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文体・文調とは?~文体の種類と意味がよくわかる小説・ラノベの文体論解説〜

文体・文調の意味とは?


文体とは、文章を書くスタイルのことで、主人公や作者の着眼点によって差が出てくるものです。

 

▼辞書的な意味は、以下のようになっています。

文体(ぶんたい)とは、文章・散文のスタイルのこと。
引用元:wikipedia_文体

 

これだけだと、抽象的すぎますよね。というわけで、もう少しわかりやすく解説していこうと思います。

 

※ちなみに「文調」という言葉もありますが、文体と文調の間には特に違いはありません。つまり、「文体=文調」と解釈してOKです。

 

目次


> 文体とは、「物の見方」のことである
> 読者に好かれる文体・うまい地の文とは?
 ・読みやすい文体とは?
 ・文体が持つ癖とは?
> 文体は二種類に分けられる
 1.著者の着眼点で描く文体
 2.主人公の着眼点で描く文体
> 文体で読者を虜にするには?
> まとめ

 

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文体とは、「物の見方」のことである


まず、面白い話として「文体とは、物の見方のことである」という解釈が存在しているようです。

 

少し想像してみてください。「江戸時代の侍が書いた手紙」と「現代の女子高生が書いた手紙」を見比べると、実際に見ずとも両者の文体は、明らかに異なっているように思えるはずです。

 

そして、その差はどこから来たものかというと「時代」や「性別」といった立場の違いも一因といえるでしょう。(女子高生Aと女子高生Bの手紙が、文体的に似ているということは往々にしてありえそうですし)

 

そして、立場が違うと自然と物の見方は異なります。

 

例えば、誕生日を迎える人を主人公としたエピソードを書くとしましょう。

 

そのとき、20歳を迎える青年を主人公とするのか、女子高生を主人公とするのか、それとも駄菓子屋のおじいちゃんを主人公とするのかで、描写する内容は当然のように異なってくるはずです。

 

もし20歳の青年が主人公であれば、無意識に20年という歳月に意識が向くことになるでしょう。それによって、感慨に耽るの要素が多く含まれた文章になることが想定されます。

 

また、女子高生が主人公であれば、友人とのお泊り会や彼氏とのデートなどに一喜一憂する描写がかけるかもしれません。

 

駄菓子屋のおじいちゃんも同様です。年をとるたび入れ替わる客層に、新たな出会いと別れを感じているかもしれません。

 

このように、「誰から見た世界を描写するのか?」によって文に盛り込まれる描写は異なってくるのです。

 

つまり、「文体が違う」というのは「着眼点が違う」ことを意味します。そして、少しばかり横暴ですが「文体=着眼点」とも解釈できるのです。

 





 

読者に好かれる文体・うまい地の文とは?


それでは、読者に好かれる「文体(=そのパーツである、うまい地の文たち)」とは、どんなものでしょうか?

 

端的にまとめると、以下の3ポイントを満たすものなのだと思います。

 

☆好かれる文章の3つの条件!
  1. 読みやすい
  2. 作法を守っている
  3. オリジナリティがある

 

そして、そういった魅力ある文体を習得する方法は、以下で説明しておきました!

 

・読みやすい文体とは?

「読みやすさ」についてですが、『読みやすさ』というのは、読者によって異なっているので「読みやすい or 読みにくい」とするのではなく、次のように考えます。

 

Aさんには、頭の中に言語データベース(X)があったとしましょう。例えば、中学生であれば中学生までに身につける言語リストのようなものを想像してみて欲しいのです。

 

ここで、Aさんが読みやすい作品というのは、Aさんのデータベース(X)に載っている言語が多い作品となります。まぁ、当然ですよね。

 

現代人が古事記や源氏物語の原本を読もうとしたら、それ相応に苦労することは想像に難くありません。

 

小説家や作家が意識しておくべきことは、読者層の言語データベースと、作家自身の言語データベースを出来る限り似たようなものにすると『読みやすい』と思われるようにできるということです。

 

そのため、読者ターゲットを決定しておくことも一つの技術だと思います。

 

文体に限っていうのであれば、漠然と「主婦をターゲットにして~」というようにするのではなく、この言い回しは通じるだろうか?

 

といった視点で、主に年齢&出版するレーベルによる言語コードに合わせるという視点で、ターゲットを決定しておくと意義があると思われます。

 

以下に、各レーベルから書籍化された作家さんの作品を掲載しています。

 

実際に各レーベルで書籍化された作品を読んでみることで、そのレーベルがどんな言語データベース&ターゲットをご所望かが体感的にわかるようになるでしょう。

 

また、テクニックを使うだけでも、格段に読みやすい文章が書けるようになるでしょう!

 

▼ アルファポリス読者層が、ターゲットなら!

 

▼ 読みやすくするテクニック集へ!

 

▼ 小説のルールと基本作法を解説!

 

・文体が持つオリジナリティとは?

さて、文体に魅力のあるオリジナリティを出すためには、どうすれば良いのでしょうか?

