さてさてお待たせいたしました!好評につき、今回で第八弾になります。ありがとうございます!

 

前回と同様に、他人の作品を読んで良いと思った点や、取り入れたい技術について特集して行こうと思います!

 

ご紹介する作品は『機械仕掛けの天使は闇夜を翔る』(作者: 夏野露草 先生)という作品です!

 

※このコーナーでは作者様から許可を頂いた上で、引用や画像の使用を行っております。

 

作品紹介

 

~あらすじ~

 

少女は鎧の化物から生まれた。整った容姿に、機械の骨組みと金属の翼を持つ兵器――【死天使】
しかし彼女は、兵器には不要なはずの“心”を宿してしまっていた。

見知らぬ部屋で目覚めた少女は、自分の名前も過去も思い出せずに戸惑う。
唐突に開く扉。足を踏み入れる男女。彼らは少女を失敗作と判断し、斬り捨てようとする。

***

心を持つが故に人に憧れる少女。しかし、偏見や差別は容赦なく牙を剝く。
傷つきながらも伸ばした手は、やがて数少ない人たちに受け入れられる。
だがそれすらも、戦乱が飲み込んでいくのだ。

人を喰らう魔獣がはびこる世界で、銃と剣が交差する。機械の少女が光を求めるダークファンタジー。

 

読んでみたのですが、冒頭から怒涛の展開を魅せてくれる重厚なストーリーと洗練された世界観が迎え入れてくれるという点で没入感の高い作品でした。

 

この数回の記事を書いていて、冒頭の文章で読者の引き込む方法がいかに多種多様であるかを思い知らされました。

 

以前ご紹介した「冒頭での強烈なインパクト」や「圧倒的な文章の読みやすさ・テンポの良さ」に加えて「重厚な世界観や設定」というのも、

 

読者に今後のワクワク感やドキドキ感を作り出し、作品の世界へ引き込む一つの武器になっているのではないでしょうか。

 

また、作品のジャンルはダークファンタジーをベースとした空想科学よりの世界観を持つ作品になっています

 

ここで少し余談ですが、まさにこういうジャンルの作品は小説を投稿する際に『ファンタジー』と『空想科学』のどちらにしよう?と悩ましいのではないでしょうか?

 

その両者には明確な線引きはないので、好きなほうを選ぶといいと思います。ただ、今私達が生活しているこの世界の未来に実現できるか否かという視点で考えると、

 

“心を持った機械”の生まれ方がモンスターを介していることから、どちらかと言えばファンタジーをベースとしているといえるでしょう。

 

参考にしたいところ

 

この節では、実際に私が読んでいて工夫されているなぁと感じたところをご紹介していきます。

 

是非、本作も読んでいただければよりいろんな工夫を実感として知ることができると思うの参考にしてみてくださいね♪

 

世界観の核となる設定

 

先述の通り、ここでは「重厚な世界観や設定」を用いて読者を引き込んでいく方法についてご紹介していきたいと思います。

 

この作品において、世界観の核となる設定は「主人公である少女が”心を宿してしまった兵器”である」ということでしょう。

 

この設定だけで、少女は果たして今後どうなるのか?幸せになるのだろうか?と「読者が気になること」を作り出しています。

 

そして、その「読者の気になること」に対して開幕から起こる怒涛の出来事が更に揺さぶりをかけて少女の不安定さを強調していました。

 

そうすることで、彼女が次どうなってしまうのか?読者に更に揺さぶりをかけて、結果的に文章や世界観へ引き込むことができていました。

 

過去台詞の回想利用

 

要するに、主人公が頭の中であれこれと考えているときに台詞の鍵括弧「」とは別に、二重鍵括弧『』を用いて過去に他の登場人物に言われた台詞をフラッシュバックさせる表現技法です。

 

回想シーンを用いることもできるのですが、回想シーンは冗長な文章を生み出したり何かと難易度の高い表現技法だったりします。

 

そういうときに、台詞にこういった工夫を取り入れることで簡易的な回想描写を可能にしてくれます。

 

回想シーンの何が難しいかというと、プロット上で回想シーンを多用すると場面転換が多くなってしまい読者が現在位置を見失って迷子になる可能性がある点です。

 

