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漫画・物語における『序破急』の意味と例文/『起承転結』との違いとは?|序破急の次は『序破急結』!?

序破急


序破急(じょはきゅう)というのは、日本の古典音楽の一種である『舞楽(ぶがく)』の曲を構成する三つの部分の総称のことです。

 

といっても、ストーリーを製作する場合には、どうやって使うのかイメージがわきづらいですよね。

 

よくわからないという方は、物語などにおいて伏線を小さなものから順々に回収し、終盤に話を急展開させる伏線を回収していく流れをつくるものだとおもってもらえればよいでしょう。

 

元来、『序』では、最初に太鼓がドン、ドンと低速度で鳴り始め、次の『破』になると手拍子が加わりリズムが少し軽く、そして『急』になるとリズムがどんどん加速してクライマックスを迎えます。

 

現代音楽でいうところのAメロ(曲中で一番静かな部分)が『序』、Bメロ(サビ前)が『破』、サビ(曲中一番盛り上がる部分)が『急』といった感じですね。

 

さて、本来の意味についての解説はこれで終了です。続いては、小説や漫画の構成方法として用いられる序破急の意味も見ていくことにしましょう。





 

漫画や物語における『序破急』の意味


端的に言えば、『序破急』というのは小説や漫画における物語が持つ筋の一種のことです。論理的というよりも、感情的な筋書きを創りたいときに活用されます。

 

え?わかりにくいって?

 

すみません(笑)。いやまぁ、その通りなんですよ。

 

じゃあ、なんで最初に一言でまとめたのかというと『序破急』という言葉が、漫画や小説に用いられるようになった経緯を説明するためには2,500年分の議論をここに書かないといけなくなるからなんです。

 

その議論というのは「物語とは何か?なぜ物語は人を魅了するのか?」という問題です。少し難しいけど知っておきたいという方へ向けて、掻い摘んで説明していきますね。→ガッツリ知りたい方は、ミメーシスの解説からどうぞ!

 

まず、物語の魅力というのは2,500年前にアリストテレスの『詩学』という書籍の中で「模倣(ミメーシス)することである」と書いてあります。

 

めちゃくちゃ簡単に言えば、物語に限らず人というのは芸術に関心を持つ生き物で、芸術というのは常に何かを真似することによって成り立っているというお話です。

 

例えば、絵画であれば実物を模倣して紙の中に映し出していますし、役者さんは目で見ることの出来ない空想上の役を模倣して演じるわけです。物語も同じです。

 

学者や研究者というのも実は同様で、先人の真似んで(=学んで)きた知識を生かして、さらに学び(=真似び)を深めていきます。

 

このように、人間が魅了される芸術や学術の分野では常に『模倣(ミメーシス)』が魅力の根源となっていることに気づくことが出来るのです。

 

この時、真似の方向性として精密画のように正確さを重視した真似の仕方を「ディエゲーシス」、抽象画のように不完全さが生み出す魅力を重視した真似の仕方を「ミメーシス」と呼びます。

 

漫画や小説における物語で言えば、主人公が受精卵の頃からの詳細な説明が始まり、生涯を終えるまで淡々と数百万話描き続けるのが究極的なディエゲーシス、逆に抽象的すぎて言語が崩壊していて何言ってるのかわからないのが究極的にミメーシスな作品です。

 

しかし、こういったディエゲーシスとミメーシスのどちらかに偏りすぎている作品は、傍から見ていて芸術性が評価されづらい傾向にあります。

 

ここで重要になってくるのが「うまく真似をする技術」です。そして、うまく真似をするためには模倣する対象についての「法則性」を知る必要があるというのです。

 

たとえば、友人のモノマネをしてみようとすると無意識のうちに「友人ならいつもはこうしているから、こんな反応になるだろう」という法則性を見出していきます。

 

この法則性のことを、筋(ストーリー/プロット)と呼びます。

 

精密に説明が書かれている難解な学術書もストーリーといった筋を使って説明されれば、わかりやすくできます。逆に、不完全すぎる作品でも、論理的破綻がない筋に則っていればなんとか理解するには事足ります。

 

このように、筋が通っていれば芸術作品というのは人を魅了しやすいし、理解・評価されやすいということです。

 

