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キャラクターにエピソード記憶を持たせるメリットを有名作品から学ぼう!

 

今回は、キャラクターに動きを与えてくれる要素の一つである「キャラクターの持つエピソード記憶」が、

 

実際にキャラクターに動きを生み出していく、プロセスを学んでいきましょう!

 

エピソード記憶とは?

 

さて、わかっている方も多いと思いますが本題に入る前に『エピソード記憶』とは何か、ザックリとおさらいしておきましょう!

 

エピソード記憶とは、人物の持っている過去の出来事に関する記憶のことを指します。

 

『漢字を記憶する』といったときに用いる記憶のことではなく、『誰がいつどこで何をどうしたのか』という形式に当てはめられるような記憶のことをエピソード記憶と考えて、ひとまず問題はないでしょう。

 

エピソード記憶の活用例

 

それでは、どのような過程で『エピソード記憶』はキャラクターに動きを与え、読者の心を動かしていくのでしょうか?

 

説明を簡単にするために、具体的として『エピソード記憶』が活用されている作品をみていきましょう!

 

今回、参考にする具体例は『転生したらスライムだった件』(通称:転スラ)という作品です。

 

アニメであれば、第14話「すべてを喰らうもの」が参考になるでしょう。

 

アニメも小説も読んだことがない方に向けて、少しだけ作品の概要を説明しておきますね。

 

~あらすじ~

サラリーマン三上悟は通り魔に刺され死亡し、気がつくと異世界に転生していた。

 

ただし、その姿はスライムだった!リムルという新しいスライム人生を得て、さまざまな種族がうごめくこの世界に放り出され、「種族問わず楽しく暮らせる国作り」を目指すことになる――!

 

引用元:転生したらスライムだった件

 

 

話をかい摘まむと、主人公であるリムル・テンペスト(名前)は異世界転生後、強力なスキルを用いて味方を作ったり、あらゆる脅威から仲間を守ろうとします。

 

その脅威となる『オークディザスター』という敵サイドのキャラクターが、今回取り上げたいキャラクターになります。

 

「オーク」から連想されるように、豚のような形相をした架空の生物をモチーフとしています。

 

物語の冒頭では、このオークディザスターというキャラクターは悪役ということもあり、登場からしばらくの間はその凶悪さを強調するような行動ばかりを行っていました。

 

話の通じない素振りをみせたり、味方を食して自分の尽きない飢えの足しにするといった、一見すると自分勝手極まりない行動たちです。

 

そんな誰にも好かれそうもない行動をとるオークディザスターですが、このキャラには、まさに魅力を引き立てるエピソード記憶が与えられていました。

 

あまり露骨に言うとネタバレになり兼ねないのでぼかしていいますが、実はこのキャラの行動はすべて人のための行動だったということが発覚します。

 

そのため物語の終盤では、他者を助けるのために悪に手を染めてしまった過去のエピソードが、オークディザスターの現在の状況に対して同情を誘ったり、幸せになってほしいと読者に感じさせるようになっていきます。

 

そして、主人公がオークディザスターを救済すると、見事に「読者の願望」を叶えてみせる物語が展開できるというカラクリになっているのです。

 

このように、キャラクターの生い立ちや過去の設定などの「エピソード記憶」はキャラの内心を垣間見る機会となるため、

 

キャラクターが現在おかれている状況を客観的に理解しやすくしてくれます。

 

そのため、キャラクターの行動一つ一つに対しての理解が読者の中でも深まり、読者からするとキャラクターが意思を持って見えやすくなるのです。

 

まとめ

 

私たち人間は、少なからず過去の影響を受けながら現在の行動を決めていきます。

 

過去に失敗したから『怖い』と思ったり、過去にやったことがないから『やってみたい』という様々な意思を持つことが出来るのです。

 

その一方で、小説や漫画・アニメで描かれるのは、キャラクターの人生からすればごく一部だけに過ぎません。

 

しかし、だからと言ってキャラクター達に存在していたはずの過去の生い立ちやエピソードを全く用意しておらず疎かにしていると

 

キャラクターは、まるで意図を持たない操り人形へと変貌してしまうでしょう。

 

脇役にまで設定しておく必要はないですが、主要キャラクターには最低限与えておくと、より感情移入しやすい作品に仕上がるのではないでしょうか。

 

また、キャラクターに動きを与えてくれる要素は他にもあります。興味がある方は、以下の2つの設定についても理解しておくと更なる高みを目指せることでしょう!

 

> 「人間関係」がキャラクターを動かす仕組みを知る

> 心の葛藤を生み出す方法は「過去のエピソード」+「○○○○」!?

 



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