書評とレビューの違いとは?
書評とレビューの違いは、書かれた目的がおもに「書籍の紹介(=書評)」なのか、「製品の見直し(=レビュー)」なのかという点です。
もともと書評(英語:Book Review)とは、書籍の内容を紹介した上で、その内容について時代背景や作者像、読者が抱いた感想など、コンテンツの外にある要素も絡めるようにして論じられた文章のことを言います。
一方で、レビュー(英語:Review)とは語源的には「再び(re-)よく見る(view)」という意味であり、日本語にすると「再考」や「製品の見直し」といったニュアンスの言葉に相当するでしょう。
したがって、書評は「書籍を紹介して欲しい(積極的な)人」が読み。レビューは「商品の改善点や品質を確認したい(保守的な)人」に読まれるため。読者ターゲットは似て非なるものとなります。
とはいえ、同じ文章でも読み手の態度や読み取り方によって、書評になったりレビューになったりすることもあるので、日常生活で用いる分には同じものという解釈でも問題ないでしょう。
書評のことをブックレビューとも言いますし、重箱の隅をつつきすぎるとわけがわからなくなってしまいます。
ですから、書評は「作品の感動を共有し紹介するために書くもの」、レビューは「添削をするようにいち消費者として評価を下すもの」と捉えるのがベターでしょう。
読書感想文と書評の違いとは?
また、こちらも紛らわしいのですが「読書感想文」と「書評」も、本来は別物なので注意しておきましょう。その違いは、主観的な意見か、客観的な紹介かといった点です。
読書感想文であれば、読者の感想を書くものであるため主観的な内容だけでまったく問題なく。基本的には、ただ読んで思ったことを書けば大丈夫でしょう。
ただ、書評である場合には目的が「書籍の紹介」でしたから。書評を読んで、自分以外の人が「これは自分をターゲットとした書籍かどうか」ということを、だれが読んでも理解できるようになっていたほうが望ましいでしょう。
したがって、書評では主観的な意見に加え、客観的かつ多角的な視点から書籍の評価をしようと試みることになります。
語弊を恐れない言い方でまとめるとすれば、「感想は主観的、書評は客観的に共感されるものである」という解釈で問題ないでしょう。
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