小説を書きたいけど書けない本当の理由とは?
何度か小説を書いていると、小説や物語が書きたいけど、書けないという状態や、書いていても面白くない、なんていうスランプ状態に陥ることは、よくありますよね。
なぜでしょう?頑張ってないから、できないのでしょうか?
いえいえ、それは違いますよ!
その理由はズバリ、「視野が狭くなっている」ところによります。
とはいえ、いきなり言われても実感として良くわからないし、責められたように感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、安心してください。かくいう、私もしょっちゅう陥ります(笑)
というか、むしろ「書けるほうが、おかしい!」と思ったほうが正常な思考だと思いますよ?
毎日毎日、暇さえあれば、文字を書いているなんて、簡単なわけないじゃないですか。仮に、1日1,000文字休み無しに書いたって、単行本一冊の約10~12万文字を書き上げるのに、100~120日かかるんですよ!?
書けていたときが少しでもあったのであれば、そんな過去の自分をむしろ褒め称えてあげて欲しいというものです。
まぁ、とはいっても「書けない」のはつらいですよね。
そんなわけで、小説が書きたいけど書けない理由を冷静に紐解きながら、作家さん別にふさわしい処方箋となりそうなアクションや考え方を、ご紹介していこうと思います!
▼動画が見れる方はこちら!(`・ω・´)b
処方箋リスト
> 小説が書ける時の心理を知る
> 物語が書けない理由は、衝動がないから
> 衝動は、理想像(夢)から生まれる
> 理想が無いのは、視野が狭くなっている証拠
> 理想像だけでは、完結できない
> 最初はみんな失敗している
> Will・Can・Mustの輪の正体
> それでも、書けない時は…?
> まとめ
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実際に小説が書き始められる時の心理
実体験があったほうがわかりやすいとおもいますので、私が完結できた作品「天宮結衣のQ.E.D」を例に、完結できた作品の書き始めではどんな事を考えていたかを3つのポイントに整理してみました。
実際にスランプから抜け出した時のポイント
- 小説の書き方を学んでもらう今までにない効率の良さそうな手段として、解説専用の小説を自作して公開すれば面白いのではないか?本来、物語の作り方を伝えるのであれば、物語で語るべきだ思った(必要性)
- 以前、とある小説を書き上げることが出来なかったこともあり、非常に悔しい思いをしていた(悔しさ)
- ちょうど、西尾維新 先生の「掟上今日子シリーズ」を読破し。清々しい読後感や上手な書きぶりを見て、ああいう作品を作ってみたいなぁと思った。(衝動)
つまり、一言でまとめると
「何を作りたいのか(衝動)」と「作る目的はなにか(必要性)」があって「失敗も過去にしていた(慣れた)」のが良かったということです。まだ、難しいですよね。もっと深堀りしていくことにしましょう。
物語が書けない理由は、衝動がないから
もし、あなたが「こんな作品が書きたい!」と、とてつもなく強烈に感じていたとしたら、自然と何かしら行動に移すと思いませんでしょうか。衝動は、作品誕生の合図なんです。
とてもシンプルな話です。たまにポテチが食べたいと思ったら、「買いに行く」という行動をなかば無意識に起こすのと同じです。
「天宮結衣のQ.E.D」のケースでは、たまたま読んでいた「掟上今日子シリーズ」の読破が、最初の合図だったというわけです。では、どうすればそんな強烈な衝動を作り出せるのでしょうか?
衝動は、理想像(夢)から生まれる
衝動には、理想が不可欠です。ハンバーガーチェーン店でポテトを衝動買いするときですら、私たちはポテトを食べることで至福のひとときを過ごしている自分の姿を無意識に想像しています。それが理想像です。
私の場合、「掟上今日子シリーズ」を読んでいると、なんだか救われた気分になったり、ちょっぴり切ない雰囲気に浸ることができました。それが理想像です。あくまで作品自体ではなく、作品自体が生み出している言葉で表せない何かです。
もっと、こんな作品を読みたい!それどころか、もっと言葉にできない気持ちが長く味わえるような作品を作ってみたい!そんな衝動が巻き起こっていた。というわけです。まぁ、当時は無意識でやってたんですけどね。
こういった衝動を起こすためには、感動体験や珍しい体験をするのが手っ取り早いでしょう。西尾維新先生の文体は、合う人にはとことん合うと思うので是非みなさんにも追体験してほしいものですね!
