はじめましての方は、はじめまして。
お久しぶりの方は、お久しぶりです。
当サイト『作家の味方』の管理人、らぴと申します。
このページでは、学生の時から小説家になりたいと思っている方や、大人になって仕事をしているうちに小説家を志すようになったといった方のために、小説家になるには何をすればいいのか?
どういったスタンスでいれば、今後の出版業界の不況を乗り越えていくことができそうか?といった点について、お話をしていこうと想います。
結論から先に言うと、私が小説家志望の方に考えて欲しいことは、最初から小説執筆のみで生計を立てようとしないことです。夢がないといわれるかもしれませんが、順を追って説明させてください。
小説家になる方法
まず、小説家になるプロセス自体は恐らく読まなくてもわかる程に単純明快です。
出版社の開催している公募や文学賞へ応募し、出版される権利を勝ち取る。
または、出版社への持ち込みや、即売会、SNS上で支持を得てからの自費出版を行うのが一般的と言えるでしょう。
それを達成するために必要な知識は、こちらに別途まとめておきましたので、役に立てれば嬉しいです。
小説家として稼げる人は、一握り
次に、小説家を志す方には少し不愉快なお話にはなりますが大前提として必ず抑えておいて欲しい事実があります。それは、小説家として稼げる人は一握りだということです。
おおよそ、1,250,000倍の倍率。つまり、1,250,000人に1人がデビューできると言われているそうです。
※もちろん、これはあくまで小説を書きかけてやめた人や漫然と小説家になりたいと考えているだけの人達も多く含まれている数値ではあります。
応募した人だけで見れば、もう少しマシでしょうが低いことは間違いないでしょう。統計的な数値に関しては、以下のサイトで紹介されていたので、参考になるかもしれません。
さらに、せっかくデビューできたとしてもその後に生き残っている確率は数百人に一人と言われています。
それだけではありません。現在、小説業界は全体的に斜陽化(市場の縮小化)が進んでいます。これは映像作品を作る敷居が低くなったことや、YOUTUBEなど新たな娯楽の普及によるものが大きいでしょう。
そのため、今後も娯楽産業の中で、より一層生き残るのが難しい分野になることが予想されます。
これを踏まえて、小説家になるには?
ここまでは、小説家になりたいという方へ向けて冷静な分析や事実を述べてきました。
しかし、これだけでは「諦めろ!」と言われている気分になるだけですよね。
そういうわけで、私なりに今後はどんな戦略を取っていけばいいのか?
考えてみましたので、共有できればと思います。
小説家である前に、優秀な個人事業主であれ
さて、ここまでの内容を読んで小説家の未来が暗いのだと悲観的になる必要はありません。
ありません(大事なことなので、2回言いました)
そもそも、小説家という職種に関わらず、どんな業界・業種でも技術革新や経済、政治などによって業態は移り変わるものです。同じコンビニの仕事だとしても、いまやレジ打ちをすることもなく無人店舗を監視するだけというところもあります。
私が思うに、出版不況というのは昔までの小説家の業態と、現代に則した小説家の業態に乖離が生じているだけのことなのだろうと思います。小説家自身が、時代に則した業態にシフトすればいいのです。
例として、Amazon Kindleがいい例でしょう。出版した本の売れ行きが伸び悩む一方、みなさんはここ数年の技術革新によって、おぞましいほどのメリットだって享受しています。
まず、紙媒体でなくなったことによって電子書籍の販売であれば在庫リスクがなくなりました。また、出版社を通して販売する必要だって無くなりました。
それだけじゃありません。書店であれば抱えられる商品に限りがありますから商品は選定され不合格であれば販売することすら許されませんでしたが、Amazonといったネット販売であれば無尽蔵に商品ラインナップを置いておけるのです。
それに加えて、YOUTUBEやTwitter、各種イベントを通じて個人が自由に発信&広報できる時代になっているのです。
人によって「小説家」の定義も異なることでしょうが、小説を書くだけ(うまいかどうかは別として)であればかんたんです。書けばいいのです。書きたいという気持ちが高ぶってくれば、人間は知らずのうちに行動しているでしょう。
では、何故小説家になるのが難しいのかといえば、あくまで個人事業主になるのが難しいからなのです。「儲けること」が難しいのです。
日本人は、お金の勉強を幼い頃からあまり受けないので仕方ないのですが、お金を稼ぐためにはお金についてもっと勉強しておくと良いでしょう(既にしている方もいらっしゃるかもしれませんが)。
電気会社の見直しやガス会社の見直しはしていますか?自分の入っている保険の内容は把握していて、妥当なお値段だと言えますか?しっかりと、お金について学べば月数万円でも無理なく暮らせる事に気が付きます。
最近であれば、月額5,000円で外食し放題のサービスだってあるんですよ(私には、かなり衝撃的事実でしたw)
一方、株式投資を行えば月数万円儲けることも可能ですし、複数の事業で元手を作り最終的に小説一本のみにすることだって十分に可能です。副業だって、禁止だとしても国は企業に対して副業へ寛容な態度を取るように推進・指導しています。
月5万で快適に生活できて月に6万ほど不労所得がある状態で、小説を書くたびに年収が上がるとしたらそれも良いと思いませんか?
