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小説においてキャラクターの説明や人物紹介をするコツ!|登場人物の魅力を効果的に読者へ伝えるためには?

小説においてキャラクターの説明や人物紹介をするコツ!


今回は、キャラクターの設定が既にある程度固まっている作家さんに向けて、彼ら彼女らが一体どんなキャラクターなのか、読者にわかりやすく説明するための工夫についてまとめていきたいと思います。

 

小説を書いていると、キャラクターの設定に限らず物語を進めていく上で説明したい事が沢山でてきますよね。

 

とはいっても「この主人公には妹が居て、病むほど妹のことが好きで」などと説明文ばかりを地の文に書いてしまうと残念ながら面白くない文章になってしまいがちです。これは自分が読む立場になって読み返せばすぐにわかると思います。

 

なぜかといえば読者が小説に求めているものが、あくまで面白い「エピソード」だからなのでしょう。事実の羅列は、小説の読者には求められていないということです。

 

では、どうすればいいのでしょうか?先ほどの例を用いたとすると「日課である妹の寝顔を撮影し終えたあたしは、ふと妹の携帯に着信があることに気付いた」

 

としてしまえば、説明文ではなく行動描写で間接的に読者へ設定を説明することができます!(つっこみ担当は出張中です笑)

 

つまり、行動描写にしてしまえばいいというわけです。そして、この行動描写を小説のあちこちに小出しにしていくことで読者は無意識のうちにいろんな設定を把握していくことができます。

 

と、ここまでは小説を長らく書いている方なら一度は考えたことがあると思います。しかし、実は説明文で直接説明して良いときというのも存在しています。

 

むしろ「行動描写を使えばいい」という先人のアドバイスだけを鵜呑みにして、説明を避け続けていると、いづれその副作用も食らうことがあるので、そもそも『説明していい場合』と『説明したらまずい場合』の違いをきちんとおさえておきましょう。





 

地の文で説明していい場合


結論からいうと、どうにも「読者が知りたい『状況(シチュエーション)』に関する説明」というのは、地の文で説明してしまっても煩わしさを感じないようです。

 

例えば、実際にアニメ化まで漕ぎ着けた小説家になろうの作品である『転生したらスライムだった件』という作品があります。

 

この作品の冒頭は、思いっきり設定語りからスタートしています。主人公が大学を出たこと、現在37歳であること、こんな年なのに彼女がいないこと、

 

冒頭でのお話を鵜呑みにすると完全にNGな表現をしているわけですが、この作品はアニメ化までしているので、作品としてはまさに『大成功』しているといえるでしょう。

 

では、なぜこの説明文は多くの読者にとって受け入れられたのでしょうか?

 

その理由は、もう少しだけ地の文を読み進めていくと見つけることが出来ます。本文では続けて「そんな事を何故考えていたかというと(中略)そう、今日はこいつらに、結婚するから相談に乗ってくれと頼まれたのだ。つい、何故自分はモテないのかなどと考えてしまった理由である。」という地の文が存在しているのです。

 

つまるところ「いまこの説明をしたのは、こういう理由があったから」という風に、読者に「なるほど!そういう状況なのね」と思わせるような書き方をしているのです。あくまで「設定」ではなく「状況」を理解させようとしているために、違和感がでていないのです。

 

設定文と状況文の違い

設定例:世界は魔法革命によって栄えていた。そのせいで、魔法の使えない僕の給料は低下していく。

→ 事実の羅列になっている。

状況例:僕の給料は、その日から下がる一方だ。なにが魔法革命だ。くそくらえ。魔法を使えなくたって、僕はなりあがってみせるさ。

→ 事実に対する人物の感情や意思が垣間見える。

 

また、実際に本文を読んでみると、説明している分量もたいして多くないと気づくことができるとおもいます。

 

初心者がやりがちな失敗として、小説冒頭でキャラクター紹介のための説明文ラッシュが起きていたり、いきなりクライマックスにしたのはいいものの、その世界の用語が多すぎて読者がうまく話に入って行けず置いてきぼりになってしまうことがあります。

 

こういった問題を一言で解決させるとすれば「焦らなくていいよ!」ですね。じっくり、時間をかけてキャラクターの説明をすれば良いのです。

 

それこそ、キャラクターの説明だけで数万文字行く作品も決して少なくはありません。

 

 

設定語りをなくす副作用


ここまでで、「地の文で説明していい場合と、説明しないほうがいい場合があるんだー!」ということは、なんとなーくでもいいので、わかったのではないかと思います。

 

ただ、説明して良い場合とそうでない場合の見分けが付かないとき、安全を考慮して地の文では説明しない方を選んでしまいがちです。しかし、説明語りをなくすという行為は副作用も孕んでいる事に注意しておきましょう。

 

特に、説明したいことが多い場合はたくさん説明する必要がありますから、キャラクターにどんどんエピソードを付け足していってしまいがちです。

 

これをやりすぎると、最もメインとなるストーリーライン(物語の起承転結や展開のこと)から脱線しすぎて、本編を台無しにしてしまうことがあるのです。

 

これがキャラクター紹介によるサブストーリーラインとメインストーリーラインの喧嘩につながり、最悪の場合はご都合主義またはキャラぶれへ発展していきます。

 

あわせて読みたい:ご都合主義の事例まとめ!

 





 

まとめ


まとめです。

 

読者がキャラ設定を理解しやすくするためには、行動描写で小出しにしていくだけでなく状況(シチュエーション)に対する説明文を地の文として取り入れるのは得策でしょう。ただし、慣れないうちは気持ち説明量は減らしてあげましょう。

 

「まだ理解が追いついていないよ!」という方には、「君の膵臓をたべたい」の作者でも有名な住野よるさんの「また、同じ夢をみていた」という作品が大変参考に出来ると思います。

 

TVアニメで「私に天使が舞い降りた!」の小之森夏音役、「いなり、こんこん、恋いろは。」の伏見いなり役をされていた大空直美さんや、TV版「殺戮の天使」のレイチェル役をされていた千菅春香さんがオーディオブックというアプリ版で読み上げてくれるので、めっちゃおすすめです>ω<!

 

→ 「また、同じ夢をみていた」をアプリで聞きに行く!(※掲載期間が終了している可能性もあります)。

 



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