理想が無いのは、視野が狭くなっている証拠
ところで、「理想」とはどういう意味なのかを見つめ直すと、とても面白いことに気づかされます。
以下、辞書からの引用です。
り‐そう〔‐サウ〕【理想】の意味
人が心に描き求め続ける、それ以上望むところのない完全なもの。そうあってほしいと思う最高の状態。「理想を高く掲げる」
理性によって考えうる最も完全な状態。また、実現したいと願う最善の目標あるいは状態。
引用元:goo辞典「理想」
要するに、理想とは考え得る中で最も良い状態のことというわけなのですが、この「最も」の部分に注目してほしいのです。
人間というのは、脳内にあるデータの中で最も良い状態を「理想」とするわけなのですが、それが必ずしも魅力的ではないことだってあるんですよ。
例えば、Aさんの頭の中には二つの求人情報しかないとしましょう。一つは「1日14時間労働の平均並みの給与、週休二日」、もう一つは「1日9時間労働で休み無し」とします。
Aさんが世の中に、この二つしか仕事が無いと思っていた場合。Aさんの理想は、このどちらかになるということです。でも、どちらも魅力的ではないですよね?
それでは、めちゃくちゃ希少な案件で「1日2時間労働 週休4日」の求人を見つけていたBさんからすれば、どうでしょうか?Bさんの頭で考えて、この希少な案件が3つの選択肢のなかで最も良いと思えば、Bさんにとっての理想は、この求人になるわけです。
そして、我々から見たとき、Bさんの求人は何故かとても魅力的に感じませんか?Aさんの求人も同じ理想のハズなのに。
そこで、この講座の冒頭に出てきた「視野の広さ」が足りないから、魅力的な理想像を生み出せていないという結論に至るというわけです。
インターネットで簡単に情報が手に入る世の中だからこそ、先人の教えを参考にしたいものですね。私にとっての座右の銘です。
すべてを知り尽くしたなんて、決して思わないことよ。 ユードラ・ウェルティー(米作家)
世の中には、知らないことで溢れています。
私達の住む街は、どのような歴史で何を学んできているのか?海外の娯楽には、どんなものがあるか?国語の授業は、何故眠かったのか?品川駅は、何故港区にあるのか?大切なあの人は、何を考えているのか?どうすれば、傑作が生まれるのか?
疑問に立ち向かうことで、視野は広がり、理想が魅力的になり、衝動へ、執筆へ結びついていくということです。
理想像だけでは、完結できない
さて、ここまでのことを実践して疑問を持ったとしても、もう一つだけ問題があります。
それは、「衝動は、ほんの一瞬しかもたない」という欠点です。例えば、ポテトを食べて至福の時間を過ごしている自分の姿を想像して、ポテトを食べに行くという行動を起こしたとしましょう。
でも、ハンバーガーチェーン店について、今日は営業していないことに気づいたとしたら、どうでしょうか?街中のハンバーガーチェーン店で空いている店を探しますでしょうか?
もちろん、探す人もいるでしょうけれど行動に対するハードルがかなり高いですよね。私なら気分を害して家でNetflixでも見てストレス発散するでしょう。
でも、この状況なんか既視感ないですか?これ、まさに小説が書きたいけど、書けない or 完結できない状態そのものなんですよ。
では、例を変えてみましょう。もしあなたが明日、面接で履歴書が必要だったとしましょう。そして、履歴書を切らしていたと想像してみてください。
あなたは履歴書を買いに行きますが、店があいていませんでした。履歴書を買うのを諦めますか?これも人によるでしょうが、本当にその会社に就職したいとすれば、なんとか探しますよね?
つまり、「衝動」で行動を起こした後「必要性」によって、行動を諦めないようにする必要があるんです。
私の場合、「天宮結衣のQ.E.D」をどうしても書く必要がありました。なぜなら、小説の書き方を教科書で学ぶのではなく、体験談として学ぶことでより良い作品が世の中に出てくれるのではないかと考えたからです。
考えてみて欲しいのです。落ち込んでいる大切な人を勇気づける方法を、あなたが小説で伝えられるとしたら?事故で両目を失った人は、アニメや映像作品は見れません。それを理由に点字小説を書いている人もいます。
「必要性」を見つけられれれば、ハードルは簡単に乗り越えることができるのだと思います。
そして、その必要性を見つけるためにも「やりたいこと」を自覚するのが最短の道なのです。
「なぜ書きたいのか?自分が何をしたいのか?」を探す旅は、一人きりだと厳しいと思います。人に頼って、いろんな意見を知り視野を広げるのが大切になるでしょう。八木仁平さんの世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッドが、大変参考になります。
最初はみんな失敗している
こちらは、補足です。視野の広さも大切ですが、やはり「慣れ」というのも大事です。最初のうちは、エタってなんぼです。※エタる(エターナるの略)… 小説が完結できずに、終わることを指す俗語のこと。
もちろん、「みんな失敗しても頑張ってるんだから、頑張りなさい」なんて無責任なことはいいません。ただ、一緒に悩んでくれる仲間がいることを知っているだけで、頑張れる時というのもあるものなので書いてみました。
創作活動というのは、どこまで楽しそうなプロだったとしても様々な精神との戦いを繰り広げていくものです。
私にとっては、冒頭の(2. 以前、とある小説を書き上げることが出来なかったこともあり、非常に悔しい思いをしていた(悔しさ))に当たる部分です。
でも、やり直すより、新しく始める方が100倍早いです。諦める勇気も時には必要です。継続しなくてもいいんです。それでも、いつか断続しようという意思は大事に大事に守ってあげましょう!
