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あなたは本当に小説が書きたいのでしょうか?

あなたは本当に小説が書きたいのでしょうか?

 

こんばんは。創作支援サイト『作家の味方』管理人のらぴです。

 

みなさんは、物語を作ることがお好きですか?

 

「大好きだ!一生書いていたい!」というのであれば、思う存分筆を動かしていきましょう!きっと、あなたの手が止まっているうちにも、読者は待っているはずです。

 

ただ、いつの間にか初心を忘れてしまっていたり、限界を超えられずにいるとしたら少し立ち止まって聞いてくれると嬉しいです。

 

私が書きたいものはココにある!

 

わたしはきっとーー、

人生で二番目に

物語を作ることが好きなのだろう。

 

目の前の機械から流れる軽快なリズムは、わたしのタイピングを早めてくれる。

 

「よしっ、今日の投稿分はこれでアガリッ!」

 

我ながら渾身の一作ができたのではなかろうか。コンビニの美味しいスイーツでも頂くことにしよう。少しでも自分を褒めていこうというスタンスというわけだ。ポジティブシンキング。大事だろう?

 

そうして、思考をまとめていたメモ帳たちを片付けていると、見慣れた《古代文字》に目が留まった。

 

いやーー、「目が留まってしまった」というべきだろうか。

 

紛れもなく自分が銘打った《そいつ》には「模擬文書 完成版 第一幕.doc」と1.5MBの表記が見てとれる。

 

まぁ、なんということはない。要するに、ただのwordファイルのことだ。

 

吸い込まれるように照準を合わせたカーソルに気が付くと、わたしの人差し指は疼きを覚えた。

 

「コックリサンでも雇ってたっけか?うち」

 

もしそうだとすれば、即刻解雇願いたいところだが。

 

いや、これも良い機会だ。10年前の記憶を辿ることにしよう。

 

第一章:世界 – novel world –

 

土砂降りの中。少年は、その血まみれの手で少女の瞼を閉ざした。

水城琉/第一節 日常

 

窓からは、涼しい風が吹いてくる。

「えー、自己の能力を認める。このことは、生きていく上で必要とされることである。そうであるからしてーー」

 

いつも通りだ。変化が訪れる気配のない現状に、少しながらがっかりしたいところだが、それにも、もう慣れてきた。

 

夢がない、無気力だ。そう思った瞬間にも主人公へと格上げされたような、僅かながらの自己満足。そして、授業なんてそっちのけで空想に浸る俺……。それってどうなんだろうか?

 

ミーンミンミンミン――――――

 

風に吹かれてほのかに香る海の匂い、近くに海があるせいだろう。季節を感じさせる夏の暑さは時の流れをかすかに証明しようとしているのがわかる。

 

空は青く澄み切っていて、すがすがしくなるほどに晴天を誇示したがっているようにみえる。今年の夏は俺たちに青春をたんまりと味あわせてくれるのだろうか。

 

もう夏か……。

 

「おい、水城。聞いとるのか?」

「はぁ!えっ?えっ?」

「はぁ~。また何かいらんことでも考えていたか?もういい、授業を終わるぞ」

 

そそくさと起立と礼を終えると聞きなれた不調和音が耳を襲った。

 

キーン!コーン!カーン!コーン!

キーン!コーン!カーン!コーン!

 

ガラガラという椅子を引く音を皮切りに、生徒たちは一斉に食堂へと向かう群れとなって消えていく。

 

さてと、俺も行くとするか。階段を二つ下りて長い渡り廊下を通り、すぐの位置にある食堂まで行くのにかかる時間はさほど長くはないが、少しばかり面倒というような距離だ。

 

よし、食堂はやめて購買に行くことにしよう。

 

 △  ▼  △  ▼  △  ▼

 

「よっ、みーずきっ」

 

購買の自販機に背中を預け、みかんジュースを手にしている少女は「待ってました」といわんばかりに声をかけてきた。

 

「おぅ、千里、皆は?」

「う~ん、まだみたいだね。二組の授業、あいつだから、もうちょっとかかるんじゃないかな?」

「はぁ~、しかたない、しばらく待つとするか」

「うん」

 

