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オノマトペとは?語源から正しい意味と使い方を知ろう!|レトリック講座vol.9

オノマトペとは?語源から正しい意味と使い方を知ろう!|レトリック講座vol.9

 

オノマトペとは?

 

オノマトペとは、音や状態を言葉にあてがった表現たちのことです。日本語では、擬音語や擬態語と呼ばれている修辞法(レトリック)の一種とされています。

 

例えば、「ドンドンとドアを叩く音がする」といった文があるとすれば、ドアを叩く音を表現している「ドンドン」という言葉がオノマトペに当たります。

 

オノマトペは大きく二種類(擬音語と擬態語)にわかれており、それぞれ以下のように分類されています。

 

・擬音語(ぎおんご):実際に音がするものに対して、言葉で真似をしたもの。

具体例)ワンワン、ドンドン、バシバシ

 

・擬態語(ぎたいご):実際には音がしない、物体の状態を表したもの。

具体例)ごつごつ、せかせか、ゆらゆら

 

尚、実際には「擬音語」なのか「擬態語」なのかという明確な線引きは存在していません。その例として、「ガタッ」というオノマトペが挙げられます。

 

例えば、「客足ががたっと減った」と表現したとき、「がたっ」というオノマトペは擬態語と解釈できます。しかし、「ガタッと彼が立ち上がる音がした」と表現するのであれば、擬音語とも解釈することができるのです。

 

また、オノマトペの語源は古代ギリシア語の「onomatopoiia(オノマトポーイア)」から来ています。その後、時を経て現在のフランス語である「オノマトペ」が一般的に用いられるようになったようです。

 

それでは、文章において「オノマトペ」は読者にどのような効果をもたらすのでしょうか?

 

オノマトペが持つ効果

 

小説といった文章媒体の強みは、映像作品や漫画では再現することができない人間の『嗅覚』や『触覚』、『味覚』に関する情報を再現できるところにあります。

 

そういった意味で、オノマトペには「ごつごつ」といった肌触りに関する情報や「サクサク」といった食感に関する情報を簡潔に表現してくれる効果を期待することが出来ます。

 

そんな「オノマトペ」という修辞法(レトリック)ですが、実はいくつか面白い法則性があるのでみていきましょう!

 

オノマトペにおける法則性

 

星の数ほどある「オノマトペ」ですが、法則性を知っているとオノマトペを適切に選べるようになります。

 

まず、オノマトペにはいくつかの型が存在しています。有名なものとしては「促音(そくおん)」「撥音(はつおん)」「リ音」「反復」「清濁音(せいだくおん)」が挙げられるでしょう。

 

促音(そくおん)

 

促音(そくおん)と言うと難しく聞こえますが、小さい「つ」のことです。つまり、「っ」で終わるオノマトペのことです。

オノマトペの具体例:「さっ」「もわっ」「くらっ」

 

具体例をみると分かりやすいと思いますが、促音を用いたオノマトペでは「俊敏さ」や「瞬発性」を表現することが出来ます。「くらっ」と表現すると、一瞬だけ「くらっ」としたように読み取れます。

 

撥音(はつおん)

 

続いて、撥音(はつおん)ですが「ん」のことです。つまり、「ん」で終わるオノマトペのことです。めちゃめちゃシンプルですね。

オノマトペの具体例:「カラン」「コロン」「ばくんばくん」

 

撥音の面白いところは、擬音語か擬態語かでオノマトペによる効果が異なってくるところです。

 

擬音語における撥音効果

 

擬音語において、撥音は「余韻を残す」という印象を与える効果があります。

 

具体例でも示している通り、「カラン」という音には反響音のような印象を受けることができます。

 

余韻を残すと言う意味では、伸ばし棒(長音符)と組み合わされることも多いようです。

具体例:「カラン」⇒「カラーン」、「ドッカン」⇒「ドッカーン」

 

余韻のレベルによって使い分けると良いのではないでしょうか。

余韻なし:コロコロ

余韻レベル1:コロン

余韻レベル2:コローン

 

擬態語における撥音効果

 

擬態語において、撥音はリズムを生み出す効果を持っています。

 

「ばくばく」よりも「ばくんばくん」の方がリズミカルというのは、説明するまでもないことでしょう。

 

リ音

 

リ音も文字通り、語尾に「リ」が付くオノマトペ(特に擬態語)の型を指します。

具体例:とろり、さらり、ごろりごろり

 

促音では瞬間的な表現を、撥音ではリズミカルな表現を行うことができますが、擬態語についてゆっくりとした表現を行う方法はまだご紹介していませんでした。その一つが「リ音」という型です。

