小説・ラノベの文章力を鍛え上げる練習方法まとめ!
このページでは、小説執筆において「文章表現力を向上させてくれる興味深い練習法」の数々を、習得しておきたいスキル別に取り上げていきます。
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小説の練習方法 まとめ!
1. ネーミングセンスの磨き方
タイトルや作品の紹介文といった作品の目立つところで必要となるスキルが「ネーミングセンス」です。
ネーミングセンスは、磨くことができないと思っていませんか?たしかに、時々ネーミングセンスが神がかっている作者さんに遭遇することもありますが、ある程度までレベル上げをすることは可能です。
<おすすめの練習法:タイトル当てゲーム>
タイトル当てゲームとは、名前の通りタイトルを見ずに文章を読みタイトルを当ててみるというゲー…訓練です(キッパリ)
やり方はいくつかありますが、タイトルを伏せてショートショートを描き合うのもいいでしょう。また、「小説家になろう」といった小説投稿サイトの短編を読んでタイトルを当てるというのもありです。
この練習方法を体験しておくと、小説のタイトルとジャンルの間にある法則性に気が付けるようになります。わかりやすくするために、一つ例としてSF系有名タイトルをあげておきましょう。
『超時空要塞マクロス』・『機動戦士ガンダム』・『新世紀エヴァンゲリオン』
何か規則性に気が付きませんか?実はこれらすべて「漢字数文字+カタカナ固有名詞」の形をとっています。
このように、ジャンルによってタイトル付けの傾向があったり所謂「読まれやすいタイトル」なんていうものも実在します。
その規則性さえ積極的に捕らえることが出来れば、ある程度までのネーミングスキルを身につけるのは難しい話ではないでしょう。
台詞の言い回しについても同様です。「うまい!」と思った言い回しは、メモに書き残して法則性を探しましょう。
2. 「いいね!」ポイントを増やす
『売れる小説』と『売れない小説』の違いという記事でもご紹介させていただいたのですが、出版のプロである編集者は「いいね!」と思うポイントがどれだけあるかで作品を評価します(特に一次選考)
出版や書籍化、商業化を目指すなら必須のスキルとなることでしょう。また、これは当たり前の話ですが「いいね!」と思われるポイントが多ければ多いほど、感想やレビューは増えてきます。
結果として、作品の認知度が向上するため上達の成果が目に見えるので、モチベーション持続のためにもオススメしておきます。
<おすすめの練習法①:感想や書評を書く>
最も手っ取り早い練習方法は、編集者の気持ちになりきることです。つまり、他の作者の作品を読み込み「いいね!」と思ったポイントと、その根拠を考えてみるということです。
ただ、感想や書評を書く場合は書かれる相手側の気持ちも考える必要があるので注意しておきましょう。苦手であれば、メモに留めておくのも一つの選択だと思います。
ただ、もし好きな作家さんへ感想や声援を書いて応援したいという気持ちがあるのに「無用に傷つけてしまないだろうか?」といった不安があるのであれば、以下の記事を参考にすると良いでしょう。
※近日公開の記事です。
小説投稿サイトにおける読書感想文の書き方!