メジャーリーガーや、宇宙飛行士、身近な成功者たちだって、沢山失敗しています。エタッていいので「書きたい」と思える状態が、維持できれば十分すぎる程の満点です。
短編でもいいのでたくさん書いてみて、いまの自分のできることはなんなのか?もう一度だけ考えてみませんか?
【▼あわせて読みたい!】
Will・Can・Mustの輪の正体
さて、少し話が変わりますが、転職のときに使うツールの一つに、Will・Can・Mustの輪というものがあります。
自己分析の「Will,Can,Must」ってどんな考え方?
自己分析の基礎をおこなったら、次は「Will,Can,Must」に当てはめていこう。「Will,Can,Must」は、「やりたいこと・できること・すべきこと」からキャリアを考えるフレームワーク。3つが重なった部分が、自分の“生きがい”となり、理想となるものだ。
実はこれ、Will=「衝動・好きなこと」、Must=「小説を書き上げる必要性」、Can=「慣れ」と考えると、似てませんか?
ここまでを、小説家の専門学校アミューズメントメディア総合学院も「自己分析」と呼んで推奨しているのではないでしょうか?
※以下、引用です。あくまで、これは個人の偏見の塊のような考察です。
自己分析
小説は自分の考えが反映されます。執筆を始める前に自己分析をしてみましょう。
経歴・影響を与えた出来事・影響を与えた作品を知る
自分の経歴・人生の中で記憶に残っている出来事・自分に影響を与えた小説や映画などを書き出してみましょう。
経歴などは経験した仕事内容まで詳しく書くと、意外に面白い経験をしていたことがわかってきます。
また記憶に残っている出来事や影響を受けた作品を考えると、自分がどのようなことに反応する人間なのかも理解できるようになってきます。引用元:アミューズメントメディア総合学院
それでも、書けない時は…?
それでも、どうやったって書けないこともありますよね。
そういう時は、潔く休んじゃいましょう!(笑)
ここまでのことをすべて実践してもダメなら、むしろ無理して続ける方が身体を壊す原因になって良くないです。とはいえ、「何かやらないと…」と思う方もいらっしゃるでしょう。
そんな方には、一見すると小説とは関係なさそうだけれど、一時的に執筆意欲が取り戻せるかもしれない
▼『最良のアクション』を以下の記事で紹介しておきましたので、参考にしてみてくださいね♪
まとめ
まとめです。だらだらと書いてきましたが、この記事でお伝えしたかったことを一言にまとめると、小説を書き出すには「衝動」が、小説を書き終えるには「必要性」と「慣れ」が必須ということです。
どれかが欠けた瞬間、小説が形になることはないでしょう。※ただし、金稼ぎは一見「必要性」のように思いますが容易な代替手段があるのでオススメしません。
せっかく、書くのですから「この本が完成したら、きっと自分も読者も幸せになれる!」と思えるような素敵な作品にできたら、なかなか面白いと思いますよ♪
さて、次いきましょう、次!
続いては、みなさんが小説を書きたい衝動に駆られる具体的な方法について、ご説明していこうと思います。
というわけで、大量のアイデア・創作ネタ・発想とのエンカウントが多発する大海原へ出港です!
▼ 発想力でプロを目指すなら、この一冊で決まりですね!(※ガチ勢用です)
以下、『アイデア大全』の目次です。
01 バグリスト/02 フォーカシング/03 TAEのマイセンテンスシート/
04 エジソン・ノート/05 ノンストップ・ライティング /06 ランダム刺激/
07 エクスカーション/08 セレンディピティ・カード/09 フィンケの曖昧な部品/
10 ケプナー・トリゴーの状況把握/11 空間と時間のグリッド/12 事例-コード・マトリクス/
13 P.K.ディックの質問/14 なぜなぜ分析/15 キプリング・メソッド/
16 コンセプト・ファン/17 ケプナー・トリゴーの問題分析/18 仮定破壊/
19 問題逆転/20 ルビッチならどうする?/21 ディズニーの3つの部屋/
22 ヴァーチャル賢人会議/23 オズボーン・チェックリスト/24 関係アルゴリズム/
25 デペイズマン/26 さくらんぼ分割法/27 属性列挙法/
28 形態分析法/29 モールスのライバル学習/30 弁証法的発想法/
31 対立解消図(蒸発する雲)/32 バイオニクス法/33 ゴードンの4つの類比(アナロジー)/
34 等価変換法/35 NM法T型/36 源内の呪術的コピーライティング/
37 カイヨワの〈対角線の科学〉/38 シソーラス・パラフレーズ/39 タルムードの弁証法/
40 赤毛の猟犬/41 ポアンカレのインキュベーション/42 夢見
引用元:アイデア大全
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