小説や記事といった文章を書いていると、度々お目にかかる「推敲」「校正」「校閲」の文字。それぞれの意味をごっちゃにしてしまっている方も多いのではないでしょうか。
というわけで、今回は手短に「推敲」「校閲」「校正」の違いについて解説していきたいと思います。
推敲、校閲、校正、それぞれの意味
■ 推敲
「推敲」とは一度書いた文章を読みやすくしたり、面白い表現が思い浮かんだから追加修正するといった作業のことを指します。※新人賞や公募のルールに則っているかも、必ずココで確認しておきましょう。
■ 校閲
一方、「校閲」は原稿に誤字脱字がないか、文章に矛盾がないかなどを確認する作業のことを指します。
■ 校正
そして、最後に「校正」は原稿と刷った完成品を突き合わせたときに、変更の反映漏れや原稿のデグレード(更新したはずの変更が更新されていないこと)が起こっていないか等を確認する作業のことです。
なので、作業の手順も必然的に「推敲」⇒「校閲」⇒「校正」の順番に行うこととなります。個人作家だったりすると「推敲」と「校閲」を同時にする方もいらっしゃるかもしれませんね。
自作小説を推敲する方法については、前回の記事『推敲の意味とは?~わかりやすい例文で推敲の方法を徹底解説!~』で細かく掘り下げて解説しておきました。興味がある方は、そちらをご覧ください。
というわけで、今回は「校閲」と「校正」のやり方や手順について詳しくお話していくこととしましょう。
校閲の具体例
前述の通り、「校閲」とは文章における間違いを正す作業とされています。
しかし、ここで言う「正す」の意味は、日本語的に正しいかどうかに留まりません。文章として矛盾がないかという所を問われるのが校閲の特徴です。
例えば、右目に眼帯をつけているキャラクターについての描写に「左目につけている眼帯が…」といった記述があれば、修正していくのが校閲です。
出版社には校閲の専門部隊があるのですが「これは琥珀色と称するには、ちょっとおかしい。カナリア色だ!」とか「料理の量が、4人パーティーなのに多すぎて非現実的」といった指摘を受けた作家さんも居ると言われており、数々の死闘や逸話が残されているとか(笑)。
さて、ここまでをまとめると校閲には大きく分けて二つの作業があります。
ひとつは、誤字脱字を正すもの。
もう一つは、文章中にある不自然な点や矛盾を正すものです。
それでは、続いて校閲の具体的なやり方についてお話していくことにしましょう。
誤字脱字を修正する
誤字脱字を修正する作業は、もはやそこまで重要視する必要はないでしょう。
みなさんお馴染みの「マイクロソフトWord」ですら、キーボードの「F7」ボタンを押せば一瞬で校閲が完了します。
もし、不十分に感じればもう少しだけ高性能なワープロソフトを買えば解決ですから、あまり気にするところではないでしょう。逆に言えば、ここをケチると膨大な作業時間が発生します。
▼ちなみに、高性能のワープロソフトは『一太郎』がおすすめです。
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しかし、どうしても目視でやりたいという方には、少しコツがあるのでご紹介しておきますね。これは校正の作業でも共通なのですが、角度を変えて見ることで間違いに気付きやすくできます。
具体的にはどうするのかというと、縦書きの原稿を校閲・校正したいときは横書きにしてから読み直したり、印刷してパソコンの画面ではなく紙にしてみると良いです。
また、特にページの切り替え部分は見落としがちになるといわれているので特に注意しておきましょう。
よく「推敲」と「校閲」が混同されるのは、「てにをは」といったものがあるからなのだと思います。
「てにをは」とは、「ハンバーグが良い」と「ハンバーグで良い」といった助詞の違いで、文章のニュアンスが異なるものになることを指すのですが
助詞「が」と助詞「で」のどっちでも意味が通じて特に矛盾が生じない場合に、どちらの方が良いだろうかと考えるのは「推敲」
どちらか一方を選ぶと、それまでの文章との間に矛盾が起きてしまうため加筆修正する必要に迫られた場合は「校閲」となるから混同してしまうのだと思います。
作業としては、どちらも「が」を「で」に変えるか「で」を「が」に変えるかなので、結局同じ作業に見えてくるのも仕方ないですね。
文章中にある矛盾点を洗い出す
こちらは中々、一人でやると難しい作業だと思います。人間の脳みそは良くも悪くも、多少のミスは勝手に脳内修正してしまうからです。
書いた後、数日置いてから読むことで多少は回避することもできますが、推敲で何度も何度も読み返した内容を完全に忘れるのには結構な時間がかかります。
そういうときは、「人に読んでもらうこと」が最も確実な方法となるでしょう。他にも、読み上げソフトで確認するという方法や、音読して確認するという方法もあります。
また、私自身も校閲や校正に関して力を入れて勉強している所なので、
もし「読んでくれる人がなかなか居ない!」とか「身近な人に読まれるのは気が引ける」、「上手い人にやってもらいたい」といった方は、有償になりますが依頼を受けられるように特訓中です。少々お待ちください。
というわけで、次回もお楽しみに!ご精読ありがとうございました!
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