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文体とは何か?~よくわかる文体論シリーズ〜

文体とは何か?~よくわかる文体論シリーズ〜

 

文体とは何か?

 

文体(=文調)とは、一体なにを意味する言葉なのでしょうか?

辞書的な意味は、以下のようになっています。

文体(ぶんたい)とは、文章・散文のスタイルのこと。

引用元:wikipedia_文体

 

これだけだと、抽象的すぎますよね。というわけで、もう少しわかりやすく解説していこうと思います。

 

※ちなみに「文調」という言葉もありますが、文体と文調の間には特に違いはありません。つまり、「文体=文調」と解釈して問題ないです。

 

文体とは、「物の見方」のことである

 

まず、面白い話として「文体とは、物の見方のことである」という解釈が存在しているようです。

 

少し想像してみてください。「江戸時代の侍が書いた手紙」と「現代の女子高生が書いた手紙」を見比べると、実際に見ずとも両者の文体は、明らかに異なっているように思えるはずです。

 

そして、その差はどこから来たものかというと「時代」や「性別」といった立場の違いも一因といえるでしょう。(女子高生Aと女子高生Bの手紙が、文体的に似ているということは往々にしてありえそうですし)

 

そして、立場が違うと自然と物の見方は異なります。

 

例えば、誕生日を迎える人を主人公としたエピソードを書くとしましょう。

 

そのとき、20歳を迎える青年を主人公とするのか、女子高生を主人公とするのか、それとも駄菓子屋のおじいちゃんを主人公とするのかで、描写する内容は当然のように異なってくるはずです。

 

もし20歳の青年が主人公であれば、無意識に20年という歳月に意識が向くことになるでしょう。それによって、感慨に耽るの要素が多く含まれた文章になることが想定されます。

 

また、女子高生が主人公であれば、友人とのお泊り会や彼氏とのデートなどに一喜一憂する描写がかけるかもしれません。

 

駄菓子屋のおじいちゃんも同様です。年をとるたび入れ替わる客層に、新たな出会いと別れを感じているかもしれません。

 

このように、「誰から見た世界を描写するのか?」によって文に盛り込まれる描写は異なってくるのです。

 

つまり、「文体が違う」というのは「着眼点が違う」ことを意味します。そして、少しばかり横暴ですが「文体=着眼点」とも解釈できるのです。

 

文体の重要性

 

それでは「文体」は、小説などの文芸において何故重要だと言えるのでしょうか?

 

端的にまとめると、文体は「自己表現そのもの(オリジナリティ)」であり「読みやすさを助長するもの」であるからだと言えるでしょう。

 

そこで面白い話に「俳優である木村拓哉は、木村拓哉を演じている」というお話があります。

 

これはどういうことかというと、木村拓哉は出演したドラマの中でも自己表現を積極的に行い「登場人物」を演じることに徹するスタンスではないということです。

 

何故こんなことをするかというと、それが木村拓哉の強みであり・セールスポイントだからです。

 

「木村拓哉が出ているから、そのドラマを見よう」という人が増えれば、木村拓哉をドラマに出演する声があちこちであがることは想像に難くありません。そこが木村拓哉が人気である所以でしょう。

 

もちろん、彼とは真逆で「完璧に、どんな役にも徹する」というセールスポイントを持った俳優・女優さんも沢山いらっしゃいます。

 

つまり、何を売り込みたいのかによって役の演じ方に違いが出るのです。

 

実は、文体にも同じことが言えます。「何を売り込みたいか(=自己表現したいもの)によって、文体にも違いが出てくる」ということです。

 

ちなみに、「何を売り込みたいか」という部分が無いと超高確率でエタる(=永久に作品が完結できない病にかかります)といわれています。

 

このように、「著者のモチベーションや目的」、「オリジナリティ」、「読みやすさ」といった小説において肝とも言えるすべての要素を「文体」は兼ね備えているのです。

 

文体がない文というのは存在しないですが、文体がハッキリしていることは大切なことなのではないでしょうか。

 

文体は二種類に分けられる

 

古今東西、文体というものは多種多様に存在しています。これは先述の「文体=着眼点」という図式から見ても明らかでしょう。人の数だけあるのです。

 

しかし、実際に小説を書って売るというプロセスの中においては、大きく二種類にわけられるのではないかと思います。

 

それは「著者の着眼点を描く文体」と「主人公の着眼点を描く文体」です。

 

1.著者の着眼点を描く文体

 

「著者の着眼点を描く文体」としては、森見登美彦(=有頂天家族や四畳半神話体系の作者)さんの饒舌体(じょうぜつたい)があげられます。

 

饒舌体(じょうぜつたい)とは、読者に語りかけるような文体のことをさします。この文体の強みは、読者と著者の間に親近感を作り出すことでしょう。

 

少し話はそれますが、毎日更新している人気YOUTUBERなども「この親近感」を利用してファンを物凄いスピードで増やしています。

 

このような文体では、「この作者の本だから買おう」という固定読者を獲得していくことができます。

 

つまり、「著者とのコミュニケーション」や「徹底した自分らしさ」を自身のセールスポイントと考えているといえるのではないでしょうか。

 

2.主人公の着眼点を描く文体

 

一方、一人称小説の圧倒的な没入感などを活かし主人公の体験を追体験させる文体も存在しています。大抵の作品は、こちらに属することになるでしょう。

 

「主人公の着眼点を描く文体」とは書いていますが、三人称作品のことも考慮すると「キャラクターの着眼点」とした方が正しいかもしれませんね。

 

こちらは「キャラクター自身になりきる楽しさ」や「魅力的なキャラクターと旅をする楽しさ」などを、セールスポイントとすることになるでしょう。

 

この場合、著者は完全に作品の創造主としての役割に徹することになります。

 

さて、ここまで説明しておいてなんですが、やはり実例を見てみないと文体が何を指すのかイマイチ理解に苦しむと思います。

 

なので、次のページでは実例と共に「自分が売り込みたい文体の探し方について」をみていくことにしましょう!

 

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