恋愛小説の書き方&作り方のコツ!
小説を書いていると、色んなジャンルにチャレンジしてみたくなったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
というわけで、今回は恋愛小説を書いてみたいという方に向けて、役立ってくれそうな知識たちをご紹介していくことにしたいとおもいます!(* ̄∇ ̄*)
恋愛小説のポイントとは?
まず恋愛小説の書き方の基本ですが、恋愛の過程だけを語っていても非常に面白くなりづらいと言われています。
よくタイタニックという映画を例に挙げられることが多いのですが、もうすぐ沈没するタイタニック号が描くメインストーリーは、恋愛が成就することにはないですよね。
まずは生き残ること。こちらがメインのストーリーとして描かれていて、恋愛はその過程で育まれていくような流れとなっていることがわかります。
実際、恋愛小説を書いてみようとしたら分かるのですが、好きな人に告白して成就させることを最終ゴールとして主人公たちが奮闘するといった内容から恋愛小説を書きはじめようとすると、何とも面白みに欠けてしまったりして、なかなか難しいことがわかると思います。
このように、恋愛小説を書きたいのであれば恋愛とは別に、メインのストーリーを別に設けてあげたほうが書きやすいのだそうです。
※ちなみに、ここまでは第1回ノベルアップ+小説大賞入賞ラブコメ作家の上村夏樹教授に教えていただきました(笑)。ご協力ありがとうございます!
あとは「どんなメインストーリーを設ければ、恋愛小説の魅力を最大限引き出すことができるのか?」というところが最大の焦点となってきますよね。
恋愛小説の魅力とは?
では、そもそも私たちはなぜ恋愛小説を読みたくなるのでしょうか。言い換えてしまえば、恋愛小説の魅力はどこにあるのでしょうか?
もちろん、楽しみ方は人それぞれですが、人が恋バナや馴れ初め話を聞きたがるとき「好きになったきっかけは?」とか「どんなところを見て好きになったの?」といったところに、まず意識が向くのではないかと思います。
つまるところ、ノロケ話のような「〇〇してもらった」といった結果に興味があるのではなく、どちらかというと主人公自身やヒロインのほうに、読者は関心を抱きがちなのです。
その登場人物たちに魅力を与えてあげるためには、どうすればいいでしょうか?
そういった場合には、登場人物が持つ将来の夢や過去に犯してしまった罪のような「人の悩み(あるいは平凡な恋愛を邪魔してくるもの)」について考えてあげると話に深みが出てきて、なかなか面白い話になってくれるでしょう。
これには、窮地に立たされた時にこそ人の個性が際立ってくるものだということや、物語は基本的に事件や悩みから始まって、それらが解決するまでを描いてやると終わり方を決めやすいということがどうやら深く関係しているようです。
また、パートナー側の動きを想像するために「悩みの解決方法」についても一緒に探っていってあげると、最終的には読者にも気づきを与えることができるので、より話を面白くすることができそうですね!
恋愛小説の典型パターン
さて、もう少し具体的なストーリーの例としては一体どのようなパターンがあるのでしょうか?
以下、参考になりそうな記事があったので拝借させていただきました。引用元の記事内容もなかなか面白かったので参考にしてみると良いかもしれません。
絶対すべらない代表的なパターンBest5を紹介します。
1位 ずっと会えない
2位 約束された破滅
3位 愛し合ってはいけないふたり
4位 最初は遊びだった
5位 三角関係
引用元:恋愛小説の書き方のコツ
こうやって眺めてみると、どのケースにおいても登場人物は複雑な人間らしい悩みを抱えている状態となっていることがわかると思います。
このとき、悩みの大小をうまく調整してあげれば、ラブコメのようなライトな路線で話を組み立てていくか、シリアスな路線でいくかといった部分まで思いどおりにコントロールしてあげることができるでしょう。
また、恋愛小説のように2人の主要人物から物語を書きたいのであれば、カットバックという章だて方法を参考に視点移動をしてみると書きやすくなると思います。
Column.1:欲望の三角形について
ここでちょっとした余談なのですが、臨床心理学の用語に「欲望の三角形」というものがあります。
意味をかんたんに言ってしまえば、「我々がほしがるのは、実は他人の欲望を真似した物に過ぎない」という文芸批評家ルネ・ジラール氏の有名な主張です。
まぁ例外もある気がしないわけでもないですが、行列のできるラーメン屋に人が集まりやすいといった「社会的証明の原理(=他人が欲するものは良いものだと判断すること)」や、津波が来ても周囲が避難せずボケーっとしていれば、逃げ遅れる確率が高くなる「同調性バイアス(=空気を読むこと)」のことを考えてみれば、一定の傾向はあるのかもしれません。
とまぁ、なぜ突然「欲望の三角形」の話をここでしようと思ったのかと言いえば、恋愛においても似たようなことが起こり得るからです。
学生の頃、クラスでモテてる人ってたまにいるじゃないですか?
