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小説という媒体の持つ強み|初心者のための小説の書き方Lecture.9

 

小説という媒体の持つ強み

 

面白い物語を思いついたら、小説や漫画といった形に残して人に共有できる状態にしておきたいものですよね。

 

しかし、絵が描ける方なんかだと自分の作品を表現するのには「小説」と「漫画」どちらの方が向いているんだろう?と迷う方も多いのではないでしょうか。

 

また、小説で書いているのに小説の強みを一切使わずに「これ漫画で描いた方がよくね?」と読者に思われている作品も少なくありません。

 

せっかく手に汗滲む努力をして作った作品なのですから、媒体選びで残念な思いはしたくないですよね。

 

というわけで、今回は「漫画」と「小説」それぞれが持っているメリットの違いを正確に把握できるように調査して参りました!まずは、小説からメリットをみていきましょう!

 

「小説」が持つ強みやメリット

 

小説という表現媒体が持つ強みには、以下のようなものがあるでしょう。

 

1.視覚的に表現できない幅広いものを表現できる

 

視覚的な表現がメインとなる「漫画」と比較して、「小説」では嗅覚や触覚に関する記述、抽象的な概念などの視覚的に描くのが困難なものまで表現できます。

 

2.読者の好きなように解釈させることができる

 

これは考え方にもよると思うのですが、絵などの見える形にしてしまうことで妙に残念になってしまうケースというのも存在しています。

 

「絶世の美女」と文字で描けば、誰もが「絶世の美女」を思い描くことが出来ますが、絵であれば「絶世の美女か?」というキャラクターも出てくることでしょう。

 

また、漫画作品にはグロテスクな描写が目立ちます。こういった描写を敢てあまり見ずに流し読みすることも「小説」のメリットなのではないでしょうか。

 

3.没入感を高くすることが出来る

 

例えば、主人公と読者のシンクロ率(=共感度合いのこと)を向上させる技法として『同一化技法』と呼ばれるものがあります。

 

『同一化技法』とは、主人公の視界を描くことで読者が主人公と同じ視界をみることができるためシンクロ率がUPしやすくなるという技法のことです。

 

これを漫画作品で没入感を表現しようとすると、どうしても肩越しの視点が限界となってしまいます。(主人公の後姿から描かれる構図のこと)

 

それに対して、小説ではそっくりそのままキャラクターの視界を共有することができるため、強力な没入感を再現することが可能になります。

 

もう一つの具体例として、偏った物の見方を再現できるというものもあります。

 

目の前にただの『みかん』があるとしましょう。漫画であれば『みかん』を普通に描くことしかできないでしょう。

 

しかし、小説においては主人公の主観を交えた視界を通すことで、例えば『嫌いな人が触った汚らわしいみかん』といった風に表現すること可能です。

 

4.修辞法といった演出技法を身につけやすい

 

漫画では、絵による表現となるため演出技法よりも構図や絵のクオリティに目が行きがちになります。

 

もし、絵のクオリティや構図を強みとしたいのであれば「漫画」でなければ表現できませんが、「小説」においては漫画でも使える様々な表現技法の基礎を学ぶことが出来ます。

 

文章を表現する際には、修辞法(レトリック)と呼ばれる数々の表現技法を意識的にも無意識にも使うことになるのですが、それらが持つ演出技術は映像作品にも応用が利くほど有効です。

 

修辞法は創作における基礎なので押さえておくと中々勉強になると思います。

 

≫小説の演出技法録 ~レトリック入門講座~

 

5.叙述トリックといった特殊な手法が使える

 

叙述トリックとは、読者の先入観などを敢て利用し騙すことで真相がわかった瞬間の驚きを演出する技法のことです。

 

例えば、双子の犯人が一人を演じることで犯行を行っていた場合などがあげられるでしょう。双子と言うからには、全く同じ容姿というわけではなく違いが無ければ真相を解明する際に説明のしようもありません。

 

しかし、全く同じ容姿ではないとすると漫画においては絵で、すぐに真相がばれてしまうというケースがあるのです。

 

こういった読者をミスリードする演出を行う場合は、「小説」の方が向いていると言えるのではないでしょうか。

 

6.絵が描けなくても形にすることはできる

 

見落としがちですが、割と重要です。ぶっちゃけ、絵が苦手な人からすれば漫画を描くという選択肢がありません。

 

もし、あなたが物語を作るのが得意で絵が大の苦手だとすれば小説に逃げるのも戦略的撤退と呼べるのではないでしょうか。

 

「漫画」が持つ強みやメリット

 

1.圧倒的に読みやすい

 

何度もいいますが、読者からすればやはり圧倒的に読みやすいです。特に自分の時間があまり取れない社会人などにとっては、サクッと読めるのでありがたいことでしょう。

 

2.海外輸出しやすい

 

小説を翻訳しようとすると、かなり大変ですが漫画であれば絵が主体なため小説と比べればかなりマシです。

 

ビジネスとしてみると、取っ付きやすいですし海外発信しやすいため小説に比べると裾野が広く儲けやすいのではないでしょうか。

 

さて、いかがでしたでしょうか? そもそも漫画と小説は別物なので比較すること自体ナンセンスなのですが、一般的に「漫画の人気」>「小説の人気」と言われています。

 

しかし、上に記載しているメリットをかんがみるに「漫画」は大衆向け、「小説」はコアなファン向けのような立ち位置なのかもしれませんね。

 

どちらを選んだとしても、めげずに強みを最大限活かしていけることを期待しています!それでは、また遊びに来てくれると嬉しいです。ご精読ありがとうございました!

≫ Lecture.10 価値のあるコンテンツとは?
≪ Lecture.8 語彙力を付ける訓練方法

 

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