お待たせしました!好評につき、今回で第六弾になります。ありがとうございます!

 

前回と同様に、他人の作品を読んで良いと思った点や、取り入れたい技術について特集して行こうと思います!

 

ご紹介する作品は『終末世壊と立方体』(作者: 黒羽くらさ 先生)という作品になります。

 

今回は、web小説特有というか脚本や戯曲の類に特有な書き方になるので苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的に大好きな描き方なので問答無用で紹介してみます(笑)。

 

※このコーナーでは作者様から許可を頂いた上で、引用や画像の使用を行っております。

 

作品紹介

 

ジャンルは『空想科学[SF]』ということになっているようです。終末世界を描く作品なので、世界観のジャンル区分では未来SFに分類されているのでしょう。

 

読者に与えたい印象でジャンル区分した場合は、ある漫画発のアニメ(少女が終末を旅行する某アニメ)を例にとると日常系にカテゴライズされるようです。

 

一話の長さも短めでさくさく読める一方で、簡潔にまとまって無駄が無い印象なので短い文にまとめるのが苦手な方の参考にもなると思います!それでは、あらすじから見ていくことにしましょう!

 

~あらすじ~

少年と少女は壊れた世界を歩き続ける。
その先に、何があるかも知りもせずに。

ただ、進む。

 

 

終末というぼんやりとした状況の世界で、少年と少女は何を思い、どうやって生きて行くのか。今後が気になる作品ですが、今回はとてもシンプルなあらすじになっていますね。

 

しかし、このあらすじ良く見てみると宣伝と基本の両方をきちんと押さえていることが実はわかります。

 

というわけで、そのカラクリの含めて今回も良いところを一つ一つ説明していきたいと思います!

 

参考にしたいところ

 

宣伝と基本を押さえた『あらすじ』

 

さて、ひとつめの工夫として取り上げるのは、宣伝と基本を押さえた『あらすじ』についてです。

 

まず、第一にこのあらすじを宣伝という側面でみたときはどうでしょうか?以前、取り上げたキャッチコピー(人が引かれるうたい文句)の三原則は『自分に関係があると思ってもらう』、『強い言葉を使う』、『疑問を読者に作り出す』でした。

 

これは宣伝文においてかなり重要な技術になります。そして、そのうちの一つである『疑問を読者に作り出す』という点で、良い引きをもっているあらすじになっています。

 

つまり、このあらすじを読んだ読者は少年と少女が荒廃した終末世界を旅していく物語なんだろうなぁ、ということはわかりますが、その実ストーリーの結末については、ほとんど想像できないということです。

 

そうやって、読者の心の中に「どうなるんだろう?」という疑問を作り出す技術と捕らえることもできるでしょう。

 

そして第二に『あらすじ』そのものの基本という側面から見るとどうでしょうか?結構、ここを見落としている作家さんも多いように感じますが、あらすじはあくまで『粗筋』であることです。

 

そもそも『あらすじ』とはなんでしょうか?辞書を引いてみると「物語・事件・考えなどの大体の筋道」と載っています。

 

つまり、あらすじというのはあくまで「物語の大雑把な筋道」であり、読者にどんな作品なのかを伝えるための文章といえるでしょう。そこでもう一度、あらすじを読み返してみましょう。

 

誰が、何を思い、どうするのか、きちんとセットで記述されていることに気が付きます。

 

その点で、この作品のあらすじは基本を押さえつつ宣伝効果もある良いあらすじになっているというわけです。

 

このように、宣伝色をいれたことで疑問を産むだけではなく、「誰が何をするのか?」きちんと『あらすじ』の基本をケアしている構成を心がけたいところですね。

 

擬態語と擬音語の活用

 

続いて取り上げていく工夫は、擬態語と擬音語の活用です。特に擬態語です(擬態語のほうが造語が多く自由な表現の幅が広いため)。

 

擬態語や擬音語の活用は、意外と難しいものです。特にバトルシーンなんかで下手に使うと、どこかで炎上騒ぎになるなんてこともあったとかなかったとか。

 

しかし、擬態語は特に個性が出る表現を行えるため作品の雰囲気づくりには活かしたいところです。

 

話しが少し前後しますが、第三回の書評記事では色の描写を多用することで目線の先にあるもの以外を色のないグレーやモノクロな世界に魅せることができました。

 

それと同じく、今回は音を多用することで終末世界の静寂さを演出することができている点も注目です。原理としては同じものです。

 

そういうわけで、終末という世界観を上手く表現するために擬態語・擬音語が一役かっているのです。

 

読んでいて気付いたのですが、擬音語や擬態語は何を演出するために使用しているのか明確であったほうがいいようです。

 

注意したいのは、擬音語や擬態語は読者に何かを伝えるためではなく、演出するために使用するのが良いということです。

 

例えば、こちらの文『くきゅ――と少女のおなかも同意するように呻く』では、『くきゅーー』という音が用いられていますが、ひらがなにしていることも相まってキャラクターの可愛らしさをうまく演出してくれています。

 

それに対し、例えば戦闘シーンで銃声を描くことを想定しましょう。銃声に対する擬音語によってキャラクターの「かっこよさ」や、動きの「俊敏さ」など何かしら演出したいものがあれば別ですが。

 

それらが無い場合、「バンッ」とただただ擬音語で表現してしまうと粗末な表現になってしまうということもあるようです。

 

そういう場合、「引き金を引いた」など地の分で説明するのと、どちらが良いのか一度考えてみるとより良い作品にまた一歩近づくことができるのかもしれませんね。

 

その点さえ気をつけていけば、擬音語をうまく活用していけるのではないでしょうか。

 

まとめ

 

さて、今回は宣伝と基本を押さえたあらすじ』擬態語と擬音語の活用』が良くできている作品に出会うことが出来ました。

 

本音を言うともう少し良い点をたくさんご紹介したかったのですが、仕事でエクストリームアイロンの競技に半ば強制的に参加させられていた都合で今回はご紹介できませんでした。

 

もう一つ紹介したかったことは、端的に言えば一文一文の文字数の少なさや空白の多さが余計に読みやすさを助長している点です。

 

描きかたがまさにアニメを書き取ったような、戯曲や脚本に近い作風が私は好きなのでこういう作品がもっと普及すればいいなと思います。

 

さて、ジャンルによっては、取り入れない方がいい工夫もありますので注意していただきたいですが。みなさんもここでご紹介する作品たちを読んでみて面白い!と思うのであれば取り入れることをおすすめします。

 

というわけで、今日もみなさんお疲れ様でした♪

 

・小説家になろうで閲覧する

 

また、こんな記事があったらいいのになーとか、リクエストがあれば、是非ツイッターでリプかDMをくださると喜びます。それではまた会いましょう!ご精読ありがとうございました!

 

ツイッターはこちらです。