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小説・物語に伝えたいこと『メッセージ性』を持たせる表現テクニックとは?

小説・物語に『メッセージ性』を持たせる表現方法とは?


頭の中でなんとなく想像している物語を、小説といったなんらかの形でアウトプットしたいという気持ちになりながらも、作品に「メッセージ性」を含ませようとすると、どうしても読者に対して押し付けがましくなってしまう。

 

なんてことはないでしょうか? かくいう私も、つい最近まで「小説の書き方」を小説を読むだけで、読者が理解できるような「もしドラ」の二番煎じのような作品製作を試みていたのですが、まだ実現できていません。

 

しかし、なぜ実現できなかったのかという理由がわかったので、それを共有することで同じような悩みを持っている作家さんが一歩前進できることを期待して、今日も一筆したためてみたいと思います。





 

物語にメッセージ性を込める方法


今回は、解説もなかなか難しくなりそうなので、まずは結論から話すことにしたいと思います。

 

なによりも重要なことは「多くを語らないこと」です。

 

「いやいや、待ってくれ」といいたくなる気持ちもわかります。なぜなら、メッセージを伝えたいと思っている方々は凡そ、並々ならぬ思いを抱えているだろうからです。

 

伝えたいことがあるのに「多くを語るな」と言われても、口や手から止めどなく溢れ出す感情を押さえつけることは容易ではないでしょう。そういった場合は、小説ではなくエッセイの方が向いています。

 

それでも、どうしても小説じゃないとダメなんだという方もいらっしゃるかもしれません。そういった方が、出来る限り苦しまずに、商業作家として執筆活動に勤しむために使える工夫は、大きく分けて以下の二つになることでしょう。

 

  1. 「格言」のような短いフレーズを際立てるだけのために、ストーリー・舞台・キャラクターを創造する。
  2.  メッセージを知りたいと思わせるような「未解決問題」をひたすら描写する。

 

それでは、ここからは解説編と行きましょうか。出来る限りわかりやすく解説しようとおもいますが、今回ばかりは少しむずかしい話なので、伝わっていなければ私のTwitterアカウント(@kazakiribana2)に疑問点を投げかけてもらえると助かります。※補足として追記しようと思います。

 

沈黙は金、雄弁は銀


イギリスの思想家トーマス・カーライル氏の言葉です。沈黙を守るべき時を心得ることは、雄弁に語ることに勝るといった意味の格言なのですが、なによりもこの言葉自体にセンスを感じますね(笑)

 

なぜなら、こういった格言という短いフレーズになっていなければ、こうやって今日のわたしが記事に書き込んで、多くの作家さんたちの目に触れることはなかったでしょうから。メッセージ性や重みのある言葉こそ、多くの人に伝えるためには「沈黙」が重要なんです。

 

とはいえ、なぜ「沈黙」が重要なのでしょうか?

 

それは作者が伝えたいことが多ければ多いほど、話が難しく共感されづらくなっていくという性質があるからでしょう。

 

小説に関わらず物語というものは「人を説得する道具」として、政治演説と共に長い歴史を歩んできました。

 

そして、物語がより多くの人を説得するためには「(法則性が生み出す)論理性」と「(不完全性が生み出す)共感性」のバランスが大切になります(※これについては、以前の動画を参考にしてみてください)。

 

要するに、論理的すぎても話が難しくなってしまい「エンタメ」というよりは「論文」になってしまいますし、逆に非論理的もすぎれば、登場人物が放つ感情の高ぶりも、どこか冷めた目でみられてしまうというわけです。

 

一方、メッセージ性のある作品というのは、作者が並々ならぬ思いを抱いているケースが大半でしょう。

 

小説の書き方を語っているだけで数百万文字も書いている当サイトの内容を一冊の小説に束ねようなんて、はっきりいって正気の沙汰ではないのです(笑)。

 

つまり、小説や物語において扱おうとしている情報量が多いのです。それでは多くのことを伝えるためには、多くのことを語る必要は果たしてあるのでしょうか?

 

必要ないでしょう。実のところ、それを体現している作品はいくつもあります。「エヴァンゲリオン」や「風の谷のナウシカ」、「進撃の巨人」などが具体例として挙げられます。

 

それぞれの作品が扱える情報量が多いのには、各々理由があるのは確かですが「結果」だけをみてしまえば、共通しているのは「不完全性」の高さなのだと思います。

 

実のところ、不完全性とは「読者が想像できる選択肢(想像の余地)の多さ」そのものですから、より多くの情報を同時に扱えるという性質も持ち合わせているのです。

 

そして、この不完全性の極地は「語らないこと」だったというわけですね。抽象的な表現になりすぎると、もはや言葉で理解させることも困難ですから、いっそのこと語ることすら辞めてしまおうというわけです。

 

以前から、物語の基本構造は「事件や不安」に始まり「解決や回復」に終わるというものだという説明をしてきました。

 

しかし、メッセージ性を込めたい作品を作る時に限っては「解決や回復」は語らずに、事件そのものや不安そのものを淡々と描くことによって、社会に問題や謎を提起してこそ多くの人々の目に留まることに成功してきたのではないでしょうか?

 

ちなみに、古代ギリシアにおけるスパルタという国(ラコニア地方)では、多くを語らない「ラコニズム」という文化があったのだそうです。

 

映画「300(スリーハンドレッド)」に登場してくる、かの英雄レオニダスが戦争による死を決し自身の妻子に「良い男と結婚して良い子供を生め」とだけ残して戦場へ向かうシーンがあります。

 

こういった格言を残す作品を書いてみたいものですね!

 

というわけで、物語にメッセージ性を持たせたいのであれば、沈黙を大切にし問題や謎を提起し続けることが重要になってくるでしょう。

 

どうしても他の方法で多くを語りたいのであれば、群像劇を書いてみるというのも良いかも知れません。群像劇の書き方については、以下の記事を参考にしてみてください。

物語・ラノベ創作に使える『プロットの考え方』まとめ!|創作熱が冷めないコツとは?

 

ご清聴ありがとうございました!今日も創作活動がんばってください^^

 

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