この記事では、ファンタジー作品を中心に創作するにあたって欠かせない要素である『モンスター』について、作家さんのインスピレーションを高める知識のインプットと一緒に、創作における工夫をご紹介していこうと思います♪
前回の記事を読まなくてもわかるように構成していますが、前回ご紹介した「フェンリルに学ぶ可愛いキャラクターの作り方!」も参考になると思いますので、まだ読んでいないという方は読んでみるといいかもしれません。
というわけで、今回はケセランパサランという生物について学びながら、その魅力がどこから来ているのか?一緒に見て行きましょう!
ケセランパサラン
ケセランパサランとは、江戸時代以降にまことしやかにさされるようになった民族伝承上の生き物(?)のことです。
見た目は真っ白なタンポポの綿毛のようなもので、その実生き物であるかすら謎の物体がケセランパサランです。
今回記事を描くにあたり、あれこれといろいろと調査してみたのですが、本当に謎が多すぎてただただ謎が深まるだけでした…(笑)。
動物の毛であるという説や、花の冠毛ではないか?という説、猛禽類ではないか?妖怪なのでは?未確認生命体だ!とまぁ本当にあらゆる説が乱立しているようです。
語源ですらよくわかっていないどころか「なにがなんだかさっぱりわからん」を意味する東北地方の言葉が語源であるという説があるくらい、とにかく謎でしかない生物です(語彙力)。
説が多く、そもそもみんながケセランパサランと呼ぶ物体の正体も実は複数あっていろいろと混同しまくってるのではないかというのが管理人の見解です。
さて、そんなさっぱりわからない生物ケセランパサランですが、それでもいくつかわかっていることもあるようです。
まず、目撃者は結構いるようで博物館や水族館に普通に飾ってあるようです。その気になればいつでも見に行けるという謎にしては意外と身近な存在なので、もし近いのであれば見に行くといいかもしれません。
なにかしら創作意欲を掻き立てるものがあるかも?というわけで、通説から見て行きましょう。
ケセランパサランについての俗説
ケセランパサランは見つけた人や持ち主に幸せをもたらすといわれています。そういうわけで、東北地方を中心に子孫代々受け継がれているケセランパサランもいるとかいないとか。
ただ、一度人に見せると効果がなくなってしまうとか。蛇の夢を見ると金運が上がる!というお話でも、人に話してしまうと効力がなくなるといいますよね。くれぐれもお口にチャックをつけておきたいところです!
そういった親子のほっこりしたエピソードにも使えそうなケセランパサランは風情があってとてもいいですよね。
まぁ、動物のうんこという説もあるのですが。風情が台無しになるのでそこは伏せておきましょう(伏せていない)。
ちなみに、育てて大きくすることもできたりするそうです。密閉に閉じ込めたら死んでしまうとか、おしろいを食べるとか言われています。
魅力
さて、ここまで読んだ皆さんはもう既にケセランパサラン博士なわけですがケセランパサランってなんかもふもふしてて謎に包まれて魅力的な生き物ですよね。
この魅力はどこからきているのでしょうか?既に書いてしまいましたが、ケセランパサランの魅力の一つはそのミステリアスな部分にあるのではないでしょうか?
ミステリアスが魅力を作る
謎というのは人の探究心や好奇心を刺激します。正直、この綿毛が生きていようがそうでなかろうが対して気になる要素はなく周囲が謎だ!謎だ!と騒ぐので余計に気になるのではないでしょうか?
こういう工夫って作品にも取り入れられると思うんですよね。例えば、「東京喰種トーキョーグール」という有名な作品があるのですが、作中で謎が多い「ふくろう」というキャラクターが出てきます。
物語の要になる情報をもっていたりして、全く無視は出来ないというポジションにいながらも物語の序盤では謎だらけの状態になっていて、各登場人物に「あいつは正体がわからない」といわせることで、
ケセランパサランのように人の好奇心や探究心を煽り、キャラクターを魅力的に演出できることもあるようです。よくあるゲームの隠しキャラなんてのも同じようなものかもしれませんね。
キャラクターの芯が魅力を作る
さらに、ミステリアスなキャラクターは同時に独特な世界観を持っていることが多くぶれない芯を持っているため、その芯に惹かれる人もいるようです。
ケセランパサランで言うところの子孫代々受け継がれているというエピソードがその独特な世界観に当たるのではないでしょうか。
最後に余談ですが、ミステリアスな部分の他にも「ふわふわ」している可愛さもあると思います。みなさんはふわふわしたものは好きですか?
ふわふわしたものってなんか安心しますよね。実はこれ『幼児記憶』が関係しているらしいです。幼児記憶というのはそのままの意味で、人間であれば幼児のときに記憶しているものには郷愁(きょうしゅう)を持ちやすい傾向があるようです。
もっと簡単に言うと幼い頃にふかふかのベッドに寝ているとそのふかふかさや、毛布のもふもふ感に懐かしさや安心を覚えてしまうというものです。
そこから逆算してキャラクターを作るというのは難しいかもしれませんが、この郷愁という感情はストーリーを描く上で大いに使えるひとつのテーマになりえるのではないかと思います。
ご精読ありがとうございました!また、こんな記事があったらいいのになーとか、リクエストがあれば、是非ツイッターでリプかDMをくださると喜びます。ツイッターはこちらです。