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比喩的表現とは?|比喩の種類と使い方をわかりやすく解説!

比喩的表現とは?|比喩の種類と使い方をわかりやすく解説!

 

比喩的表現とは?

 

比喩(ひゆ)』とは、何かを表現する際に他の物に例えて説明する(または描写する)技法のことを指します。英語では、メタファーと呼ばれています。

 

例えば「鬼のような顔」という文があったとすれば、「あ~、怒ってるんだろうな~」という想像がつきます。

 

この「鬼のような~」と例える表現のことを比喩(ひゆ)と呼びます。

 

また、同じく「鬼のような~」という言葉を「怒っている」という言葉の『比喩表現』といいます。

 

文章をわかりやすく・面白おかしくする方法はたくさんありますが、最も代表的で使いやすいものが『比喩表現』です。

 

そして、意外と知られていませんが『比喩』には種類があります。

 

いっぺんに紹介しても混乱するだけだと思うので、種類別の具体的な活用例や長所・短所を一つずつ詳しく見ていこうと思います。

 

もし、次のことだけを部分的に知りたいという方は、以下からジャンプしてください。

・直喩と隠喩の違いについて

・比喩の種類の見分け方

 

直喩(ちょくゆ)

 

直喩は「~のような」という表現を伴って、例えであることを読者に明らかにしている比喩の一種です。

 

比喩の中でも、最もシンプルな表現技法が『直喩』になります。以下、例文です。

 

< 直喩有りと直喩無しの比較 >

  • 比喩なしの例:少年の眼は、見開いた。
  • 比喩ありの例:少年の眼は、ふくろうのように見開いた。

 

例文では、少年の眼が見開いている様子を「ふくろうの眼」に例えています。そうすることで、読者の記憶にあるふくろうの眼に関する映像を呼び覚ますことができるのです。

 

直喩は、映像的な表現で想像しやすくわかりやすい文章にしてくれます。面白おかしく例えたり、美麗な例えに用いることで、文章とは思えない表現力を引き出すことができるでしょう。

 

隠喩(いんゆ)

 

隠喩とは、「~のような」という表現を伴わずに強く言い切る形で例える技法です。これは具体例を見たほうが、わかりやすいでしょう。

 

< 直喩と隠喩の比較 >

  • 直喩:見渡す限りの花たちも、私たちを祝福しているようだ。
  • 隠喩:見渡す限りの花たちも、私たちを祝福している。

 

他にも隠喩表現の例としては「書類の山」や「光のカーテン」、「心のカメラにしまった」といった例文があげられます。

 

いずれにしても言い切る形を取るため、直喩に比べると強い表現になるのが特徴です。

 

直喩と隠喩の違い

 

正直、直喩と隠喩の違いは「~のような」や「~のようだ」という表現が使われているか否かに過ぎません。漢字が読みにくいこともあってか、一見すると難しく思えますがシンプルに考えて良いでしょう。

 

また、直喩と隠喩にはそれぞれの強みと弱みがあります。

 

例えば、直喩を多用しすぎると「~のようだ」を連続することになるので、文章としてワンパターンかつ回りくどくなってしまう可能性があります。

 

さらに、あくまで比喩であることを主張する「~のようだ」の部分が残っているため、言い切りたい時には直喩は不向きです。言い切ったほうがいいケースでは、隠喩表現を用いたほうが良いでしょう。

 

< 言い切りたい時は隠喩を使う >

  • 直喩:涙は心の汗のようだ。
  • 隠喩:涙は心の汗だ。

 

それでは隠喩だと良い事ばかりかというと、そういうわけでもありません。隠喩を用いることで、文自体の意味が伝わりにくくなってしまうことや、事実と誤解させてしまうケースなども存在しています。

 

わかりやすい例を以下で見ていくことにしましょう。

 

<意味が伝わりにくくなるケースに注意>

  • 平文:彼は心が弱かった。
  • 隠喩:彼は豆腐だった。

<事実が変わってしまうケースに注意>

  • 直喩:彼女は、まるで猫のようだ。
  • 隠喩:彼女は猫だ。

 

また、文章が自己陶酔っぽくなってしまう(作者以外が読むと、感情移入できない)ひとつの原因として、比喩の失敗があげられます。

 

比喩の失敗とは、読者に比喩の意図が伝わらず、何を例えたいのか理解に苦しむという状況です。

 

理解が出来ないのですから、読者は感情移入できなくて当然です。特に、感情移入すべき所で比喩の失敗を発揮されると、自己陶酔っぽいと思われがちなようです。クライマックスでは、特に注意しておきたい技法ですね!