もちろん、同じ「小説家になりたい」でも目指すところは人それぞれでしょう。しかし、一つの道として検討しても良いのではないかと思うんです。
小説に関して、時代の変遷を例えるとすれば。昔は砂糖(=昔の小説)は、とても貴重で売れば高額でも売れたけれど、今は砂糖がたくさん取れるから気軽に安価でお菓子(=現代の小説)が提供されるようになった(しかし、市場規模=買う人はその分多くなっている)。
そして、よりパーソナライズ(各個人に合ったものが、売られるようになる)されていくことになるのでしょう。チャットノベルなんかが良い例ですね。
今後、小説に求められること
今後、小説に求められることはなんでしょうか?
それについては、小説や物語の成り立ちを知ることが大切になるでしょう。
元々、「物語」というのは神話や寓話、民話に始まり、昔から人々に道を示し視野を広げ幸福にするためのものでした。
それは形式こそ変えても、今も同じです。少し変わったことといえば、「こうすると良いんだよ」という教訓的なテイストから「こういう考え方もあるんだよ」という多様性のあるテイストのものが多くなってきたことくらいでしょう。それですら、数世紀に渡って変わっていません。
コメディ作品であれば、本気で間違えたことを笑いの視点でに提供し、人々に幸福を与えます。これは同じ物事を別の視野から見ることを意味します。
また、社会風刺をした作品であれば、今後人類がどうすればいいか、わかりやすい視点で教えてくれます。これによって、将来の不幸を減らすことだってできるでしょう。
つまり、何が言いたいかといえば、物語とは人類が追い求めている「幸福」を満たすためのものであり、食事や住居と同じく生活必需品であるということです。
出版社からすればコストが掛かっていますから、儲かるジャンルで一発当てたいと思うのもわかりますが、今後は個人事業としてコストを下げ、ニッチな顧客層にパーソナライズされた作品をいかに多く出していけるかが、大切になってくるのではないでしょうか。
※月額読み放題サービスで、閲覧数に応じて収益が発生するモデルであれば有象無象の中で差別化できるので尚更です。
売れる小説とは?科学的見解
ここからは少しマニアックな話なので、興味がある方だけお付き合いください。
物語が人を幸福にするためのものである一方、人間が幸福を感じる仕組みも脳科学的に解明されつつあります。
現時点でわかっていることとしては、ドーパミンやセロトニン、オキシトシンといったホルモンの分泌を促せば良いというものです。
あまり細かいことは割愛しますが、人間は「気づき」や「新たな体験」などの視野の拡大を実現すると嬉しくなるものです。買ったことがない高級チョコレートを食べてみたいとか、問題をスパッと解決できたときに気持ちよく感じたことはないでしょうか?あれです。
このように、ある程度「どうすれば人間が幸せになれるか」という方法は限られています。これを小説に埋め込めばいいんです。
読者の視野を広げてくれる物語、笑わせて夢を与えてくれる物語、妄想をとことん疑似体験させてくれる物語。
みなさんは、どんな物語を小説で作りたいですか?
クリエイターであるのなら、既存の市場に売り込むのだけではなく、新たな市場を開拓していく楽しみも忘れないで欲しいと思います。
個人的には、教育革命によって小説界隈は劇的な変化を遂げると思っています。
最後まで、ご精読ありがとうございました。興味があれば、他の記事も読んでいただければ幸いです。
みなさんの創作が捗りますように!それでは。
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