あれって、「あの人いいよねー」「わかる~!」みたいなちょっとした女子トークが、結果的に「みんなが良いと言っているし、よく見てみたらタイプかも?」となって発生しているんですかね?
だとすると、モテたい人にはちょっと興味深い情報なのではないでしょうか。
とまぁ、少し話が脱線してしまいましたが、こういった理由で恋の三角関係が恋愛小説における物語を彩ってくれるのではないかというちょっとした考察でした!(笑)
恋愛小説の作り方【ストーリー例】
言葉で言うよりも、実践してみた方がわかりやすいですよね。というわけで、少しだけ考えてみることにしたいと思います。
恋愛小説といえど、恋愛を題材とした小説でしかありませんから、以前紹介しておいた一般的な小説の書き方に則ってつくってあげれば問題ありません。
一つ目の手順は、興味の持てそうな疑問を見つけることにありました。「もし○○だったら?」とか「○○とは何か?」といったものですね。
ただ、恋愛を題材にしたい場合において、「もし○○だったら?」という形式の疑問では、多少書きにくいケースがあります。
以下のように、別ジャンルの題材に主軸がずれてきてしまいがちだからです。
・テーマがずれる問題について
興味が湧いた疑問:もし海底都市が主流の世界だったら?
⇒ その世界で作者は何をしたいか?:海中でスポーツをしてみたい。
⇒ 主人公の敵は何か?:出場条件があり、訓練学校を卒業する必要がある。
⇒ 恋愛イベントは?:同じ学生と付き合いはじめる。
↑★いつの間にか恋愛がついでになってしまっている。
これは「○○という不満をどうにか解消できないか?」といった、アイデア発想法(バグリストといいます)を用いたときにも似たようなことが発生してきやすいでしょう。
たとえば、「自分のいうことを素直にみんな聞いてくれればいいのに」と不満に思っていたとすれば、その解消案としては「人に命令できる力を手にいれたら?」といった題材で物語を書くことになることもあるでしょう。
しかし、実はこのような発想法でいけば、題材が薄い本に一直線になってしまいがちなんですよね(笑)
それでは、恋愛小説の場合どのような発想法がもっともフィットしやすいのでしょうか?
ここで記事冒頭の結論にもどることになるのですが、人の切実な悩みから考えてみるのが良いでしょう。
たとえば、生真面目さで悩んでいる風紀委員のヒロイン、なにかがあって不登校になってしまった少女、親と喧嘩したあとに謝れないまま死別してしまった少年といった感じですね。
登場人物たちが、それぞれの悩みにどう向き合って壁を乗り越えていくのか。そこにどんな敵が立ちはだかってくるのか。
そういったヒューマンドラマのなかで恋愛を描いていくと、それらしくなってくれるでしょう。
このように考えていけば、上で説明しておいた黄金パターンから少し抜け出して、自尊心と戦うラブコメ「かぐや様は告られたい」や「毒舌少女はあまのじゃく」といったような作風の作品を生み出していくこともできるようになるでしょう。
また、物語に捻りが足りないとおもったときには、要素を増やすのではなく出来る限り人物の掘り下げ(なぜ、この人はこんな行動に出たのかなど)を行ってみてください。
あまり要素を詰め込んでしまうと、矛盾点を解消するために話の都合でキャラクターを動かしてしまいがちだからです。これで登場人物の魅力を半減させてしまうのはとってももったいないと思います。
というわけで、今回は恋愛小説の書き方についてのまとめでした。
ご精読ありがとうございます!
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