また、年表(事実の羅列)と物語の違いは、事実同士に繋がりがあるか否か。すなわち、筋の有無なのではないかとよく議論されてきました。物語の魅力は、この筋にあるというわけですね。

 

伏線回収やアリバイトリックを暴いた時には、読者へ痛快な体験をさせることができます。これは筋によって事実同士が繋がっていくのを魅せられているからなわけです。

 

こういった経緯で、漫画や小説で扱う物語にも筋が必要なのですが、先述の通りディエゲーシスに筋を通したものと、ミメーシスに筋を通したものがあることに気付けるかと思います。

 

このディエゲーシスに筋を通したものの代表例が『起承転結』と呼ばれるものです。逆に、『ミメーシス』に筋を通したものの代表例が『序破急』なのです。

 

「なんだかわかったような、わからないような?」という方も、いらっしゃると思います(笑)。そういうわけで、もう少しだけ深堀りしていくことにしたいと思います。

 

『起承転結』と『序破急』の違いとは?


端的に言えば、『起承転結』は論理的な筋道を重視している筋で、『序破急』は感情的な筋道(リズムや落差)を重視している筋です。

 

古今東西、世の中には沢山の物語があります。しかし、その多くは最初に事件や課題があり、それを解決していく過程を経るものがほとんどでしょう。※もちろん、例外もあります。

 

これは小説や漫画の元である演劇が、民主政治における「議論の可視化」という役割を持って誕生してきたことに起因していると思われます。

 

民衆に支持されるために、論理的な筋を重要視したわけです。

 

一方で、例外的な芸術作品も存在していました。演劇と同時期に存在していた「詩(うた)」や「舞踏(おどり)」です。こちらは感情的な筋(リズムや落差)を重視していたようです。

 

このように、芸術作品および物語の中には「論理筋を重視するもの」と「感情筋を大事にするもの」があったというわけです。

 

さて、ここで先述しておきました「物語≒問題解決までのお話」という議論が役に立ってきます。

 

「問題の解答」に魅力を持たせる形をとった論理筋を気にしているテンプレが『起承転結』で、「問題の解き方」に魅力を持たせる形をとった感情筋を気にしているテンプレが『序破急』というわけです。

 

これが「ストーリー重視型の作品(起承転結型=論理型)」と「キャラクター重視型の作品(序破急型=感情型)」の決定的な違いだと思うんですよね。

 

よく「米津玄師」の歌は、誰が歌っても「米津玄師の歌」だと言われます。これは詩(うた)という芸術作品の魅力が、作者といった『人物』に紐付いているからといえるのではないでしょうか。

 

言い方を変えれば、詩(うた)は「問題の解答よりも、問題を誰がどうやって解くか?」の部分に重きが置かれがちだということです。

 

そのため、感情筋を重視した物語の場合は必ずしも「物語の終わり=問題の解決」とならないことがあったりします。具体例としては、卒業式で物語が終わるパターンなどですね。

 

問題が解決したわけでもなく、ただ感情の波がひとまず落ち着いた一区切りの部分で物語が終わる作品もたまに見かける事があるのではないでしょうか。

 

まぁ、そういうわけで「ストーリー重視」の方は『起承転結』を、「キャラクター重視」の方は『序破急』を用いると良いでしょう。

 

『序破急』の例文と使い方


使い方は、とてもシンプルです。主人公のテンションの動きを追えばいいだけですからね。例としては、以下のような物が挙げられるでしょう。

 

序破急の例
  • 序(テンションが低い):クリスマス前に彼氏に会えなくなる
  • 破(テンションが上昇):彼氏がプレゼントのためバイトで頑張っていることを知る
  • 急(テンションが最高潮):彼氏から婚約指輪をもらう

 

序破急の次『序破急結』とは!?


結論から言えば『序破急結』という言葉は、存在していません。

 

ただ、『名探偵コナン』や『エヴァンゲリオン』といった有名な作品において、度々造語として出てくることがあります。

 

真意は明らかではないですが、個人的には序破急という感情的な筋の上に、論理的な筋である起承転結の結を両立するような物語という意味なんじゃないかなぁ?と思っています(笑)。

 

それでは、今日もお疲れさまでした~!

 

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