 

換喩(かんゆ)

 

続いて、あまり馴染みないかもしれませんが『換喩(かんゆ)』というものも存在しています。

 

換喩とは、物事の特徴を捉えて、その特徴とすり換えて表現することです。これも具体例を見たほうが分りやすいですね。

 

< 換喩の具体例 >

  • 平文:西洋の人々
  • 換喩:青い眼をした人たち

 

他にも、「永田町」で政治家を表現したり。「白バイ」で警察を表現するといった例があるようです。

 

『換喩』は、直喩や隠喩といった事実をわかりやすく加工したり飾り付けるものではなく、わかっていることを「言い換える」ものだと思っておけば分かりやすいかと思います。

 

換喩は、シンプルに『政治家』と連呼するよりも『永田町』や『霞ヶ関』といった地名で代替することで語彙力に富んだ文章に演出することができる点が、最大のメリットなのではないでしょうか。

 

提喩(ていゆ)

 

提喩(ていゆ)とは、お互いに包含関係にある二つのものを使って「全で一を」または「一で全を」表現する方法です。

 

このままだと、かなり分かりにくいので具体例をあげることにしましょう。

 

1.「全」で「一」を表現する技法

 

頬を熱いものが伝う」という表現の中にある、「熱いもの」は「涙」の提喩表現と考えて良いでしょう。

 

「熱いもの」というだけであれば様々なものが挙げられますよね。友情や愛情、湯たんぽなんかも「熱いもの」で表現されることがあります。

 

こういった、全(=熱いもの)で特定の一(=涙)を表す表現技法が提喩と呼ばれています。

 

提喩自体の概念は少々難しいですが、小説で比喩表現を取り入れてみようと考えた時には比喩したいものを含む物や含まれるものを連想するだけでよいので比較的楽です。

 

以下のように、同一単語の連呼を避ける場合に有効になるでしょう(語彙力はここで付く!)

 

例:文中に鶏という文字が沢山でてくる場合。

鶏は何に含まれるか?⇒ 鳥類、動物、家畜、日本鶏(日本の品種)

平文:その鶏は、私をじっと見つめてきた。

提喩:その家畜は、私をじっと見つめてきた。

 

2.「一」で「全」を表現する技法

 

もちろん、先程とは逆に「一」で「全」を表す提喩も存在しています。

 

「花より団子」という言葉に用いられる「団子」という言葉は、まさに「食べ物」の提喩表現と捉えることができます。

 

ご存知だと思いますが「花より団子」は、「風流な物(花見など)よりも、団子(おいしいもの)を食べたほうが至福だ」という状態を意味しています。

 

団子は食べ物の中の一つ(=「一」)に過ぎませんが、「花より団子」という文では食べ物(=「全」)を表しているのです。

 

こちらについても前節で述べたように、文章の語彙を豊富にしてくれる効果を期待できそうですね。

 

3.換称(かんしょう)|英名:antonomasia(アントノメイジア)

 

こちらは補足です。提喩の派生形として『換称(かんしょう)』と呼ばれるものもあります。

 

『換称』とは、呼び名(=名称)を換えるという表現技法です。あだ名と思っておけば、最もわかりやすいですね。一応、具体例も見ていくことにしましょう。

 

例えば、近頃スルガ銀行での不正融資事件が起こったニュースが報道されていたと思うのですが、同じような不正融資で取り締まられそうになっていた西武信用金庫という銀行は『第二のスルガ銀行か!?』と取りだたされていた記憶があります。

 

この『第二のスルガ銀行』は、『西武信用金庫』の換称表現といえるでしょう。

 

他にも、「平成のライダー」や哲学本などの中で何度も著者の名前を連呼するのを避け「この哲学者」などと表記する場合なんかも『換称表現』と言えるでしょう。

 

転喩(てんゆ)

 

