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コミックリリーフの意味を例文で解説!【コメディリリーフの書き方まとめ】

コミックリリーフ(comic relief)とは?


コミックリリーフとは、物語におけるシリアスな展開の中に滑稽な掛け合いやコメディ的な場面を取り込むことで、ストーリーをより面白くする技法の一種のことです。

 

語源的な意味は、コミック(喜劇)によるリリーフ(緊張緩和)という意味で、コメディリリーフと同じ意味を持つ言葉です。

 

有名なものでは、スター・ウォーズの「c3poとr2d2の絡み」などが、よくあげられます。

 

小説で言うと、以下のような例が挙げられます(※以下、自作「天宮結衣のQ.E.D.」より引用です)。

 

そうはいっても、知覚し得ない追っ手の恐怖に怯えてすっかり憔悴しきっていたのだと思う。でなければ、遊園地に到着した僕たちはこんな凶悪な行為に手を染めることにはならなかったはずなのだ。

僕は遊園地内にあったショップの試着室を出ると、自身の纏っていたメイド服とうさ耳へ交互に視線を流し込んでくる天宮に、こう告げられた。

「とても、似合ってますね!」

子供の夢をぶち壊す。25歳無職前科持ちの妖怪ラビットの完成だ、ぴょん……。

 

本編を読んでいない方もいらっしゃるはずなので、以下例文の補足です。※本編を読んだほうが、わかりやすいかもしれません。

 

主人公である僕「詠井 新(よめい あらた)」は、ひょんなことから病院から逃げ出してきた謎の少女「天宮 結衣(あまみや ゆい)」の家出を手助けすることになります。

 

そして、この場面は警察との逃走劇の最中、主人公がこれからどうやって逃げ延びるか。少女に今後、どう接してあげれば良いのかについて、かなり真剣に悩んでいるシーンの直後に配置されています。

 

このように、シリアスな展開の中でちょっとふざけてみたり、突飛なハプニングを起こしてあげると読者に飽きられずに読み進められる効果が望めます。それが「コミックリリーフ」と呼ばれるジョークです。

 

といってみたのは良いものの、ジョークを解説するというのはなんとも面白くないものですね(笑)

 

また、コミックリリーフがもたらす効果は「面白さ」だけではありません。例えば、悲劇の中に喜劇を入れ込むことによって、より一層悲劇を強調するような効果も期待できます。

 

そういった意味では、「ギャップ」と似たような表現技法として活用ができるのです。

 

コミックリリーフとは少し離れてしまいますが、応用系として「至福な場面」の直後に「絶望的な場面」を配置するといったプロット構成が考えられます。こうすることによって、絶望的な場面を強調することができるのです。

 

ちなみに、コメディとジョークの意味は厳密には異なります。コメディは「喜劇」のことですから小説や映画の一ジャンルのことを指すのに対し、ジョークは「冗談」のことを意味しています。





 

コミックリリーフの書き方・作り方


コミックリリーフ(ジョーク)の作り方や書き方には、多種多様な技法がありますが。最も有名なのは「キンカンの法則」と呼ばれるものです。

 

・キンカンの法則

「キンカンの法則」とは、緊張の後に緩和を創り出すことによって、笑いは作り出せるというジョークの有名な基本法則のことです。緊張のキンと、緩和のカンから「キンカンの法則」と名付けられています。

 

実は、哲学者カントや生物学者で有名なダーウィンも「迫りくる外敵が去って、緊張が緩和されたことが笑いの起源なのではないか」と、この一説に対して触れていることが知られています。

 

もし物語にコミックリリーフを取り入れたいと考えたのであれば、絶対にふざけてはいけない場面でふざけてしまうと良いでしょう。

 

例えば、嘘がバレたら逮捕されてしまうような場面なのに、登場人物の嘘の付き方が下手くそすぎて変態だと思われるといった例が挙げられるでしょう。

 

先述の通り、基本は「キンカンの法則」に基づいていれば、わりと何でも面白くなるものなのですが。非常に抽象的なので、もう少し具体的な事例に落とし込んで例をみていくことにしたいと思います。

 

例:キャラ同士の魅力的な掛け合い

小説や物語を創作していると「キャラ同士の掛け合い」が魅力的な作品群があることに気づく方も多いのではないかと思います。いわゆる、ボケとツッコミというやつですね。

 

それでは、なぜ人はキャラ同士の掛け合いに魅力を感じるのでしょうか?

 

私自身いくつか小説を書いていて気づいたことなのですが、どうやらボケやツッコミ自体に対して魅力を感じているだけではないようなんですよね。

 

そもそもボケとツッコミというのは、ある程度気を許した関係でしか成立しません。親密な関係の人たちが悪ふざけで、おちょくったりする場面には、面白みがありますが。

 

初対面でおちょくるというのは、どうにも失礼と思えてしまうものです。

 

つまり、ボケとツッコミをキャラ同士にさせるというのは、良好な人間関係を前提にして成立しているのです。

 

これをキンカンの法則で考えると、「おちょくる」というのは挑発に似たようなものなので「緊張」を創りだしています。

 

そして、普通であれば挑発に乗りますが。「良好な人間関係」があるため、平和的に解決するといった「緩和」が生み出されるわけです。

 

このようにしてコミックリリーフを用いれば「キャラクターとの良好な人間関係」を読者に擬似体験させる効果も期待できます。

 

『描写の書き方』に関する記事でも解説している通り、「描写が上手い」と言われている作品では、読者の欲望を叶えてくれる場面があらゆる形で豊富に含まれています。

 

その中でも、良好な人間関係を築きたいというのは、万人受けしやすい欲望なのです。

 

要するに、キャラクター同士の仲の良さをアピールする描写として、コミックリリーフを活用してあげられれば、キャラクターの魅力も副次的に作り出せるというわけです。

 

その他

正直、ジョークの作り方は人によって様々なので、決まった方法は無いと言えるでしょう。自分が面白いと思えば、それで良いと思います。

 

面白い描写を創り出すヒントをあえて上げるとすれば、「銀魂」や「斉木楠雄のΨ難」といったコメディ作品を引っ張り出してきて、真似するところから始めるのが良いでしょう。

 

ただし、書きたい小説や物語のジャンルがコメディ作品ではない場合は、読んだ小説で面白かった掛け合いをメモしておくと良いでしょう。

 

実際にやってみると、「真剣にやった結果のアホ面が面白かった」といった風に、コミックリリーフのパターンを把握しておくことが出来ます。

 

コミックリリーフの最大の強みは、たった数行の文で読者からリアクションを取れるという点です。どんな作品にでも、スパイスとしてかんたんに取り入れることができるので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか!

 

特に物語の冒頭に配置しておくと、読者の関心を一時的に引き止める効果が期待できます。

 

というわけで、続いては冒頭の書き出し方について触れていくことにしようとおもいます(`・ω・´)ゞ

 

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