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クライマックスの意味と語源とは?|映画シナリオ・小説に使えるクライマックスの作り方&最終回との違いまとめ!

クライマックスの意味と語源


クライマックス(英:climax)とは、物語における山場であり緊張や興奮が最も高まっている部分のことです。語源は、一般的にギリシア語の『klimax(はしごという意味)』からきているとされています。

 

また、漫画やアニメでは最終回にクライマックスを向かえる作品も多くありますが、最終回でなくとも物語の中盤で山場を向かえたとすれば、それはクライマックスとなるので、最終回との必ずイコールとなるわけではありません。

 

ちなみに、『漸層法』という文章表現技法も英訳するとclimaxとなるのですが、こちらは語調を強めながら層のように表現を繰り返すことで文章を盛り立てるという技法のことを指します。具体例がみたいという方は、こちらを参考にしてみてください。

 

また、『漸増法』という呼び方もあるようですが、こちらはあまり一般的なものではありません。あえて解釈するとすれば『漸増』、すなわち次第に量が増えていくことで文章を盛り立てる漸層法の一種と捉えることもできるでしょう。

 

念の為、辞書的な意味も補記しておくことにしたいと思います。

今日ではひろく連続的に進行する経過における最高潮や頂点をさす一般用語。原語は〈傾ける〉という動詞に由来するギリシア語klimax(〈はしご〉の意)である。ギリシア・ローマの弁論術において修辞法の一つをさした。すなわち,最初は意義の小さな事柄からしだいに大きな事柄へ,弱々しい言葉からしだいに力強い言葉へとはこんでゆく漸増法のことである。文芸用語としては,小説の物語や劇の事件がさまざまな葛藤を展開させて,ついに絶頂にいたり,あとは解決もしくは転落しかないという構成上の分岐点を意味している。
引用元:世界大百科事典 第2版

 

1 物事の緊張や精神の高揚が最高に盛り上がった状態。劇・文学作品などで、最も盛り上がったところ。最高潮。「クライマックスに達する」
2 修辞学で、漸層法 (ぜんそうほう) のこと。→アンチクライマックス
3 森林などの極相 (きょくそう) のこと。
4 「オルガスムス」に同じ。
[類語]
頂上(ちょうじょう) 頂点(ちょうてん) 絶頂(ぜっちょう) 最高潮(さいこうちょう) 山場(やまば)
[関連語]
山(やま) 峠(とうげ) ピーク
引用元:goo辞典

 

クライマックスの作り方


さて、それでは小説や映画シナリオを創作しようとした場合、どのようにクライマックスを作っていけば良さそうでしょうか?

 

1. 寄せ玉

そんな時に役に立つ技法の一つが、よせだま(寄せ玉)という技法でしょう。

 

簡単に言えば、物語に登場してきた人物たちが一同に会することで、複数のストーリーを大きな一筋の流れに集約させ盛り上げることができるという業界用語です。

 

寄せ玉をうまく活用している作品は、『ソード・アート・オンライン』を始めとして沢山あります。窮地に陥った時に援軍が来てくれた。忘れていた頃に、前作で好きだったキャラクターがまさかの登場!

 

といった展開はありきたりではありますが、何度繰り返されても読者や視聴者の心を躍らせるのには十分な破壊力を持ち合わせているものです。

 

ただし、寄せ玉も多用しすぎると本当に盛り上がりを見せたいところで「また出てきたよ」となってしまうので、注意が必要です。

 

また、こちらは小説というより漫画の構成の方によくある気がするのですが、盛り上がりをあえて作らず読者に「癒やし」や「くつろぎ」の時間を与えてくれる日常系の作品において、クライマックスやエンディングの作り方には頭を悩ませることも少なくないと思います。

 

読者は「癒やし」を求めて読んでいるのに、緊張や興奮の最高潮であるクライマックスをぶつけるなんてできるわけがないと思われても別におかしくはないでしょう。

 

しかし、このままではだらだらと締まりのない話が続いた挙げ句、エンディングに至れないということにもなりかねません。

 

そういった際にも、寄せ玉は有効に機能してくれるでしょう。

 

物語の終盤で、登場してきた人物たちそれぞれが何気なく空を見上げて、同じようなことを考えているといったエンディング・シーンをみたことはないでしょうか?

 

あれがまさに『寄せ玉』によるエンディング・クライマックスの作り方です。

 

2. 前提の破壊

もう一つ、読者の緊張や興奮を一気にあげる作用が期待できるクライマックス技法には、前提の破壊があります。

 

要するに、いままで正解だとおもっていた常識が崩れ落ちたり、前提から覆されてしまった時、人間は驚きと同時に身を守ろうと緊張を急速に高め、周囲の状況を詳しく知ろうとします。

 

こういった心理状態を逆手に取っている良い例が、『喰霊-零-』や『がっこうぐらし』でしょう。

 

主人公と思っていた登場人物が、第一話から全員死亡したり、ほんわかした生活をしていたとおもっていたら学校の外はゾンビだらけだったり。

 

こういった場面を用意しておくと、「え?嘘だろ!?」とならざるを得ません。物語冒頭からクライマックスを迎えている作品は、こういった前提を破壊するような構成になっていることも多いようです。

 

3. 対立意見のつばぜり合い

最後に、一番わかりやすいクライマックス・シーンというのは、対立している意見や敵との衝突によってもたらされるものでしょう。

 

登場人物が「うぉおおおおおお!!」とか、「うわああああああああああ!」なんて叫んでいる場面で、ふーんとなっているとすれば、おそらく読者はキャラクターに感情移入できていないのでしょう。

 

没入感のある作品において、キャラクターは読者の目となり耳となるいわば身体のようなものです。そういった物語における自分の肉体が、叫んだり泣き叫んだりしているとすれば、その感情の高まりは読者自身にまで影響を及ぼすのは語るまでもないことでしょう。

 

というわけで、今回はクライマックス・シーンの意味と作り方についてのまとめでした!ご精読ありがとうございます。

 

ちなみに、戦闘シーンと書き方については以下の記事にまとめておきましたので、困った時は参考にしてみてくださいね♪ それでは。

 

小説・ラノベの戦闘シーンの上手い書き方&例文まとめ!|バトルシーンを書くコツとは?

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