どんなに下手くそな書き手だったとしても、丹精込めて作られていない作品など存在しません。オリジナル小説についての感想を求められた時や相互に意見交換をする場合は、誠意を持って感想を述べるようにしましょう。また、良かれと思って言った事が相手を傷つけてしまうこともあります。このページでは、そんなことが起こらないような感想の書き方をまとめておきました。
<おすすめの練習法②:例文の書換え>
読者に「いいね!」と思われるポイントというのは、必ずしも「表現が上手い」ということと一致しません。
むしろ、文章表現力が高い文章を読んでいるとプレーンな印象を受けるため、「いいね!」と思えるポイントが挙げ難いということもあったりします。
「いいね!」と思われるポイントとは、裏を返すと「目立っているポイント」のことを指します。
際立っていないのであれば、敢て「いいね!」と感想に書かないですよね?目に留まったから書くのです。
やり方はシンプルで、まずは何でもいいので例文を引っ張ってきましょう。知り合いの小説の一節でも良いです。その例文を自分なりに書き換えたら、仲間のものと照らし合わせましょう。
この練習法は、仲間が多ければ多いほど真価を発揮してくれます。というのも、例文を照らし合わせた時に「みんなと似たような文」になるのか、「みんなと全然違う文」になるのかが一番気になるところだからです。
もし「みんなと似たような文」になったとすれば、それは少なくとも「いいね!」ポイントにはなりません。目立つことが無いからです。
逆に「みんなと全然違う文」になったとすれば、少なくとも「目立つポイント」になります。その中に、あなたの「いいね!」ポイントが隠れているのです。
また、「目立つポイント」というのは良い意味にも悪い意味にも捉えることができます。癖が強ければ強いほど、読者の好き嫌いにもつながりますから賛否両論になりがちでしょう。
そこで大切になるのが、自分に合った文体と読者層のマッチングです。これについては、次の節でお話しようと思います。
3. 文体という武器の使い方
以下の記事でも述べているのですが、作者は文章を書き直す際に「読者のニーズに答えるべきか?好きを貫くべきか?」という問題と常に隣り合わせになります。
そのときの判断基準として機能してくれるのが「文体」というものです。「文体って何ぞ?」という方は、以下の記事を参考にすると良いでしょう。
文体とは何か?~よくわかる文体論〜
文体(ぶんたい)とは一体何を指している言葉なのでしょうか?辞書で調べても「文章・散文のスタイルのこと」としか書かれていません。何のために存在していて、具体的にはどんなモノのことを指すのか?小学生にでもわかるようにまとめておきました!
物事を判断する際には、就職活動なんかでよく用いられる「Will・Can・Mustの輪」というフレームワークを使うと良いでしょう。
「Will・Can・Mustの輪」とは、物事は大きく「Will(=やりたいこと)」・「Can(=できること)」・「Must(=すべきこと)」の三つに整理することができて、その全てが交差する物事を優先して選択しましょうというお話です。
これがどう関係してくるかというと、多くの創作初心者は「Can(=自分のできること)」を理解できていません。というか、むしろ最初からわかっていたら天才だと思います。
そのため、「Will(=やりたいこと)」があっても「Must(=すべきこと)」があっても判断に困るのです。
ここでいう「Can(=自分のできること)」とは、自分に合った書き方や文体のことを指します。
文章の場合は、人の真似をすれば一切書けないということは無いので「Will(=やりたいこと)」との線引きが曖昧になりがちです。
しかし、長らく文章を書いていると「なんだか書き易いな」と思う文体というものに気付いてくるものです。わたしは、10ヶ月くらいかかりましたが(汗)
また、「Must(=すべきこと)」を知ることも大切です。この場合、「Must(=すべきこと)」とは読者層のことを指します。
ターゲット層を明確にしろと言われても最初からわかるものではないと思うので、一先ず出版社が求めていそうなものを「Must(=すべきこと)」とすると良いでしょう。
公募やイベントの参加条件を見れば、粗方何を求められているかは察しがつけられます。
<おすすめの練習法①:短編を作る>
格別な捻りはありませんが、最も実践的な練習方法が「短編を描くこと」です。
絵や音楽をもとに短編を描くのもいいですし、ジャンルとキーワードと固定してショートショートを描くというものも今思えば良い練習になりました。
お題を縛ったり、主人公の性別を限定するといった所謂「縛りプレイ」は、自分の限界を超えるという意味では大きな成長のチャンスとなってくれることでしょう。
自分の「Can(=自分のできること)」を知るためには、とにかく実践することが大切になります。
なんだか筆が上手く進まなかった時の文章と、物凄いスピードで筆が進んだ時の文章を見比べて見ましょう。違いに気が付くはずです。
<おすすめの練習法②:文体模写・写経>
写経(しゃきょう)というと、聞いたことがないという方もいらっしゃるかもしれませんね。実は、小説界隈では最もスタンダードな練習方法だったりします。
