一体、一日に何人の主人公が異世界転生のためにお陀仏になっているのでしょうか(笑)というわけで、今回は異世界ファンタジーは何でここまで人気になったのか?その原因を一緒に探っていきましょう!
人気の理由
端的に言うと、以下のものが理由として考えられるでしょう。
1. テンプレがあるので読み進めるのが楽
2. 物語に没入しやすい
3. 異世界だからという理由で超展開を利用できる
他にも作品ごとに人気になる理由はあると思いますが共通してあげられるものには、この三つがあるでしょう。ここからは、具体的な作品と共に三つの理由について説明します。
1. テンプレがあるので読み進めるのが楽
WEB小説やライトノベルに共通して言えることですが、文庫本に比べると難解な漢字や表現を用いることなく、手軽に読めるのが良さのひとつとして挙げられます。
読者層は手軽に読めるものを求めているのでしょう。ストーリーや設定だけ見ると物凄く面白い小説があったとしましょう。ただ、設定が多すぎて読者が理解に時間を要するとしたらどうでしょうか?もちろん、謎解きなどのその難解さが面白い頭脳派のストーリーは除きます。
読む人もいるかもしれませんが、大勢に読まれるかといえば難しいでしょう。需要とあっていないのですから。逆に言えば、わかりやすければそれでいいのです。
というわけで、手軽にサクサク進むストーリーの作品の例として「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」という作品にはどのような工夫があるのかみてみましょう!
概要はこんな感じ↓
デスマーチ真っ最中のプログラマー“サトゥー”こと鈴木一郎。仮眠を取っていたはずが、気が付くと異世界に…!?視界の端には、仮眠前に作っていたゲームを思わせるメニュー画面。レベル1の初期状態。
ただし初心者救済策として実装したばかりの「全マップ探査」とマップ殲滅ボム「流星雨」×3付。目の前には蜥蜴人の大軍が!助かるために「流星雨」を使用したサトゥーは、その結果レベルが310となり莫大な財宝を手に入れる――。
夢か現か、ここにサトゥーの旅が始まる!
掻い摘むと、プログラマーの主人公が自分が作っているゲームの中に迷い込み悪を倒し、ハーレム生活!という感じです。ここでひとつ注目したいのはゲーム(RPG)という世界観設定です。
ゲームをやったことのある人であれば、RPGがどんなものなのかがわかるでしょうからそれだけでも悪を倒す!というストーリー展開は容易に想像できるでしょう。
また、RPGのお決まりの展開や世界観(スキルやレベルシステム)も一般的に知られているので、わざわざスキルというのは~でという風に読者に説明する必要がないのです。
まとめると、
①RPGテンプレを用いることで、読者に何を楽しみながら読む作品なのか自然に理解させることができる。(この場合はRPGなので敵を倒す達成感など)
②RPGテンプレを用いることで、用語の説明を省いている。
このように、テンプレを利用することで読者がサクサク読めて人気になっているというわけです。一言で例えると、ラーメン店(メジャーなメニュー)にはふらっと立ち寄って食べますが、ふらっとグルジア料理店に立ち寄ることはないということなのでしょうね。
逆に言えば、テンプレを利用して異世界ファンタジー以外をかければそれはそれで人気が出るのかもしれません。異世界であることよりも人気の本質を理解することが大事なのです。
2. 物語に没入しやすい
続いて、異世界ファンタジーが人気の理由として「物語に没入しやすい」という点も挙げられます。それは何故かというと、主人公の過去をリセットして自分に差し替えることができるからです。大人になるにつれて、現実と理想の違いになんだかなぁと思うことはないでしょうか。
そんなときに、もっと理想的な世界に没入したいという願望が出てくるのは自然な発想だと思います。ただ、主人公の過去が自分とあまりに違うと共感できず、没入できない場合があります。そんなときに、過去がリセットされていればその問題を回避できるのです。
3. 異世界だからという理由で超展開を利用できる
いきなり魔王になる!いきなり王様になる!などの展開のことです。異世界でなくてもファンタジーであれば、物凄い主人公が強いキャラクターであったり、モテモテであったり、貴族であるという設定は可能です。
しかし、ニートやサラリーマンが、いきなり王様や魔王になるという展開はストーリー的に超展開としかいえず異世界に飛ばない限りは読者を納得させるのは難しいでしょう。
その点で、異世界という設定は非常に便利なのです。さて、これから異世界ものを描く方は、今回ご紹介した存分に異世界の強みを活用してみてください。異世界以外を描く方は、今回ご紹介した異世界ものが人気な理由を思い出して自分の作品ではこういう工夫ができるのでは?と考えてみるといいでしょう!
是非、活用してみてくださいね!ご精読ありがとうございました!