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【名著】まるでアニメに登場してきてそうなキャラクターが作れる方法とは?【発掘したったw】

【名著】まるでアニメに登場してきてそうなキャラクターが作れる方法とは?【発掘したったw】


みなさん、こんにちは。創作支援メディア『作家の味方』の管理人らぴ(@kazakiribana2)です!

 

今回は、まるでアニメに登場してくるキャラクターたちのように個性豊かでリアリティに富んだ「キャラクターの作り方」について、久々に踏み込んでいくことにしたいと思います!

 

ご存知のとおり、創作論に関する書籍は巷にたくさんあるでしょう。

 

ただ、その中でも「フィルムアート社」という出版社様から出ている創作論の本は、頭一つ飛び抜けているので、迷ったときはおすすめです。

 

創作業界では既に名が知られているブレイク・スナイダー氏の著書「SAVE THE CATの法則」の和訳版も、フィルムアート社様から出されている作品だったりします。

 

そんなフィルムアート社様から、新刊「記憶に残るキャラクターの作り方 観客と読者を感情移入させる基本テクニック」が3月24日発行されていたので、個人的に役に立ったところをまとめてみました!

 

さっそく、見ていきましょう(`・ω・´)b

 

リンダ・シーガーに学ぶキャラクター創作論とは?


まず、新刊「記憶に残るキャラクターの作り方」の中で、リンダ氏は以下のように「具体的なキャラクター創作のステップ」を明示してくれていたのが印象的でした。

 

1.観察か実体験に基づき、最初のアイデアを得る
2.最初の大枠を作る
3.一貫性を生む、コアとなる特徴を特定する
4.複雑性を生む、矛盾した特徴を加える
5.感情、態度、価値観を与えて肉付けする
6.具体的でユニークなディテールを加える
(引用元:記憶に残るキャラクターの作り方 観客と読者を感情移入させる基本テクニック)

 

ただ、これだけだとちょっと想像しにくいと思いますので、ここから少し要点を掻い摘んで解説してみようと思います。

 

リンダ氏曰く、キャラクターを作るのなら大前提として「リサーチをしなさい」とのことです。綿密なリサーチがあれば、想像もしていなかったディテールがみつけられることもありますから特段おかしな主張ではないでしょう。

 

しかし、気になるのはその方法です。

 

実際、スラム街に住んでいる少年を作中に登場させるためだけに「スラム街に赴いて作者自身が生活を体験してみる」というリサーチ方法はかなり難易度が高いといえます。

 

では、どうすればいいのでしょうか?

 

リンダ氏の考え方はこうです。

 

まずは、作者自身は実体験を使うしかない。その上で、キャラクターと「周囲の環境」は相互作用をする関係にあるので、ロケーションや職業の文脈を使って実体験から想像へ繋げて創り上げていけばいい

 

というものです。

 

例えば、自分が異世界に転生して魔法薬屋の経営で生計を立てている両親の元で過ごすことになったら、みたいなことを空想するとして。

 

「自分だったらこうするだろうな」という実体験と「作品の世界観が持つ文脈」の両方を相互作用させながら、キャラクターの大枠を少しずつ形にしていくことができるということなのでしょう。

 

もちろん、このままではキャラクターがぼやけてしまいそうですので「3.一貫性を生む、コアとなる特徴を特定する」のフェーズで、一箇所をカチッと固定化してあげます。いわゆる、バックストーリー(過去のエピソード)を決めるというやつですね。

 

例えば、転生前の世界で「人に優しくしすぎて損な毎日を過ごしていた」というバックストーリーを持っていた主人公であれば、現世では「得すること」に執着しているかもしれません。

 

得することに執着しているのであれば、主人公は商売を学ぶようになるかもしれませんし。その後の主人公の動きが、自然と見えてくるような気もします。

 

そこまで来たら、今度は逆の視点も取り入れるようにします。主人公は「得すること」に執着していますが、転生前の世界では元々人に優しくしていたのですから当然そこにも何かしらの理由はあったはずでしょう。

 

その理由がぶり返されたときに、現世でも心は揺らぐはずです。キャラクターの心中には、葛藤や対立が生まれてくることになるでしょう。

 

これが人間ならではの「矛盾」といった、複雑な心境を生み出してくれる要素になるというわけですね。

 

さて、次に問題になってくるのは「キャラクターの一貫性」と「人間ならではの矛盾」が両立できないという問題ではないでしょうか。

 

リンダ氏は、ここにも解答を残してくれています。

 

それは、「ある人物や事柄に対して、キャラクターがどう思っているのか意見を述べさせればいい」というものです。

 

人間というものは、どこか自分のことになるとよくわからないことが多い生き物なのではないかと思います。それは作中のキャラクターだって同様でしょう。

 

しかし、その中で私たちは自分の価値観や大事にしているものを、如何にして見極めているのでしょうか。過去に「譲れたか、譲れなかったか」ではないでしょうか。

 

「そこまで重要ではないもの」は、妥協して他人に譲ることもあるでしょう。

 

逆に言えば、最後の最後まで命がけでも譲れなかったものが、そのキャラクターのコアとなるぶれない価値観であるということです。

 

ここまで来れば、キャラクターの性格や傾向が随分と具体的になってくるでしょう。

 

最後は、幹から枝葉を伸ばすように服装や小道具などのディテールを書き足していけば、感情移入できるキャラクターの出来上がりというわけです。

 

【まとめ】難解な人間性を紐解いていった隠れた名著の予感!


作品自体は読み応えのある長さではありますが、文章は丁寧な和訳も功を奏してとても読みやすい仕上がりになっている新刊だったのではないかと思います。

 

強いていうのであれば、既に新人賞を取った後のプロ向けといった印象でした。

 

個人的には、ぜひとも皆さんに読んでほしい一冊だと言えます

 

ただ、おそらくこの手の本は一回流し読みしただけでは「ん?当たり前のことばかり書いてない?」となってしまわれる可能性があると思うので、意外と注意したほうがいいかもしれません。

 

というのも、古典や名著といった類の書籍は、もともと本質を的確についている傾向があります。

 

つまり、ビジネス書と同じように流し読みをしていると「重要な隠された行間」を見失いがちで「当たり前じゃん?」となりがちなのです。

 

作者が本を書くほどに至った経緯を想像しながら熟読していけば、人間(キャラクター理論)の複雑さをこの本がどれだけ見事に紐解いていることがわかるでしょう。

 

しっかりと行間を読む必要があるので、プロ向けだと思いました。講義向けかもしれません。

 

その感覚さえ忘れなければ、「これは隠れた名著を見つけたかもしれないぞ!?」といった感想にたどり着くことができると思います。

 

また、他にも「バックストーリーを書くあまり、ストーリーが進まないことがある」といった執筆にありがちな悩みにも解答を与えてくれていて面白かったです。

 

答えが気になる方は、一度しっかりと読者する時間を確保したうえで、味わうように読み進めてみると良い一冊かもしれませんね!

 

それでは、今日も創作活動お疲れ様でした!また、機会があればお会いしましょう!(*´∀`*)

 

※フィルムアート社ご担当様、記事制作へのご協力どうもありがとうございました!またいつでもコラボお待ちしております(*´∀`*)

 

 

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