【感想】最近話題の『小説家になって億を稼ごう』を読んでみた。
みなさん、こんばんは。創作支援サイト『作家の味方』の管理人らぴ(@kazakiribana2)です。しばらく、出版で更新が滞っていて失礼しました!(*´σー`)
さて、2021年3月に刊行された松岡圭祐先生の著書『小説家になって億を稼ごう』の噂が、やや物議を醸しそうなタイトルネーミングもあってのことか、SNS上では持ち切りとなっていますね。
というわけで、早速読んで来ました!さすがプロ作家さんとだけあって、文章はめちゃくちゃ読みやすいです。
内容はといえば、おおよそ次の二つにまとまっているのかな~という印象でした。
1.キャラクターから物語を創る方法について
2.出版社との付き合い方について
「1.キャラクターから物語を創る方法について」の話は、ごく一般的な話なのでそこまで発見はないと思います。
『筆を折った人のための創作論』+『小説家になりたい人のための教科書』+『物語を楽しく書いて売る方法』のシリーズで既に語り尽くされている印象がしました。
一点だけ、当サイトと意見相違が発生している部分は「メモを取るな」という主張でしたね。私個人は、メモは書きまくるタイプです。
たしかに、メモを取ると妄想が固定化されてそれ以上の可能性が潰れるとか、一度書き出したものはつい大事にしてしまうので書き直したくなくなるのはあります。
著者いわく、脳内で書き直しをすることで、書き直し時間を短縮したいようです。メモなしだと大事なことを忘れてしまうという方は、折衷案として音声録音で対応するとかでも個人的には良いのかなと思いました。
ただ、書き出してからこそ妄想が捗るという私みたいなタイプもいるかと思えば、こればかりは人次第な気もします。
また、「先に物語を書き終えてから要約して、プロットを構築する」というのも、そういえばうまく書けるときはよく無意識にやっていたことに気付かされました。
やはり実績のあるプロが語るからこそ「おお!薄々そう思っていたけど、この人もそう言ってるなら間違いない!」となるところが、本書の一番のメリットかもしれません。
Amazonのレビューなんかを見ていても、どちらかと言えば本書で特筆すべきなのは「2.出版社との付き合い方について」のほうだと思います。
通常、出版社との契約を結ぶ際には「不備がないか」とか「作家に不利な記載はないか」といった間違い探しのようなことをするものです。
しかし、この本では「契約書を読み込むだけではなく事前に想定される問題があれば、それに対処できる条項を積極的に作家側が追記してもらったほうが良い」というお話が展開されていて参考になるかと思います(※内容はネタバレになるので言えませんが)。
ちなみに、KDPについても言及があります。
著者的にはAmazonは編集者を介さないのでアカウント凍結などで、一瞬で収益0になることもあり安定性に欠くので、やっぱり出版社のほう安心できていいよねみたいな感じなようですが、ここは賛否分かれるところでしょうね。
というのも、後半に出てくる契約書まわりの話を聞いていると「これ作家の仕事か?」と思いたくなるものも多く。
いやまぁ、仕方ないことなのですが、作家さんがここまで法律に詳しくならないといけないならいっそのこと訴訟大国アメリカで洗練された契約書で何も考えずに作品に精を出したほうが良いのではないかと思っています。まぁ、自己責任ですが(笑)
そういった契約書まわりを代行するような新規プロジェクトも、『作家の味方』ならではの持ち味として考えていかなければならなそうですね!
というわけで、契約まわりで作家さんが有利になるためにはどうすればいいのか?「気になる!」という方は、一度手に取っても損はしない一作になっているのではないかと思います。それでは、また!
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