要するに、好きな小説を一字一句書き写していくという練習方法です。とてつもない労力は掛かりますが、得られるリターンも大きいです。
先述のフレームワークで述べた「Can(=自分のできること)」というのは、あくまで現時点で出来る事にすぎません。
人は学習によって成長し「Can(=自分のできること)」が増えていくのが自然です。写経という練習方法が有益である最大の所以は、「Can(=自分のできること)」を増やせるという点に尽きます。
写経をしていると「何故この文をココに書いたのか?」といった作者の意図や、「描写し難い部分は、こうやったら上手くかわせる」といった成功パターンを見つけることができます。
また、数冊の本を写経するよりは一冊の本を何度も写経した方が良いと言われています。これは文体が混ざり合って副作用を作り出すことがあるからです。
文体が揃っていない文章は、そこに意図が無ければリズム感のない文章となってしまうので注意したいところです。文章をリズミカルにする他の方法については、以下の記事を参考にすると良いでしょう。
4. 語彙力・表現の幅を広げる方法
<おすすめの練習法:細分法>
練習方法としては、細分法が適切でしょう。細分法とは、「カレー」という言葉があったときに「カレー」という単語を使わずに「カレー」を表現していく方法です。
もし創作仲間がいるのであれば、細分法によるちょっとしたゲームが楽しめます。
やり方はシンプルで、最初にゲームマスターがお題を決めます。今回は「オムライス」にしましょうか。
書き手(一人)は、「オムライス」を細分法に基づいて「オムライス」をいう言葉を一切用いずに文章で表現します。
ゲームマスターと書き手以外が、何か当てるまで文章を何回か書き直していくというゲームです。結構、楽しいのでオススメです。
その経験の中で、好きな語彙や表現方法を蓄積して、語彙を持つ本来の魅力を発見していくのもいいでしょう。
そうやっているうちに、言葉の裏にある本当の意味や語源も知れて、とても面白いものですよ♪
↓
≫ Lecture.9 小説という媒体の持つ強み
≪ Lecture.7 ワンパターンな文末への対処法
5. 執筆速度を向上させる方法
「小説家になろう」や「カクヨム」といった小説投稿サイトに連載をしたことがある方ならわかるかもしれませんが、連載をはじめると時間との戦いがはじまります。
これは売れっ子作家も苦しむ孔明の罠のようなものですが、速度と質を両立させるのはぶっちゃけめちゃくちゃしんどいです。
というわけで、私もここをこれから鍛えていきたいと思っているのですが、速筆の作家さん曰く「ワンアワーライティング」という練習方法が良いのだとか。
<おすすめの練習法:ワンライ>
ワン・アワー・ライティング(通称:ワンライ)とは、一時間という制限された時間内で一つのショートストーリーを書き上げるという訓練方法です。
この訓練は、作者への負荷が非常に大きいのでルールは以下の通りにすると良いでしょう。
① ストップウォッチを用意して、ワン・アワー・ライティングを開始!
② 一時間経っても出来なければ潔く諦めて、布団にダイブ!
やっぱり、正直書けないときは全然かけません。そういったときは、インプットに徹したりコンディションを整える方向に時間を使った方が有意義というものです。
ちなみに、この課題についてはツールを用いたチート的なやり方もあるので以下の記事を読むと参考になるかもしれません。
執筆スピード5倍にするツール!?
毎日更新したいけど、時間がない……。そんな方へ朗報です!時代は進歩しました。執筆速度を難なく5倍にしてくれるツールというのも世の中にはあるのです。しかも、既にあなたはツールをもっている。使わない手は無いですね。
6. 文章を端的にまとめる方法
続いて、お悩み相談でもよく質問を受ける内容なのですが文の長さを調節する方法論です。
文を書いていると短い文で端的に表現したくなったり、敢て冗長な文を作り出したかったりする場合があります。
文を長くするのは、先述の「細分法」を使えばいくらでも増やせますが、短くするのは大変な作業です。
そういったときは、渋いですが「俳句」から学ぶことにしましょう。結構ためになります。
<おすすめの練習法:俳句製作>
これを知ったときは少し驚きましたが、界隈では意外と一般的な練習方法のようです。
ただ、「いきなり俳句を作ろう!」と言われても……となると思います。なので、俳句の作り方について少し説明を残しておこうと思います。
ステップ1
まず、思いのたけを日記やエッセイにしてみます。あ、別に割とどうでもいいことでもOKですw あまり気張らないで大丈夫!
思ったことをだらだらと、ひたすら500~1,000文字くらい書けたらその文章を読み返して話の中心になっている『伝えたいこと』を探します。
ステップ2
『伝えたいこと』が決まったら、5・7・5の形にしておしまいです。いきなり5・7・5も難しく感じるので、俳句の例文をいくつかネットで探してくると段々描き方が分かってくるかもしれませんね。
というわけで、俳句は基本この2ステップで作ります。これはやってみた感想ですが、ステップ2から行き成り作っても良さそうですね。