転喩(てんゆ)とは、ある事柄を表現したい時に先行する出来事や後続する出来事をもって表現する技法のことです。

 

こちらも具体例をみたほうが簡単です。

 

例えば、『私は彼の通夜へ行った』という表現があったとしましょう。お通夜があったということは、彼は既に没後のはずですよね。

 

このように、『彼の通夜へ行った』という事実(=後続する出来事)を持って『彼が死んだ』(=先行する出来事)ということを表現する方法を転喩と呼びます。

 

小説を書いていると、詳細に描写したくない場面はありませんか?戦争を題材とした作品で、人がどのように死んでいくかを克明に表現するのは、作者によっては避けたいかもしれません。

 

アダルトな内容を歌詞や大衆文学として出す場合、あまりに描写が生々しすぎると規約違反となってしまう場合があります。そういったときに『少年少女は朝を迎えた』といった表現でぼかすことがありますよね。こういった表現も『転喩』の一種となります。

 

諷喩(ふうゆ)

 

諷喩(ふうゆ)とは、ひとつの比喩表現から連鎖的に比喩表現を行う表現技法のことです。

 

こちらは、ここまでの比喩表現とは少し異なっており一種の応用技のようなものになります。毎度ながら、具体例をみていくことにしましょうか。

 

「朱に交われば赤くなる」という言葉があります。意味は「人は交わる友によって感化される」という意味なのですが、これを具体例としたいと思います。

 

まず、出だしにある「朱(=朱色の墨汁のこと)」は「感化したり、影響を及ぼすもの」を表現しています。

 

ここでおさらいですが、「朱」と「感化するもの」は似ているわけではないですよね。つまり、直喩でも隠喩でもありません。

 

続いて、「朱」と「感化するもの」には前後関係もありませんから『転喩』でもなさそうです。

 

となると、「朱」とは「感化するもの」を指し示す『提喩(または換喩)』と考えることができます。

 

念押しですが、提喩は包含関係により例える方法です。「感化するもの」の一つとして「朱墨」を連想したとすれば、それは『提喩』と呼べるでしょう。また、連想して例えるのが『換喩』なので、『換喩』と解釈しても間違いではありません。

 

そして、大切なのはここからです。この提喩を発端として「感化されること」を「赤くなる」と連鎖的に比喩しています。

 

つまり「朱に交われば赤くなる」という文には、2つの比喩表現が連鎖的に発生しているのです。

①「感化するもの」を「朱」と比喩←提喩(換喩)

②「感化された状態」を「赤くなる」と比喩←諷喩

 

 

この応用技のことを、諷喩と呼びます。

 

諷喩はうまく使うとライバルに圧倒的なレベル差をつけることができますが、扱いが難しい諸刃の剣です。初心者は、むしろ使うのを避けた方がいいとすら思います。

 

というのも、例えばあなたが読んでいる小説の中で「朱に交われば赤くなる」と、いきなり言われたとしてついていけるでしょうか?

 

もちろん「朱に交われば赤くなる」という言葉自体は有名な慣用句なのでわかるかもしれませんが、これのオリジナル版を読んで、どのような意味なのかを一瞬で想像できる方は実際そんなに多くありません。

 

というわけで、『諷喩』については読者が置いてきぼりになっていないか確認するための知識くらいに押さえておくことをおすすめします。

 

奇想(きそう)

 

奇想とは、他の比喩表現とは異なり全く関連性の無いもの同士を結びつけて表現する技法のことです。

 

これまでご紹介した比喩表現では、「例えられるもの」と「例えるもの」との間に、前後関係なのか、包含関係なのかといった違いはあっても何かしらの関連性はありました。

 

しかし、それが全く無いパターンが奇想と呼ばれます。こちらも簡単な具体例をみせたいところなのですが、例があまりないので少し分かりにくくなりますがご了承ください。

 

今回とりあげる奇想の具体例は、ジョン・ダンというイギリスの詩人の歌詞になります。

 

ジョン・ダンが著した詩に『蚤(のみ)』というタイトルの詩があります。その詩の中では、ある男と女の血を吸った蚤(のみ)が登場してくるのですが、彼はその蚤のことを教会と呼んでいます。

 

これはどういうことかというと、彼は男女の血が蚤の体内で交わることで男女の交わりを想像しました。それを結婚式と結びつけることで、『蚤(のみ)』を『教会』と比喩しています。

