物語を作る時には、多かれ少なかれ誰しも起承転結やプロットを考えることになると思います。せっかくすごく良い起承転結やプロット、設定を作ることができたとしても良いシーンが脳内で思い浮かぶたびに設定を変えていくと予定したものと違うものを作ってしまって話の落とし所がわからない!なんてこともよくあります。
というわけで、今回はそんな罠に引っかからずにどうすれば、物語が脱線しないですむのか?一緒に考えていきましょう!ちなみに、プロットとは起こった出来事を時系列ではなく因果関係でつないだものでストーリーとは違うのでご注意くださいね!違いがわからない方はストーリーとプロットの違いについて復習しておきましょう!
脱線しないコツ
この記事で紹介する対処法は、起から結までの長さを短くするというものです。描く時間が短ければ必要以上の設定を作ることもないですから脱線はほとんどしなくなります。しかし、長編の小説を描きたいという方もたくさんいらっしゃると思います。
その場合は、この方法を応用します。具体的には、①大枠の起承転結を作成し、②その後、描きたいシーンごとに起承転結を持ったミニストーリーを描いてミニストーリー同士を繋げていく方法になります。起、承転結、承転結、承転結…、結というイメージです。
とはいっても具体例を挙げた方がわかりやすいと思うので、今回は「とある魔術の禁書目録」という作品を例に説明していきますね♪
▼作品の概要はこちら!※読み飛ばしても大丈夫です!
舞台は巨大な都市。その人口の約8割が学生ということから、『学園都市』と呼ばれていた。学園都市の生徒達は、超能力を発現させるための特殊なカリキュラムが組まれていて、主人公・上条当麻(かみじょうとうま)は、学園都市の高校生だが、その評価は落第寸前の無能力。
なぜなら彼の右手には、“異能の力ならなんでも打ち消す”『幻想殺し』(イマジンブレイカー)と呼ばれる能力が宿っていたからだ。そして彼はこの右手のおかげで、“神のご加護”まで打ち消してしまい、常に不幸な人生を送っていた。
しかし、そんな日常に突如変化が訪れる。夏休みに入ったばかりの日、彼の部屋に、純白の修道服のシスターがいきなり空から降ってきた。
不思議少女が空から登場という展開に「ありえねぇ……」と上条当麻はつぶやくが、その少女はこう言った。自分は“魔術”の世界から逃げてきた――と。
そして彼女は自らを『禁書目録』(インデックス)と名乗る。ここは“超能力”が一般(あたりまえ)として認知された、“科学”の象徴である学園都市。どう考えても偽名な少女のオカルト発言に、上条はいぶかしむが――――
次の瞬間。上条の前にインデックスを追ってきたという“魔術師”が現れた。異能を打ち消す右手を持つ少年の、少女を守る戦いが今始る……!
ミクロで起承転結を作る
まずはこの作品において、ミクロ的な視点からアニメ1話~2話の起承転結をまとめると…。起:超能力の開発が著しく発達した学生が闊歩する学園都市であり、主人公はその中のいち学生であるということ。そして、「幻想殺し」という超能力無効化の能力を持った主人公であること。
承:学園都市という変わった世界だが、その日常を淡々と過ごす主人公を描く。転:ベランダにシスターが干されているという衝撃的な出会いと魔術との接触。結:そのシスター(インデックス)を襲いに着た魔術師を撃退し、彼女の怪我も治る。というものになっています。
これが「とある魔術の禁書目録」という大枠の中にある一つのミニストーリーということになります。そして、続きはどうなっているかを同じように起承転結を調べてみると、承:インデックス(ヒロイン)との日常が始まる。転:魔術協会からの新たな刺客(神裂火織)が出現。結:神裂の事情(インデックスは年1で記憶を消さないと死んでしまうから記憶を消しに着た。)を知りつつも、一旦抗うように説得させる。
さらに、続きを見てみると、承:説得により与えられた猶予期間で、主人公が必至に神裂やインデックスの事情を解決しようとする。転:主人公が「神裂が魔術協会に嘘の事実を教えられている」ということに気付いて、解決策を発見。結:問題解決!(ただし、ここで主人公は記憶喪失になる。)←フラグ設置という感じの展開になっています。
ちなみに作品のスタイルにもよるのですが、この「承転結」ごとにテーマを変えていくこともできます。また、そういった作品も実際にあります。逆にひとつのテーマで長編の作品を作ることもありますので、どちらが自分にあうか試してみるのもいいかもしれませんね。
マクロで起承転結を作る
さて、続いてマクロな視点で起承転結を見てみるとどうでしょうか?その前に、実はマクロな視点の起承転結というのは主に二種類考えられるので整理しておきます。一つ目は、キャラクターを固定したときに、そのキャラクターのみの行動に基づく起承転結です。これが無いと、各キャラクターの性格が崩壊することがあります。
二つ目は、作品のコンセプトやぶれない芯からみた起承転結です。くだけて言うと、その作品で読者を感動させたいのか?笑わせたいのか?勇気付けたいのか?という部分です。これがぶれると途中まで読んでくれた読者から、途中からは好みじゃないというなんとも惜しい感じになってしまいます。
このマクロな起承転結を柱に、ミクロな起承転結(ミニエピソード)をつなげていくという手法であれば、日常の場面と感動や劇的に心を動かす場面とが交互に出しやすいため読者も飽きさせにくいというメリットがあります。ずっと、甘いものを食べるよりも甘いものと辛いものを交互に食べた方がいいみたいな感じなんですかねw
というわけで、今日はここまでです。ご精読ありがとうございました!みなさんの作品、楽しみにしています!