どうしても回想シーンが必要な部分が後々出てきたときに、前の節で回想シーンを使っていたりすると本当に必要なところで回想が使用しにくくなるということが発生したりするので出来るだけ避けたほうが無難でしょう。

 

例えば、よく異世界転生ものだったりすると異世界に来た瞬間になぜ主人公は動揺していないのか?という疑問が読者からよく上がってきます。

 

これらを回避する手段として、あえて異世界に来た瞬間の場面を作中でカットして回想に持ってくる方法もあるようなのでそういう本当に必要なところで活用してみるといいでしょう。

 

また、表現技法も興味深いところではありますが、どちらかというとこの作品にはきちんと推敲が行き届いてるイメージを持ちました。難しいと思わしき漢字には、きちんとルビがふってあることからもそれがうかがい知れるでしょう。

 

キャラの外見的特徴が細かい

 

容姿の描写が非常に細かく作りこまれていて、読むだけでうまく想像ができる構成になっていました。

 

容姿の描写がうまいというのは、文章力の問題ももちろんあるのでしょうがそれよりもどこまで細部までキャラクターや登場するモンスターなどを作りこんでいるかという部分にもあると思います。

 

例えば、「巨大な化物。腕だけが異様に長く、胴体は寸断されたように脚がない。蛙を彷彿ほうふつとさせる顔貌に、血色の眼光。身体を包む外皮は鎧のように硬質で、深い緑を湛えていた。腹部と思われる部分は卵を思わせるほどに丸く、内部が透けて見える。そこには発光する青色の液体が満ちていた。ごぼり、と音を立てて、大きな泡が浮き上がる。中には、青白い肌をした男の生首が浮いていた。」

 

というモンスターに対する見かけの描写があげられます。キャラクターの一部の特徴を取り上げてこんな感じ!というものではなく、

 

主人公がどんな気持ちで見ていたのか(気味の悪い・怖いといった感情)を考慮した上で、その気味の悪さを強調する修飾語または比喩表現を多用しながら

 

全体⇒細部(上半身)⇒細部(下半身)⇒細部(表情)⇒細部(他の特徴)という目線の動きと共にこと細かと描写しています。

 

これはキャラクターの像がぼやけているとできないことなので、ここがぼやけてしまうという方はキャラクターの外見をより細部まで詰めるといいかもしれませんね。

 

また、挿絵を取り入れることでより読者の想像を掻き立ててくれているところもいいと思います。使える武器は使ってなんぼです。

 

戦闘描写への工夫

 

続いて、動作描写についても戦闘シーンでは細かく描かれていました。戦闘シーンでは二つの要素を両立させることが要求されます。

 

ひとつは、文章のテンポの良さ。もうひとつは、細かい動作に対するわかりやすい描写です。

 

戦闘シーンといっても物理的なぶつかり合いで戦闘するものと精神的な世界でぶつかり合って対立する感情を戦闘させるものがあるようです。

 

この作品は、その点でいうと物理的な戦闘シーンの描き方の一つの方法を提示してくれています。

 

一番手っ取り早く戦闘描写を上達させてくれるのは、例えば避けるシーンについて他の作品では「こういう描写をしている」といった風に抜粋し複数種類のストックを確保しておくという工夫のようです。

 

作中にある「彼女は振り下ろす。肩から横腹にかけて斜めに刀身が走る。半身が断裂したのではと思えるほどの深い裂傷だった。鮮血がほとばしる。床を転がった少年は、糸が切れた人形のように動きを止めた」

 

という描写も、「剣を使用する戦闘シーンで決着をつける場面」というありきたりな場面に対しての一つの回答になっているのでこういう描写をストックしていくとこのシーンはどう書けばいいか?迷うことも減るのではないでしょうか。

 

まとめ

 

さて、今回は『世界観の核となる設定』や『台詞による回想』、『設定の作りこみ』、『戦闘描写への工夫』がうまくできている作品に出会うことが出来ました。

 

ジャンルによっては、取り入れない方がいい工夫もありますので注意していただきたいですが。みなさんもここでご紹介する作品たちを読んでみて面白い!と思うのであれば取り入れることをおすすめします。

 

というわけで、今日もみなさんお疲れ様でした♪

 

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