さてさてお待たせいたしました!好評につき、今回で第七弾になります。ありがとうございます!
前回と同様に、他人の作品を読んで良いと思った点や、取り入れたい技術について特集して行こうと思います!
ご紹介する作品は『後輩と一緒にVRMMO!〜弓使いとして精一杯楽しむわ〜』(作者: てる 先生)という作品です!
タイトルですぐにわかった方もらっしゃったかもしれませんね!今回は、SAO(ソード・アート・オンライン)を中心に流行の『VRMMO』を題材とする作品について、
なぜ流行っているのか?も踏まえて工夫されている点を一緒に探していきましょう!
※このコーナーでは作者様から許可を頂いた上で、引用や画像の使用を行っております。
作品紹介
~あらすじ~
世界初の五感完全没入型VRゲームハードであるFUTURO発売から早二年。
多くの人々の希望を受け、遂に発売された世界初のVRMMO『Never Dream Online』
一人の男子高校生である朝倉奈月は、後輩でありβ版参加勢である梨原実夜と共にNDOを始める。
主人公と後輩女子がリアルでもゲームの中でもイチャイチャしまくり!?
この作品のジャンルは、VR[SF]に分類されているようですね。テーマとしては、日常や青春、ラブコメ要素がちりばめられて描かれている作品です。
参考にしたいところ
この節では、実際に私が読んでいて工夫されているなぁと感じたところをご紹介していきます。
是非、本作も読んでいただければよりいろんな工夫を実感として知ることができると思うの参考にしてみてくださいね♪
実体験の活用
この作品への第一印象は、MMORPG(大規模多人数参加型のRPGのこと)というゲームのチュートリアルの描写がめちゃくちゃリアルだったということでした。
実は、私は宇宙を舞台にする某オンラインゲームや台湾企業の某有名MMORPGをやっていた経験があるのですが、その経験から言ってもゲームをはじめるときそのままの再体験をしたような感覚だったんですよねw
そして、この忠実な再現こそが作品にいい影響を与えてると感じました。続けて、その理由についてお話したいと思います!
そもそも、何故ゲームを多くの人は楽しいと思うでしょうか?ゲームを楽しんでいる場面にもよるかもしれませんが、キャラクターを作るとき・最初にスキルを選択したり職業を選択するときって楽しいと思う方も多いのではないでしょうか?
そのときには、無限の可能性が広がっていて何者にもなれるからなのだと思います。自分が望めば、希望のステータスが手に入る状況。これほどの自由はないでしょう。
さて、これから希望すれば希望がいますぐ叶うゲームのチュートリアルの楽しい部分を切り取って、忠実に描写し、読者を主人公に感情移入させれば何が起こるでしょうか?
読者は、その確定された気分のいい実体験を擬似的にすることになります。このように、自分が楽しかった体験やもう少しこうなればすごく楽しいだろうな!という想像を忠実に描写することは、感情移入と組み合わせた時に真価を発揮します。
というのも、この作品の主人公についての容姿の説明や描写は非常に少ないのです。主人公に感情移入させたい場合、主人公の容姿に触れる場面はそこまで必要な描写ではないので、敢て省くことが功を奏しているように思えます。
また、このようにVRMMOを題材とする作品は共通して『ゲームに対する実体験や感動』と結びつけやすいために読者にワクワク感を与える作品を生み出しやすいというメリットがあるようですね。
キャラクターの台詞が上手い
続いて、キャラクターの台詞も非常に個性のある表現になっていました。以前取り上げた『冒頭のインパクト』が重要であるという話に一役かっている面があるのでそこと合わせてお話していきましょう!
ヒロインの初登場場面(チャットは除く)の台詞を抜粋してみると、『はいはい! 呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン! ということで、何の用ですか先輩。可愛い可愛い私の声が聞きたくなっちゃったんですかぁ? 変態ですねっ!』です(笑)。
この台詞かなりキャラクターが濃いですよねw まず、テンションの高さがオーバーであることによって、キャラクターを上手く引き出すことに成功しているといえるでしょう。
そして、リズミカルな短文を用いたり、連呼表現を取り入れることで陽気さや暑苦しさと言ったキャラクターの構成要素を浮き彫りに出来ている点もうまく働いてくれているようです。
文章の冒頭のインパクトも大事ですが、キャラクターの登場シーンで第一印象をつける場面も同じ理由で大事になります。第一印象はやはりどうしても、後々まで尾を引いてしまうので押さえておきたいところです。
サクサク進むストーリー
以前の記事でも取り上げましたが、『読みやすい文字数は約2,000文字くらいだ!』というようなお話をさせて頂きましたが、これはあくまでそういうパターンが一般的に多いというデータによる分析結果です。
作品の狙いによっては、合わない場合があります。それが今回のようなケースです。今回取り上げている作品の一話の文字数は7000文字近いですが、非常に読みやすい印象です。
なぜかというと、『読みやすい文字数は約2000文字くらい』ですがそれより大事なのは『文章量と伝えたい情報量のバランス』がちょうどいいかどうかです。
なぜ、本作が例外になっているかというと台詞が多めで『風景描写』や『深い心情描写』がほとんど無いからです。そもそも情報量がかなり少ないのです。
そして、そのままだと情報量が文字数に対して少なすぎるのでストーリー上のイベント(出来事)の多さで勝負してバランスをとっているようにみうけられました。
こうすることで、一話、二話しか進んでいないのにストーリーがサクサク進むので世界観に没入しやすくなり次の話を読んでくれやすくなっているように思えました。
改ページの際に、読むのを脱落する読者も多いのでこのように敢て第一話、第二話を長めに書いて読者を定着させる戦法もまたスタイルとしてはありなのかもしれませんね。
まとめ
さて、今回は『実体験の活用』と『キャラクターの台詞描写』、『サクサク進むストーリー展開』が良くできている作品に出会うことが出来ました。
ジャンルによっては、取り入れない方がいい工夫もありますので注意していただきたいですが。みなさんもここでご紹介する作品たちを読んでみて面白い!と思うのであれば取り入れることをおすすめします。
というわけで、今日もみなさんお疲れ様でした♪
また、こんな記事があったらいいのになーとか、リクエストがあれば、是非ツイッターでリプかDMをくださると喜びます。それではまた会いましょう!ご精読ありがとうございました!
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