 

少し話が飛躍しますが、面白い話に「俳優である木村拓哉は、木村拓哉を演じている」というお話があります。

 

これはどういうことかというと、木村拓哉は出演したドラマの中でも自己表現を積極的に行い、「登場人物」を演じることに徹するスタンスではないということです。

 

もちろん、彼とは真逆で「完璧に、どんな役にも徹する」というスタンスを持った俳優・女優さんも沢山いらっしゃいます。

 

これは文体や作家さんについても同じことが言えるのです。

 

文体は二種類に分けられる


古今東西、文体というものは多種多様に存在しています。これは先述の「文体=着眼点」という図式から見ても明らかでしょう。人の数だけあるのです。

 

しかし、実際に小説を書くというプロセスの中においては、大きく二種類にわけられるのではないかと思います。

 

それは「著者の着眼点で描く文体」(=木村拓哉方式)と「主人公の着眼点で描く文体」(=役者方式)です。

 

前者は、作者の作品への介入度が高く、後者は、作品への介入度は少ない傾向にあります。

 

1.著者の着眼点で描く文体

「著者の着眼点で描く文体」としては、森見登美彦(=有頂天家族や四畳半神話体系の作者)さんの饒舌体(じょうぜつたい)があげられます。

 

饒舌体(じょうぜつたい)とは、読者に語りかけるような文体のことをさします。この文体の強みは、読者と著者の間に親近感を作り出すことでしょう。

 

少し話はそれますが、毎日更新している人気YOUTUBERなども「この親近感」を利用してファンを物凄いスピードで増やしています。

 

このような文体では、「この作者の本だから買おう」という固定読者を獲得していくことができます。

 

つまり、「著者とのコミュニケーション」や「徹底した自分らしさ」を自身のセールスポイントと考えているということです。作者自身の分らしさ』をオリジナリティとしているのです。

 

もし『自分らしさ』ってなんだろう?とおもった方には、以下の記事をおすすめしておきます!

教養の定義をわかりやすく解説!|本当の教養を養うための方法とは?

 

2.主人公の着眼点で描く文体

一方、小説の圧倒的な没入感などを活かし主人公の体験を追体験させることに重点をおいている文体も存在しています。大抵のライトノベル作品は、こちらに属することになるでしょう。

 

「主人公の着眼点で描く文体」とは書いていますが、三人称作品もあることを考慮すると「キャラクターの着眼点」とした方が正しいかもしれませんね。

 

こちらは「キャラクター自身になりきる楽しさ」や「魅力的なキャラクターと一緒に旅をする楽しさ」などを、セールスポイントとすることになるでしょう。キャラクターの魅力そのものが、オリジナリティとなっていきます。

 

▼ キャラクターを魅力的にする方法については、以下の記事を参考にしてみてください!

 

文体で読者を虜にするには?


では、小説に関して言えば、どうすれば文体を自由自在に操って読者を虜にすることができるのでしょうか?

 

端的に言えば、好きな文体(着眼点)を知って真似から入るのが良いでしょう。

 

また、文の魅力『ミメーシス』と、読みやすさのバランスを読者層へあわせてあげることができれば最強です。

 

『ミメーシス』の解説記事を読んでいないという方は、以下のリンクから読むと良いでしょう。読み終えたら、このページに戻ってこれるようにしておきましたので、安心してくださいね。以下、軽く触れておきます。

 

▼ ミメーシスの意味とは?

 

ミメーシス(≒不完全性)は、芸術作品に魅力を生み出しますが、これは文章においても同じことです。

 

例えば、「実家に帰ると、私が子供の頃に親が身長を図った痕跡が残っていた」のように、説明(ディエゲーシス)されるよりも、

 

「実家に帰ると、懐かしさの残る傷だらけの木柱が視界に入ってきた」のように、

 

不完全な説明をされた方が、なんだか文章表現がうまいな、と感じることがあるのです。

 

このように、ミメーシスな地の文(=婉曲表現など)で、暗に示そうとする表現が多ければ多いほど、作品への作者の介入度合いは低く、

 

逆に、叙述(=語りや説明)が多いほど、作品への介入度合いが高くなっていきます。

 

当然、文章というのは、地の文と台詞パートで構成されていますから、

 

『地の文』にあるミメーシスな文と、ディエゲーシスな文の割合によって、作品へ作者の介入度合いは調節されることになります。

 

作者の介入度を地の文で調整する、実践的な方法論については以下の記事をご参照ください!

 

▼ もう困らない!地の文のコツ

 

もちろん、ミメーシスが多ければ多いほど良いわけではありません。これについても、『ミメーシスとは?』の記事で説明していますが、

 

おさらいすると、ミメーシスは、その「不完全性」ゆえに、理解されにくいところがあるのです。

 

そのため、設定がとても多い作品群や、難解なテーマ、年少者を対象とする童話においては、わざと理解の難度を下げるために、ディエゲーシスも多用する必要がでてくるというわけです。

 

まとめ


まとめです。文体を自在に操って、読者を魅了していくためには、

 

自分のきな文体を読んで、好みの着眼点(=物の見方)を知った上で、ターゲット毎に不完全性(および、わかりやすさ)のレベルを合わせてあげると良いでしょう。

 

また、ジャンルによって説明すべき量が多くなったり、少なくなったりします。

 

SFや、純ファンタジー(=テンプレではないファンタジー)、ストーリーが複雑な作品等は、どうしたって設定が多くなりがちです。

 

これらの理由で、説明が多めに必要なストーリー重視のプロットと、説明が少なくても良いテーマ重視型のプロットの組み方では、

 

地の文に対するミメーシス割合が異なるので、プロット構成やスタンスがまるで違います。

 

それについての詳しい解説は、『地の文』の解説ページと『プロット』の扱い方を掲載している、次のページで楽しみながら、学んでいくことにしましょう!

 


 

▼ 眉毛が取れるほど面白い物語論!?

 

> 上記の記事から来たという方は、こちらから!

 

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