の基本用語:葛藤の作り方、ストロースの神話理論)
> 小説の書き方.30:ヒュームの法則とは?
(小説の基本用語:承認欲求の満たし方、ヒュームのギロチン)
> 小説の書き方.31:マクガフィンとは?
(小説の基本用語:動機付け、賢者の石、スモール・ゴール)
> 小説の書き方.32:マニック・ピクシーとは?
(小説の基本用語:牽引キャラクター、アーキタイプ、MPDG)
> ご都合主義の意味と対抗処置
(小説の基本用語:プロット不要論、どんでん返し)
>「売れる小説」と「売れない小説」の違い
(小説の基本用語:プロモーション、マーケティング戦略)
>小説と漫画の違いと、小説媒体の魅力
(小説の基本用語:没入感、叙述トリック)
> 世界観設定の作り方
(小説の基本用語:世界観、世界設定、あらすじ)

・物語&シナリオ構成 基本編

>芸術の基本原理:物語の歴史と正体について
(小説の基本用語:物語論、詩学、アリストテレス)
>【ジャンル別】小説の書き方:悲劇編
(小説の基本用語:カタルシス、逆転と認知、オイディプス王)

・作家のメンタル・コントロール編

> 小説が書けない原因その1
(キーワード:Will・Can・Mustの輪、論理的解決策)
> 小説が書けない原因その2
(キーワード:挫折、スランプ脱出、精神的解決策)
> 完結できない場合の処方箋
(キーワード:完結させる、中年男性との面談)
> 長編でモチベーションを保つ方法
(キーワード:ライフ・フォース・エイト)
> あなたは本当に小説家になりたいのか?
(キーワード:エッセイ、真の目的探求法)
> 小説家になるためには?
(キーワード:個人事業主、自費出版、kindle)
> 批判されたときの創作意欲復活術式
(キーワード:周囲からの批判、創作意欲、取り戻す)
> PV数を気にしてメンタルヤバい人へ
(キーワード:閲覧注意、ガツンと一発欲しい人向け)
> 挫折したときの特効薬マインドセット
(キーワード:将来の夢、叶えたい、書きたい)
> 読書感想文の書き方
(キーワード:感想、小説家間コミュニケーション術)
>価値のあるコンテンツとは何か?
(キーワード:創作論、専門知識の欠如は悪か)
> 小説家志望者が書く以外にできること
(キーワード:小説家志望、講座、セミナー、持ち込み)

・創作の効率を上げるアプリ・ツール編

> 執筆速度の大幅改善案
(キーワード:速筆化、音声エディタ、予測変換)
> おすすめツール:作業効率化
(キーワード:アプリ、フリーソフト、メモ帳)

・創作に使える資料まとめ編

> 「小説家になろう」でよくある設定ミス
(創作ワード:小説家になろう、著作権マーク、作者名)
> 創作の資料まとめ【超能力編】
(創作ワード:超能力、特殊能力、異能力)
> 創作の資料まとめ【魔法/魔術編】
(創作ワード:ファンタジー創作、魔法、魔術)
> 創作の資料まとめ【星の辞典】
(創作ワード:想像力を底上げしてくれる本)
> 創作の資料まとめ【色彩表現編】
(創作ワード:配色デザイン、色を表す言葉)
> 公募新人賞一覧(締切順)
(創作ワード:新人賞、公募、大賞、応募)

 

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