 

例のように「ごろごろ」と「ごろりごろり」であれば、後者の方が滑らかでゆったりとした動きを表現することが出来ます。

 

反復

 

実は既に何回も登場しているのですが、「オノマトペ」を二回繰り替えす表現のことです。

具体例:ぱらぱら、とろとろ、ドンドン

 

例をあげ始めると、大半を占めてくるのが「反復」表現のように思われます。オノマトペによる反復表現では、音や動作が繰り返されている様を表現することができます。

 

清濁音

 

オノマトペは、濁点の有無によって大きく印象をかえることもできます。

 

一般的に濁点の無い「清音」は、明るさや軽さ、澄んだ表現を。濁点のある「濁音」は、暗さや重さ、粗雑で濁っている表現ができるとされています。

 

具体例:サラサラ(清音)⇒ 澄んだ印象、ザラザラ(濁音)⇒ 粗雑な印象

 

また、擬音語においても濁音が音量を大きく印象づける効果が確認されています。

 

具体例:トントン(清音)⇒ 軽く叩く音、ドンドン(濁音)⇒ 強く叩く音

 

オノマトペの使い方

 

さて、小説においてオノマトペを使おうとすると擬態語が大半を占めることになるでしょう。擬音語は扱い方が難しく初心者が扱うには意外と不向きです。

 

先述の通り、小説という媒体の強みは擬音語のような「聴覚情報」にではなく、映像作品などでは表現できない「擬態語の類」にあります。

 

そういうわけで、ここからの話はあくまで擬態語の話に留めて読み進めていただければ幸いです。

 

「オノマトペ」が簡潔に物の状況や状態を表現できる背景には、日本人が日本語の母音や子音に共通認識を持っていることがあるとされています。

 

例えば、みなさんは「い」という音にどんなイメージを持っていますか?お時間がある方は、少しだけでいいので一度考えてみてから読み進めることをおすすめします。

 

以下、関西外国語大学から出されている面白い論文があったので抜粋してきました。

日本語の母音「あ、い、う、え、お」では、共通の一つ一つに異なったイメージがあるようである。例えば「あ」音では大きく外に広がったニュアンスがあり、「い」音は張りつめた緊張が感じられる。「う」音は内に抑えられたニュアンスがあり、「え」音は意外であり汚い感じもある様である。「お」音は内に籠もった丸く重いイメージだ。同じパ行のオノマトペでも「パラパラ」では雨などが軽やかに弾むように降る様子、「ピリピリ」では緊張した空気が、「プルプル」では外側にではなく内に向いた震える様子、「ポロポロ」はこぼれ落ちる様子を表すなど、違った音、様子を表すことになる。似た状況を表すオノマトペ、例えば雷の音を表すカ行のオノマトペにおいても、「ガラガラ」と「ゴロゴロ」では、前者は空から落ちてくる雷の音を後者は今にも落ちそうな雷の雲の合間から聞こえてくる音を表しており、微妙にニュアンスは違う。更に細かく考察すると、日本語の50音一つ一つの音においても比較的共通の印象が持たれているようである。丹野真智俊が行った研究(2005)によると、「し」は静かなイメージ、「ふ」軽い、「げ」汚い、「ぜ」苦しい、「ぷ」かわいいといった共通のイメージがある。

出典:オノマトペ(擬音語擬態語)について(PDF)

 

このように、前項で説明した「オノマトペの型」に加えて、日本語の母音や子音が持つイメージをあわせていくと自分が表現したい「オノマトペ」を適切なものに調整できるようになります。

 

また、「オノマトペ」は助詞と組み合わせることで「名詞」「形容詞」「動詞」「副詞」のいずれにもなれるという極めて自由度の高い性質を持っています。

 

文体を整える時にも役に立つので、オノマトペを作品に出す場合はどの品詞で出すのが一番しっくり来るか試してみても良いかもしれませんね。

 

・名詞としての活用例:ドキドキが止まらない。

・動詞としての活用例:ドキドキする。

・形容詞としての例:ドキドキの発表会

・副詞としての例:ドキドキと鼓動する。

 

(補足)オノマトペのルールについて

 

ちなみに、日本語教育においては擬音語はカタカナを擬態語はひらがなを使用するということになっています。

 

しかし、プロの作家さんでも「一切、気にしたことがないぞ!」という方は多いようなので、あまり神経質になりすぎず好きな方を選ぶとよいのではないでしょうか。

 

ご精読有難うございました。また次のレトリック講座でお会いできれば嬉しいです!それでは!

 

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