こいつの名前は、囀鳥千里(てんちょう せんり)、明るくて元気な同級生である。そんな半面を持ちつつも、どこか一人で抱え込みすぎてしまうタイプのようだ。

 

千里が椅子に座る。それをボーっと眺めていると首をかしげてそっとこちらを見てくる。俺は何気なく目をそらしつつ、話を持ち出した。

 

「えーっと、久しぶりだな。こうやって二人でいるのって、周りに騒がしい奴がいないとこんなにも静かになるんだな」

「たしかに、夏なのにセミの声が聞こえないみたいだよね」

「それ、お前が言うか?」

「うるさいわね、あ、礼ちゃん達がきたみたいよ。お~い、こっちこっち~」

 

礼華たちに手を振る千里。

 

「ごめんねっ!二人ともお待たせ!」

 

黒髪でストレートの髪の毛は、いつもながら秀麗さを引き立たせている。

 

「やっと来たか、待ちくたびれて餓死しそうだったんだぞ。もうすこしで、喰い物じゃないものを食うところだったよ」

 

今来た奴が樰風礼華(ゆきかぜ れいか)、身長は俺より少し低いくらいで、外見的には優しそうな容姿をしているがだまされるな。こいつは生粋のドエスだ。と、やはりここで礼華が一発。

 

「たとえば?千里ちゃんとか~?」

「ちょ、おま・・・ぇ」

 

そっと横を見ると、目の前の席で顔を赤くして机に伏せる千里。どうにも、この状況には対応しきれそうもない。軽く受け流して、話題を切り替えることにしよう。

 

「ところで、礼華。そのうしろのちっこいのは何だ」

 

礼華の後ろにすっぽりと隠れていて、礼華の背中からはみ出た銀色の髪の毛を指さす。

 

「私の、お人形さん♪」

「なっ、何を言ってるんですか、先輩!私はお人形じゃないです!」

「ごめん。ごめん。穹ちゃんよ。校内で迷っちゃったみたいでね、早く保護者に連絡してあげなきゃ」

「ななっ!私は子供じゃありませんー!!」

 

最後に、このちっこいのが霊撃穹(りょうげき そら)、ロングツインテールという現実世界ではそうそう拝見できない髪形をお持ちのロリコンにとっては非常に希少価値を誇る幼女。

 

じゃなくて、高校生だ。

 

そうやっていつものようにメンツが揃い、昼食を食う。ただ、この日は一つだけ些細な変化があったようだ。

 

第二章:世界 – real world –

 

そこには、10年前に綴られた世界が広がっていた。眼前のモニターに写っているのは、ただテキストファイル。

 

ここにいるのは他の誰でもない、当サイトの管理人「らぴ」である。

 

10年前、わたしは世界を創ることをやめた。正確に言えば、違う。「模擬文書 完成版 第一幕.doc」を創ることを辞めたのだ。

 

小説を書くのが辛くなったからわけではない。飽きたわけでもない。忙しくなってしまったことは、あったと思う。でも、それはわたしにとって些細な問題でしかなかった。

 

この匂い。この景色。何度、何度見ただろうか。自分の創った世界は、広大で壮大で。他の人に見せて面白かったと言われたこともあっただろう。

 

だからこそ、わたしはその無限の可能性に有限性を感じたくなかったのだ。売れる小説ができようと、売れない小説が出来ようと、わたしがしたいことはそこにはなかった。

 

わたしはきっとーー、

人生で二番目に

物語を作ることが好きなのだろう。

 

わたしは画面の前で、こうつぶやく。

 

書き上げられなくてごめんねーー。

 

それでも……

 

わたしは人生で一番大切な

『このページ』に出会えたよ。

ありがとう。

 

物語が完結されることは、とても素晴らしいことだと思います。しかし、お金や世の中の価値観ではない気持ちで小説に向き合うということも、忘れずにいてくれると嬉しいです。

 

誰しも憧れには成れない。あなたは、あなたでしか居られないのだから。理由なんて後付けに過ぎません。いまやりたいことをやりましょう。それが生きていくということです。

 

あなたは本当に小説が書きたいのでしょうか?

 

どうやら、わたしが書きたいのはブログを超越した。未だ名も無い何か。なのだと思います。あなたの書きたいものは何ですか?

 

ご精読、ありがとうございました!

 

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