 

官能系の詩を書いている詩人のお話しなので、少し癖が強いですね(笑)しかし、これは少し面白いと思うんです。

 

奇想は、一般的に全くの無関係のもの同士を結びつける比喩表現とされているのですが案外と違うのではないでしょうか。

 

というのも、奇想は単に多段階の比喩表現と捉えることが出来ると思うんですよね。

 

今回の例も、以下のように捉えられそうだからです。

 

① 蚤(の状態)

換喩⇒ ② 男女の血が体内で交わった状態

転喩⇒ ② 婚姻があった男女ゆかりの地

提喩⇒ ③ 教会

 

昔の歌詞なんぞ、あまり興味はないという方もいらっしゃるかもしれませんが一応ネットの海から消える前に歌詞も以下に保管しておきますね。

 

蚤 The Flea:ジョン・ダン

この蚤を見てごらん こいつにとっては
君が僕を拒絶したことなど 何の意味もないのだ
こいつはまず僕の血を吸い ついで君の血を吸った
こいつの中で僕らの血は混ざり合ったのだ
わかるだろうこれは 別に罪でもなく
恥でもなく 貞操が失われたわけでもない
こいつは求愛もしないうちからお楽しみ
僕ら二人の血を吸って丸々と太っている
僕らができないことをまんまとしでかして!

助けておやりよ 蚤には三つの命があるのだから
蚤のおかげで僕らは結びついたんじゃないか
こいつは君でもあるし 僕でもある
こいつは僕らの新床でかつ 教会だ
親たちがなんと言おうと 君が嫌がろうと
こいつの黒い体の中で僕らは結ばれたんだ
こいつを殺すのは僕を殺すこと
また君自身を殺すことでもある
こいつを殺せば三つの罪を犯すのだよ

ああなんということだ 君はもう
こいつの血で爪を赤く染めてしまったのか
この蚤に何の罪があるというのだ
君の血をちょっぴり吸っただけではないか
なのに君は誇らしげに笑っていう
私もあなたも大したことはなかったのよと
そうかもね でもそれなら恐れることはない
君が僕に身を任せても こいつが君から
奪った命ほど 名誉が損なわれることもないのだから

引用元:https://poetry.hix05.com/Donne/donne01.flea.html

 

奇想も諷喩と同様で、うまく説明することが出来れば有用ですがライトノベルやweb小説の読者層を考えると、手に余る代物のように思えます。

 

まとめ

 

せっかくなので、最後にまとめておきましょうか。

 

まず、比喩には以下のような種類がありました。

  • 直喩(ちょくゆ)|英名:simile
  • 隠喩(いんゆ) |英名:metaphor
  • 換喩(かんゆ) |英名:metonymy
  • 提喩(ていゆ) |英名:synecdoche
  • 転喩(てんゆ) |英名:metalepsis
  • 諷喩(ふうゆ) |英名:allegory
  • 奇想(きそう) |英名:conceit

 

そして、それぞれの解説をまとめると以下のようになります。

  • 『直喩』と『隠喩』は、似たもの同士を関連付けて例える比喩表現です。
  • 『換喩』は、連想ゲームで例える比喩表現です。似ているものである必要はありません。
  • 『提喩』は、「含むもの」または「含めるもの」で例える『換喩』の一種です。
  • 『転喩』は、前後の出来事で例える比喩表現です。
  • 『諷喩』は、ここまでの比喩表現の合わせ技です。
  • 『奇想』は多段階の比喩表現と考えれば整理が付くかと思います。

 

また、誤解しないで欲しいのですが、これらを暗唱できるように覚えたとしても役に立たつことはないでしょう。

 

この記事の最大の目的は、みなさんが「自分はこの表現技法を使いたい!」と思える好みの表現技法を見つけ出すことにあります。

 

文章表現力を向上させる最短の道は、自分の好みの表現技法を見つけることだからです。それについては、前のページで解説しているので、読んでいないという方は読んでみるといいかもしれません。

 

そして次のページでは、名前はあまり知られていないけれど、意図的に使えると文章のレベルを引き上げてくれるレトリック(修辞法)たちをご紹介していこうと思います。

 

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