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書評の書き方と楽しみ方とは?|物語やビジネス書の良さを伝える極意について

書評の書き方と楽しみ方とは?


みなさん、こんにちは。

創作支援メディア『作家の味方』の管理人らぴ(@kazakiribana2)と申します。

 

書評(英語:Book Review)とは、一般的には「読んだ書籍の内容を、まだ読んでいない人へ紹介すること」とされていますレビューや感想文との違いについては、以下の記事をご参照ください。

 

書評とレビューの違いとは?|読書感想文と書評の違いがよく分かる!

 

書評の楽しい書き方とは?


先述の通り、書評の目的は「読んだ書籍の内容を、まだ読んでいない人へ紹介すること」ですから、最低でも本の内容がわかるようになっていることが前提条件となるでしょう。

 

逆をいえば、読んだ書籍の内容が理解できるのであれば、書評としては成り立つのです。書評を書くこと自体は、そこまで難しいことではありません。内容を説明するだけでいいのです。

 

とはいえ、書き手がつまらなそうに取り組んだ書評は、読んでいてもつまらなくなりがちでしょう。

 

せっかく書くのであれば、書き手が書いていて楽しい、それでいて読者の役にも立つような「読まれる書評の書き方」を学んで行くことにしましょう!

 

書評する楽しさとは?


そもそも書評を書く楽しさとは、どんなところにあるのでしょうか。楽しみ方は人それぞれでしょうけれど。王道的な楽しみ方の一つとしては「深い考察ができる」という点が、挙げられるのではないかと思います。

 

たとえば、つい先日『現代商業学』という有斐閣アルマから刊行されている書籍を読んでいたのですが、「商業者は、なぜ存在するのか?」という問いについて深く突っ込んだ話が展開されていました。

 

その疑問の解答としては、「消費者と生産者が直接やり取りをすると両者の負担が増すので、仲介役として品揃えを確保する商業者がいたほうが都合が良いから」というものでした。

 

こういった商業の成り立ちについて知っておくことは、異世界に転生して商売人を目指すファンタジー小説のようなものを書こうとする際には役に立つでしょうし、ビジネスにも役立てられるでしょう。

 

さらに、『現代商業学』では続けて「卸売業者と小売業者の違い」、「日本では流通の多段階化がなぜ起こるのか?」、「eコマースが現代の商業に与えている影響は?」といった、普段であれば疑問にすら思わない世の中の仕組みに改めて気づかされることがあって面白いと思わされる一冊となっていました。

 

書評を書く楽しさには、このような「自分の感動を他者と分かち合う側面」や「深い気づきを得て思考を整理し、心に響く言葉に出会えるといった側面」などがあるのだと思います。

 

書評の書き手が自分でも小説やビジネス書を書く場合には、リバース・エンジニアリングとしての効能も得られることでしょう。

 

以上のことを踏まえて、書評に記入しておくと深い気づきが得られるようなテンプレートを作ってみました。ぜひ参考にしてみてください。

 

書評の書き方(テンプレート)


  • 読者ターゲット:どんな人におすすめなのか?
  • 問題:扱っている問題はなにか?(小説・ビジネス書不問)
  • 願望:読者が解消できる、叶えられる悩みや願望はなにか?
  • 対立:問題の根本的な原因はどこにあるのか?
  • 解決:対立をどうやって克服したのか?
  • 反論文献:書評している本と矛盾する意見の本があれば、補記。
  • 同意文献:書評している本と類似する意見の本があれば、補記。
  • 時代背景:(哲学書などでは)本が書かれた時代背景とのギャップを補記
  • 著者の人物像:著者はどういった目的で書籍を書いたのか?
  • 感想:あなたはどう思ったのか?
  • 良いと感じた一文:あれば説得力アップに繋がる。

 

ちなみに、解決の部分はネタバレになります。読者のためにも、小説などではぼかして記載するに留めておいたほうが良いでしょう。

 

一方、実用書といったジャンルでは、いくつかネタバレしただけで内容が完全にわかってしまうような書籍はそもそも内容が薄いため、比較的ネタバレされている傾向にあるようです。

 

ただし、著作権には著作翻案権(勝手に著作物の内容をアレンジされない権利)と呼ばれるものがありますので、著作権(著者の不利益)については配慮しつつ、侵害しないように心がけておくようにしましょう。

 

「なにが得られるのか?(どんな可能性が、読者を待ち受けているのか?)」という願望の部分にハイライトをあてて記載するのが、本来の書評としてあるべき姿なのかもしれません。

 

書評の具体例(『現代商業学』の場合)


  • 読者ターゲット:商いに興味がある人
  • 問題:現代の商業はいかにして形成されたものなのか?
  • 願望:商業における各プレイヤーの動きが今後想像できるようになりたい。
  • 対立:商業に関するアドバイスでは、感覚的な解説ばかりが多かった。
  • 解決:数式を用いてモデル化することにより、現代の状況を再現した。
  • 反論文献:特になし。
  • 同意文献:特になし。
  • 時代背景:2012年発行のため、新型感染症の影響などは加味されていない。
  • 著者の人物像:高嶋克義氏。神戸大学大学院経営学研究科教授。そのほか詳細不明。
  • 感想:読みやすい印象を受けた。考えたこともない疑問について考えることができた。
  • 良いと感じた一文:商業者の役割とはなにか。例えば、消費者が夕食の食材を買い揃えるとき、肉や魚、野菜、調味料などの多様な商品を必要とする。もし商業者が存在しないのであれば、消費者は個々の生産者からこれらの材料を購入しなければならない。

 

書評の例文


今回は、有斐閣アルマから刊行されている高嶋克義著の『現代商業学』についての書評をしていくことにしたいと思います。

 

この『現代商業学』という書籍では、「現代の商業はいかにして形成されたものなのか?」といった問題について、感覚的な解説ではなく数式を用いた論理的な考察が与えられていました。

 

初心者の方でも、読みやすく。商いに興味があって「商業における各プレイヤーの動きが今後想像できるようになりたい」という方には、おすすめの一冊だと思います。

 

刊行された2012年から9年ほどの時が経過し、新型感染症が蔓延している昨今において。あらためて、実店舗の存在意義は問い直され、業界全体がどのような影響を受けているのか考える必要に迫られる局面もあるでしょう。

 

そういった際に、eコマースと実店舗の強みと弱みを比較しながら、次に必要な措置を講じていくのに大変参考になってくれる一冊だと思いました。

 

商人の動向に興味がある方は、ぜひ手にとってみてはいかがでしょうか(`・ω・´)ゞ

 

 

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