作家の味方

Project Creator's Ally

アウフヘーベン(aufheben)の意味と解釈とは?【超わかりやすく解説!】|例文で学ぶ止揚の簡単な意味と使い方!

アウフヘーベン(aufheben)の意味と解釈


アウフヘーベン【独:aufheben、日:止揚(しよう)】とは、二つ意見が対立した際に、そこに本当に対立関係があったのかを見直すことで、良いとこどりをした第三の選択肢がないか探ろうと試みる議論方式のことです。

 

例えば、「イタリア人は、女たらしである」という命題Pがあったとすると、そこには対となる「イタリア人は、女たらしではない」という否定命題Qが論理学的には必ず存在しています。

 

そして、Aさんが命題Pを信じていて、Bさんが命題Qを信じている場合、そこには過激な議論や争いが生まれることになります。

 

これを議論によって平和的に解決しようとするのが、アウフヘーベンという考え方です。

 

具体的には、例にあげたような争いを解決するために「イタリア人には、女たらしも、そうではない人もいる」という帰結Rを以て議論を終わらせてしまおうというわけです。

 

これは余談ですが、例に出している命題Pのことを「テーゼ(正)」、命題Qのことを「アンチテーゼ(反)」、帰結Rのことを「ジンテーゼ(合)」と呼びます。

 

▼こんなのも、アウフヘーベン!

 

『アウフヘーベン』という概念自体は、一般的に18世紀後半のドイツの哲学者「ヘーゲル」が、自身の弁証法(=後述します)の中で提唱したとされています。

 

※弁証法とは、弁論(議論)によって真実・真理へ近づいていこうという考え方のことです。

 

また、これはディベートといった「どちらが正しいのか」を舌戦や武力によって決定する手法と対立しているように語られることが多く。

 

まずは議論する人々の心を開いて(=相手の意見も極力認める)ことによって、建設的な第三の意見を獲得しようと試みようというのが、アウフヘーベンという哲学用語の本来の使われ方です。





 

※以下、この記事では「小説や物語創作における葛藤の作り方」として、アウフヘーベンの活用法をメインコンテンツと捉え

 

政治的に用いられる「アウフヘーベン」への解釈は、あくまで小難しい理論を、理解するための補助として掲載するに留めることとしておきます。

 

▼もう少し詳しく知りたいという方には、以下の動画がわかりやすくてオススメです。

 

※ただし、上記の動画は反共産主義的な解釈に偏っている傾向がみられるので、史実の解説というよりは、あくまでそういう考え方もあったんだよという程度に聞いておくと、ちょうど良いと思います。

 

釈迦に説法な気もしますが、これが唯一絶対正しいといった論法は常に疑うべきであります。

 

上記の動画のように反共産主義的な解釈も理解は示せる一方で、議論ができない相手に対しては、アウフヘーベンが通用しないのもまた然りというわけです。

 

否定するわけではありませんが、アウフヘーベンというのは万能の理論というわけではなく「テーゼ」と「アンチテーゼ」からうまく「ジンテーゼ」が生みだせないケースも存在しています。

 

例えば「1時に校舎の3階にいるべきだ」という主張と、「1時に自宅にいるべきだ」という主張を両立するためには、両者の主張に裏の意図がなければ不可能に等しいでしょう。

 

裏に「台風の警報が鳴る頃だから」というような主張に対する明確な意図があれば、両者よりも安全な台風回避策を第三の選択とすれば良いですが。

 

裏に全く意図がなく両者が主張していたり、決断までの猶予がない場合は、ジンテーゼを生み出せないという欠点も持ち合わせているのです。

 

また、日本においては、2017年に東京都知事である小池百合子氏が、希望の党設立に際して「いままでの組織は、無意味なまま解体されて台無しになるのか?」といった主旨の問いかけに対して、

 

「アウフヘーベンするのです」とった具合に、アウフヘーベンという言葉を多用していたことで認知が広まったとされています。

 

ただし、この政治上で用いられた「アウフヘーベン」という言葉には、本来の哲学用語であるアウフヘーベンの意味とは少し異なった恣意的な意味も含まれているようなので。完全に同一のものと解釈すべきかは議論が分かれるところになりそうです。

 

さて、それでは一般人からすれば無縁のようにも思える、この「アウフヘーベン」という概念ですが、難しい言葉が苦手な人であっても、日常の何気ない場面や、物語において葛藤を創作する際に、活用させることも可能です。





 

アウフヘーベンによって葛藤を解決する方法


物語に限った話ではありませんが、わたしたちは生きているだけで常に選択を迫られる局面にさらされていると言えるでしょう。物語を紡ぎ出す登場人物であっても、これは同じことです。

 

フランスの社会人類学者で有名なクロード・レヴィー=ストロースの神話理論(=南北アメリカ大陸先住民の持つ813の神話の中に類似点がないか分析した文献)の中で、述べられているように。

 

物語の内部には、ほとんどのケースにおいてなんらかの「対立構造」が存在している事例が多いということがわかっています。

 

具体例としては、「好きな人と付き合いたいから告白したい」といった感情がある一方で、「断られたら今の関係でいられなくなるかもしれないから告白したくない」といった正反対の感情も、同時に存在していることが往々にしてありうるということです。

 

こういった物語において登場人物が何かに対して葛藤している際に、建設的な解決策を提示する一つの方法論が「アウフヘーベン」と言えるでしょう。

 

つまり、告白すれば今の関係は崩れ、告白しなければ一生付き合うことはないとなった状況に陥っている場合でも。告白する・しないという択一的な問題ではなく

 

自分が告白することによって相手はどうなるのか、自分が告白しないことによって相手はどうなるのかといった、もう少し広い範囲で物事を考えてみたり、

 

本当に自分が告白した先に、やりたかったことを思い返すことで、告白にこだわらない行動するといった第三の選択肢を登場人物に選択させるのはいかがだろうか?という提言なのです。

 

具体例としては、アニメ「寄宿学校のジュリエット」という作品の第一話における犬塚の告白シーンが挙げられるでしょう。作品の中身も、かなり面白いのでオススメしておきますね(*´艸`*)

 

 

また、『地の文』で描写する一つの方法として、心理描写(理性)と心情描写(本能)を交互に描写することがあります。これによって、焦燥感を産み出せることもあるので、編集の際に活用できることもあるでしょう。





 

▼ 『小説の書き方』TOPへ 

小説の書き方・作り方 – ラノベや物語創作のコツまとめ|初心者向け基本講座

 

コメントを書き込む

*

CAPTCHA


本気で小説家を目指す方向け!



Return Top