小説・ラノベにおける『あらすじ』の書き方&作り方コツまとめ!
自作小説やライトノベルを作ってみて、いざ「投稿サイトなどに作品を投稿するぞ!」という時、あるいは新人賞や公募に出してみよう、と思い立ったときには『あらすじ』を書く必要が出てくるのではないかと思います。
しかし、改めて考えてみると「『あらすじ』ってどうやって書くんだっけ?」と疑問に思うことも、少なくないでしょう。今回は、そんなときすぐに使える『あらすじ』の書き方のコツをご紹介していくことにしたいと思います。
また、細かいテクニック的なものについては後で好きなだけ語っていくことにして、まずは結論から先に言っておきますね。
< 結論 >
これだけだと、なんだか抽象的な解決策に感じられるかもしれませんね。その場合は、以下2問の解答が『あらすじ』に入っていることが確認できれば問題ないと思います。
■『あらすじ』に入れておきたい2つの要素
1.あなたの物語の題材(テーマ+コンセプト)はなんですか?
2.その題材の最大の魅力(作者を執筆にいたらしめた衝動)はなんですか?
というわけで、上記の結論に至るまでの積もる話を、今日も懲りずにゆっくり話していくことにしましょうか(笑)
まずは『あらすじ』の正確な意味から、みていきましょう!
あらすじの正確な意味
あらすじ(米:Synopsis)とは、物語とその魅力を読者へ伝えようとする目的を持った『粗い筋書き』のことです。これをシナリオや脚本の世界ではカタカナ英語で『シノプシス』と呼ぶこともあるようです。
ちなみに『要約』や『プロット』という言葉と少しかぶる部分もありますが、『要約』はあらすじを含むもっと広義な意味を持っています。
また『プロット』というのは、要約を書く目的が「物語の面白さを企画段階で把握しておくこと」なので、『あらすじ』とは使用する目的や場面が異なります。
あらすじは読者にみせるための「宣伝文」、プロットは事業者にみせるための「企画書」といったイメージで用いられる事が多いようですね。
あらすじの果たすべき役割とは?
さて、それでは早速『あらすじの書き方』についてお話していきたいところなのですが、そもそも『あらすじ』って何で必要なんでしたっけ?
『あらすじ』と言うと、読者が本を読むかどうかを決める上で重要なものだということは、よく知られた話だと思います。ただ、 読者の目を引く要素であれば、別に『あらすじ』だけではないと思いませんか?
『タイトル』もそうですし『表紙』のイラストや『冒頭の書き出し方』といったものも全部、読者の目を引くために重要視されていますよね。では、それぞれの役割はどう違うのでしょうか?
これは販売戦略で考えてみると理解しやすくなります。まずは、以下の図(マーケティング・ファネル)をみてください。
補足:マーケティング・ファネル(ろ過)というのは、書籍(商品)を口コミ以外で購入しようとする場合に、お客さんがどういった流れ(上から下へ)で、購入に至るのかをかんたんに図で示したもののことです。
書店などで書籍を購入する場合、嫌でも『表紙』が何よりも先に目に入ります。これがネットであれば、小説家になろうやカクヨムの『検索キーワード』や『カテゴリ・ハッシュタグ』になるでしょう。
その後「タイトル」→「あらすじ」→「本文冒頭」→「購入」という流れが続くというわけです。これをターゲット(読者)視点で理解を深めるために「昼食のレストラン選び」に例えてみることにしましょう。
街中でレストランを選ぼうとすると、まずは自分のよく食べる料理のレパートリーみたいなものがあると思います。
もちろん、これは人(=ターゲット)によって変わってきます。その範囲内で、今日の気分は「イタリアン!」と思ったとしましょうか。
いざ、イタリアンのお店が目に入ると看板に書いてあるメニューを確認してみますよね。そして「あぁ、この値段帯で、こういう料理が楽しめるのか!」と、わかったら店に入って実際に食べるわけです。
一度、ここまでのお客さんの動きを箇条書きでまとめてみますね。
- 自分の許容レパートリーの範囲内か理解する。
- 店の外観を見て、ジャンルを特定する。
- 店外設置のメニューの「当店のイチオシ」を見る。
- 店内に入って、食べ始める。
さて、ここまで理解できれば、話を元に戻して考えてみましょう。
上の箇条書きと照らし合わせると、表紙・タイトル・あらすじ・冒頭の役割が浮かび上がってきます。
- 表紙:許容できるジャンル内か判断する。
- タイトル:ジャンルを特定する。
- あらすじ:魅力を見つける。
- 冒頭:読み終えられそうか判断する。
つまるところ、あらすじの役割は「題材が何か、そして題材そのものが持つ魅力が何なのか」を伝えることにあります。
また、表紙の主な役割はあくまでカテゴリ(ジャンル)の選別になります。
カテゴリ(ジャンル)と表紙が一致していれば、だいたい何でもいいといった感じでしょう。
あえてコツを挙げるとすれば、テーマ(作品をつくるときに最初に抱いた着想)を表紙にすると良いでしょう。
魅惑的なキャラを描きたくて物語ができたのならキャラを、独創的な世界観を描きたくてできたなら世界観を、ストーリー重視なら主人公の持つ問題提起を、メッセージなら切なさ等をデザインとして起用するのも一つの工夫となるでしょう。
フリー素材を表紙に使うのも良いですが、味気なさすぎる表紙は、作品の世界観をうまく表現することが出来ていない事になりがちなので、最低限のデザインは考えておきたいところです。
レストランが「住宅街にあるアパート」みたいな外観だと、本当に入ってよいものか悩むのと同じようなものです。
また、もしイラストを依頼する場合は相場も事前にしっかりと確認しておきましょう。イラストの相場についての注意点等は、こちらのページに記載しておきます(別タブです)。
以上、あらすじを書きたいときは「物語の題材自体」と「その題材が持っている魅力」を明記しておくと良いというお話でした!
今回は「あらすじ」の話をメインにしていたので「タイトル」と「冒頭書き出し」については、以下の記事に任せることにしたいと思います。ご精読ありがとうございました!
ご精読ありがとうございました!
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