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小説の種類決めが完結できるかを左右する!?~小説の種類をあらかじめ決めておくべき理由~

 

小説の種類をあらかじめ決めておくべき理由

 

小説の種類というと「純文学」か「大衆文学」かと言った作品の方向性を決める分類方法もあれば、「推理小説」や「時代小説」といったジャンルによる分類方法もありますよね。

 

もちろん、他にも「文章の長さによる区分」や「フィクション・ノンフィクション」といった様々な角度で小説は分類されています。

 

まぁ、その辺の細かい分類については後述することとして、小説を書き始めるのであれば「小説の種類」はある程度決めておいた方が良いでしょう。その主な理由は、以下の通りです。

 

小説の種類を決めておくべき理由

一、想定しておくべき読者層が異なってくるため。

一、自作の参考にすべき作家さん(先輩・師匠)が異なってくるため。

一、物語を完結させるのが困難になってしまう可能性が潜んでいるため。

 

というわけで、ここからは1つ1つ掘り下げてご説明していくことにしようと思います。

 

想定しておくべき読者層の違い

 

「読者層の違い」という点において、最も影響力のある小説の分類方法は作風による分類です。

 

つまり、「純文学作品」を作りたいのか「大衆文学作品」を作りたいのかという点です。

 

「純文学」とは、娯楽性よりも芸術性を追い求めている小説・作品群のことです。

 

太宰治の「こころ」や三島由紀夫の「美しい星」といったザ・文学!といった感じのタイプですね。芥川賞の系列が、純文学と考えるとわかりやすいでしょうか。

 

ちなみに、「文學界・新潮・文藝・群像・すばる」の五大文芸誌や早稲田文学などでデビューした作家を「純文学作家」というそうです。

 

一方、多くの作家さんが製作することになるのは「大衆文学」の方でしょう。こちらは娯楽に重きをおいた小説・作品群になります。先程との対比をするのであれば、直木賞の系列だと言えます。

 

大衆文学は更に細かく「一般文芸」・「ライトノベル」・「Web小説」・「ケータイ小説」・「チャット小説」「台本小説」という風にわけることができます。

 

歴史的には「一般文芸」という一括りだったのですが、時代と共にキャラクター性を重視した作品群が人気を博してきました。これが枝分かれして出来たのが「ライトノベル」です。

 

その後、インターネットの普及と媒体の移り変わりにより、ガラパゴス携帯で普及した「ケータイ小説」、Webで普及した「Web小説」、スマホアプリで普及し現在始めている「チャット小説」などが誕生してきました。

 

さて、ここで少し話を元に戻しますが、小説の種類を決めておくべき理由の1つは「対象となる読者層」が異なるためでした。

 

例えば、ガチガチの活字を好む純文学の読者層へ向けて、読みやすさを最重視したライトな作品(ライトノベル作品)を公表しても響きませんし、下手すれば正当な評価をもらえずに編集時に改悪される可能性すらあるということです。

 

純文学は、ある程度文学に精通した大人が読者層。対して、大衆文学は読者層が幅広で「ライトノベル」であれば、20代から30代のエンタメ小説好きをメインターゲット。

 

「Web小説」では、中高生がメインターゲットといわれています。そのためか「Web小説」では、文法よりも読みやすさを重視した作品たちが求められているようです。

 

「小説家になろう」といった小説投稿サイトで人気を博している作品群も、この「Web小説」に含まれます。そのまま書籍として出版されると「新文芸」と呼ばれたりすることもありますが、中身としては大差はありません。

 

また、「ケータイ小説」は一見Web小説と似ているように思えますが、読者層は20代から30代の女性がメインターゲットになるということで読者層がかなりズレています。そのためか、恋愛小説が最も人気のジャンルになっています。

 

細かい読者層を想定しておくのは後々でも問題ないですが、特に「ライトノベル」と「Web小説」のどちらかあやふやという方は事前に決めておいた方が良いでしょう。

 

ライトノベルでは許容されている語彙も、Web小説では読者層が中高生がために「読みにくい」と一蹴されてしまう可能性があります。

 

文に使える語彙レベルと関わってくるので注意しておきたいところです。ちなみに、これは児童文学においても同様です。

 

参考にすべき作家さん(先輩・師匠)の違い

 

これについては言うまでもないと思いますが、昔知人にとある失敗をした方がいらっしゃったので念のため失敗事例を取り上げておこうと思います。

 

その方は「ライトノベル(一般文芸に近いもの)」を描きたかったようなのですが、Web小説投稿サイト「小説家になろう」のことを知って、Web小説(しかも、台本小説に近いもの)を書いている作家仲間とはじめて触れ合うことになります。

 

最初こそテンション高く交流していた文学肌の彼でしたが、互いに感想を言い合う中でWeb小説受けが良いアドバイスをもらう中で違和感を抱き始めます。

 

その後、一般文芸に近い作品群での公募を目指しているのに「一話の文字数は少なめに!」や「漢字のレベルは高校生でも読めるように合わせましょう」といった影響を受けて、結果改悪を重ねることになったようです。

 

先述の通り「Web小説」と「ライトノベル」では向けている読者層も違えば作品を出す大会・審査基準も当然異なっています。

 

このように、作家仲間のアドバイスも作風が極端に違う場合、鵜呑みにして改悪されることもあるので十分注意しておきましょう。

 

物語を完結させるための雑学

 

突然ですが、みなさんは『物語学』というものをご存知でしょうか。

 

『物語学』というのは、読んで字のごとく物語を学問として体系化したもののことなのですが、これを知っておくと小説の終わり方に困らずにすみます。

 

『物語学』によると物語(小説)は、完結の仕方によって3種類に分類することができるそうです。

 

それは「ロマン型作品」「ノヴェル型作品」「リドルストーリー」の3つです。

 

■ ロマン型作品とは?

ロマン型小説とは、場に馴染めない主人公が紆余曲折することで落ち着いた環境に至るまでを描いた物語(小説)のことです。つまり、落ち着ける環境さえ事前に決めておけば、いつでも物語を終了させることができるパターンの物語です。

例:涼宮ハルヒの憂鬱・デュラララ・放浪息子など

 

■ ノヴェル型作品とは?

ノヴェル型小説とは、日常の中で事件に巻き込まれた主人公が、発端となった事件を解決するまでの物語を描いた作品のことを指します。つまり、事件の解決法さえ事前に決めておけばいつでも完結することができます。

例:とある魔術の禁書目録・ソードアートオンラインなど

 

■ リドルストーリーとは?

リドルストーリーとは、敢て明確な終わりを描写しない物語のことです。一般的に、先述の「ノヴェル型の物語」と「ロマン型の物語」を複数内包しているパターンと、「ノヴェル型の物語」か「ロマン型の物語」ではあるものの、演出のために最後の描写を読者の想像に委ねているパターンに分けることが出来ます。

 

複数の物語を内包しているパターンであれば「キリの良いところで最終話!」とすればいいだけなので、すぐに終わらせることができます。

 

また、最後のリドルストーリー(読者に委ねる系)も描写をしていないだけで、ロマン型かノヴェル型のためいつでも物語の幕を下ろすことができるでしょう。

 

例:銀魂・少女終末旅行・きらら作品など

 

さて、ここまでいろんな小説の分類方法をご紹介してきましたが、あれこれ模索しているうちに自分が書きたい小説の種類が自ずと見えてくると思います。

 

プロ野球選手になるために、ボクシングの訓練をするといった的外れなことにならないように気をつけてください。

 

それでは、ご精読ありがとうございました!また遊びに来てくれると嬉しいです♪

 

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